毎日ヒィヒィ言って書いてた仕事がなくなり、急にやることがなくなってここ数日ドラクエ廃人になっているセリ美です、どうも。
RPG、実は結構好きでしてね。
最近はスマホアプリで無料でドラクエなんてできちゃうもんだから、しかも永遠にプレイし続けられるようなサービスも充実してるので、うっかりすると日がな一日ドラクエに没頭してしまうという…
そらさんもゲーム結構好きみたいで、やり始めると寝る時間を削ってまで熱中してしまうからやらないようにしてるって言ってましたけど、気持ちわかるわ~~~やっぱ親子ね~~(ん?)
さて、前回のテレビ出演オファーに引き続いて、今回もとっておきのネタをご披露したいと思います。
皆さまご存知の通り、セリ美は水夏希さまを神様と崇めております。
男役としてはもちろんのこと、女優としても人間としても賞賛するところしかないミズさま。
神様のお目汚しになってはいけないと、このブログでミズさまのフルネームはあまり書かないように(ミズさまによるエゴサ防止)してるほど、ミズさまはセリ美にとって殿上人でございます。
こんな下僕中の下僕、セリ美がミズさまのファンクラブに入るなど到底許されはしないと、ファンクラブにも入れないほど崇め奉っております。
そんなミズさまが次にご出演なさる舞台は、数々の大女優たちが演じてきた歴史ある作品、『細雪』。
谷崎潤一郎の『細雪』の舞台化です。4姉妹がメインの物語で、まぁ「渡鬼」の古典版みたいなもの、と言ったら谷崎潤一郎と橋田先生にこっぴどく否定されそうですが…
でも4姉妹の人生を描いたという点では近いものがあると思いますね。
映画化やドラマ化も何度もされていて、舞台では宝塚OGたちもたくさんキャスティングされてきています。
その仲間にミズさまが入られるということで、女優としては大変名誉なお仕事と思ってお引き受けになられたのではないでしょうか。
ちなみにミズさまは四女の妙子役です。
劇場も明治座ということで、やっぱり歴史ある明治座に立てることも舞台女優としてハクがつくのではないでしょうかねえ。
今回は、
長女・浅野ゆう子さん
次女・一路真輝さん
三女・瀬奈じゅんさん
四女・水夏希さま
というキャスティングになっておりまして、当初は長女が黒木瞳さんだったんですが謎の降板がありまして浅野ゆう子さんになりました。
瀬奈さんとミズさまは本科予科ということもあったり、花組で切磋琢磨しまくってた時代なんかもあったり、TCA(タカスペの前身ね)で2人でダンス対決をして歴史に残る最高の場面を見せてくれたりとか、なかなか縁の深いお2人でございまして。
セリ美はこのお2人の、何とも言えない(あんまり気が合わないんだろうな…)っていうビミョーな空気含めて好きでした。
でも退団後はあまり共演がなくって、ついに共演!となったわけですが…
細雪………
あんまり興味ねえ………
いやね、そりゃあお金が余ってりゃ行きたいですよ。
でもほら、4月5月はオーシャンズ貧乏始まっちゃうし…
限られた観劇予算の中でどの公演にどれだけ予算をあてられるかっていうのはやっぱり考えながらやらないといけないわけですよ。
仕事も辞めちゃったしさ。
そうなると、ここはどうしても休息ポイントになるわけですよ。
現役さんもできれば5組観ていきたいし、オーシャンズ後の全ツもあるわけで…20世紀号の乗車だって諦めたんですから…
ミズさまごめんなさいごめんなさい細雪は遠くから見守っておりますゆえ、どうか、どうかお許しをおおおおお!!!どうかぁぁぁぁ!!!
セリ美は自由と叫んーだーだけぇぇぇぇ(結構ね!)
ご慈悲を陛下!死刑はやめてえええええええええ!!!!
(冷静に~~…冷酷に!!!)
却下!!!!!!
陛下!!!陛下ぁぁぁぁぁぁ!!!!!
と決めていたんですが…
ミズ友さんから
「細雪のオーディション、受けてみない?」
と急に言われまして。
は???
おーでしょん????
「だってミズさんと一緒の舞台に立てることなんてもう一生ないよ!」
は?
一体この子は何を…???
聞いてみれば、『細雪』では今や恒例イベントとなっているエキストラ一般オーディションがあるとかなんとか。
「どうせ落ちるんだから、面白半分で受けてみようよ!!」
とのお誘いですた…
そ、そんな…
恐れ多すぎてファンクラブにも入れないこのセリ美が…
ミズさまと…
同じ舞台に…?!?!?!
そんな、とんでもねえ!!!!!!
おらぁ、そんなおそろしいこと…できねえだ…
しかも着物は自前で準備、着付けも自分でしてこいって…
おら、着物なんて1まいも持ってねえだ…
実家に頼れば無いことも無いかもしれんが…
お、おら…着物を自分で着ることなんて…できねえだよ……
と言ったら、「友達が着物持ってるし、着付けもできる!!」との言葉。
「ね?どうせ落ちるんだから、送るだけ送ってみようよ!」
と強く説得され、まぁ確かに履歴書送るだけ送って、もし万が一受かっちゃったとしてもその時また考えればいっか!!ブログネタにもなるし!!
と開き直り、専用申込書をダウンロード。
履歴書なんて書くの何年ぶりだろうか…
書き進めていくと、「特技」の欄が。
と く ぎ ……
皆さん、特技は何ですかー?って訊かれたら、なんて答えます?
「宝塚に詳しいで~す」
「劇場に通うことです!」
とかは抜きにして、まさに「技」となるようなもの。
ピアノ弾けまーすとか、お習字習ってました~とか、お稽古事で何かある人はこういうときいいですよねえ。
でもセリ美はそういうお稽古事はな~~んにも続かなったので、はてどうしようか…と悩んだ結果。
「マウスで絵を描くこと」
と書きました。
セリ美の絵は全部マウスで描いているので、それを知った人が「ぎょええええ!器用!!」と驚くことがあります。
まぁ確かにマウスで全部描いてる人はあんまりいないかな~と思ったので、セリ美は今後、「特技はマウスで絵を描くこと」として生きていくことにしました。
そして「応募のきっかけ」という欄にも悩みました。
まぁ正直なところは「ミズ友さんに説得されて」なわけですが、最終的に「送ってみようかな~」と決めたのは、
「ブログネタとして面白いから」
だったので、ライターの仕事をしていることを書いて、「いつもは観る専門の自分が、出る側を経験したらまた違った記事が書けると思った」というようなことを書きました。
そしてまだまだ続く難問。
ラスボスは、「写真」でした。
バストアップ写真と、全身写真。
セリ美は本当に恥ずかしがり屋なので、写真もとても苦手です。
今よりだいぶスリムな頃はそうでもなかったんですが、すっかりどっしりでっぷりなった今はもう自分を直視するのが嫌で嫌で…
しかも、こういう写真の時って何を着てどこで撮るか、すっごい困ります。
普通の就職用の証明写真なら無難にスーツとか白シャツ着ればいいんですけど、オーディションって…何着ればいいの…?
どこで撮るの…?
真顔?笑顔?
直立不動?モデル立ち?
もう何も分からず。
でもまぁとりあえず無難な私服着て、部屋の中の白背景の場所で撮ればいいのかな…と、よく分からないながらスマホのセルフタイマーでなんとか撮りまして。
昔、まだ携帯にカメラも無くてデジカメなんてものも無くて、普通のフィルムカメラしかない時代、写真屋さんに現像出すの嫌だったな~とか思い出しながら。
友達とふざけて撮った写真とか好きなアイドルのポスターを撮った写真とか、写真屋さんは「うわぁ~~ぷぷぷ」とか思いながら現像してんのかな~いやいや、きっともっと恥ずかしい写真いっぱいあるんだろうな~
なんて思ってたな、ってノスタルジックな気分になったりしつつ。
セリ美の恥ずかしいオーディション用写真を自分でプリントできる時代で良かったです、ほんとに。
そんなこんなでようやく履歴書を書き終えて投函したわけですが…
まぁね、嫌な予感はしてました。
私を説得したミズ友さん、たぶん自分の履歴書は送ってないんだろうな~って。
履歴書ほんとに送ってたら、「応募動機どうした?」とか「写真撮った?」とか連絡あるはずですから、それが一切なかったってことは、きっと忘れてんだろうな~~、と。
その予想は的中。
すっかり忘れていたそうな。
どうせセリ美も送ったところで受かる可能性は低いだろうから、まぁいっか~ってな具合で過ごしていましたら。
書類選考通過
のメールが来てしまいまして。
こりゃ困ったぞ~~!!!!!
何が困ったって、2次審査は着物ですから。
おら、着物なんて1まいも持ってねえだ…
自分で着ることもできねえだ…
という壁に再び直面するわけです。
もちろん、2次審査に行かずに辞退するって選択肢もあり。
さーて、セリ美よ、どうする!!!!
悩みに悩み……
舞台オーディションの潜入レポ、面白いんじゃないか?!
という、ライターとしての好奇心が勝ちまして。
調べてみたら、5~6千円で着物レンタル&着付けをやってくれる店も銀座に見つけ(たぶん銀座ホステスさん御用達の店)、よし、やれる範囲!!と決意しました!
チケット以外の予算はなかなか捻出できませんので、交通手段もいつもの夜行バスよりもさらにランクダウン。
ちょうど青春18きっぷの時期だったので、東海道線を乗り継ぎ、片道6時間かけて行ってきました…
片道6時間かけて銀座に行き、着物を着て明治座のオーディションに行く自分…
もう、我ながら何やってんだろって面白くなっちゃいましたよね。
でも、セリ美は実はお着物を着るのが嫌いではなくて、身内の結婚式にも二度ほど着ていきました。
セリ美は肩幅が広いのであんまり着物が似合う体型ではないんですが、でもなんだか極上のオシャレをしてる気分になるんですね。
なので、このときも着付けはとても楽しかったです。
しかも、着付けをしてくださる方や、お店のスタッフさんに元ヅカファンの方がいらっしゃって、
「実は宝塚ライターなんですぅ~今日も実は潜入レポートで明治座のエキストラオーディションに行くんですぅ~ほほほほ!」
なんてお話ししたら、元ヅカファンのお姉さま方がもうテンション上がっちゃって上がっちゃって。
かつて熱狂した時代の乙女の顔を覗かせていました。
ヅカファン同士ってこうして急に距離が縮まるから面白いですよね。
諸先輩方の当時のお話を聞くの、セリ美はとても好きなんです。
さらに、着付けをしてくださったお姉さまはかつて宝塚のお衣装部さんで着物のアシスタントをしていらっしゃったこともある、と!
とっても貴重な舞台裏のお話なんかも聞かせてくださいました。
今の東京宝塚劇場って、2001年元旦にリニューアルオープンしましたけど、その前の古い劇場では舞台裏にめっちゃネズミが出たんですって~~~!
そこらじゅうがネズミにかじられちゃって大変だった!とおっしゃってました。
あんな華やかなステージの裏ではミッキーマウスと闘っていたジェンヌさんたち…
しかも、ミッキーがいたならきっとGもいたよね…カマドウマ(通称・便所コオロギ)もいたかもしれないよね…
スリッパの中に…
とかきっとあったはず……うぎやあああああああ!!!!!
セリ美なら気持ち悪くて舞台どころじゃなくなっちゃうなあ…
やっぱりジェンヌさんってすごいです。
もう着付けの時点で既にこのような興味深い体験がたくさんできたので、「6時間かけて来て良かったなあ」なんて満足していたセリ美。
選んだ着物も、お店の中で最安値のものだったにも関わらず、帯や帯留めとの組み合わせが上手で、すごく素敵に仕上がりました。
写真撮ってくりゃ良かったですねえ…
普段、写真を撮るという習慣が無いもので…
お着物で銀座を歩いて、地下鉄に乗って明治座まで…
なんて、どこぞのお金持ちマダムみたいでなかなか悪い気分ではなかったですね。
でもやっぱり、歩きづらいし寒いし疲れる!!!
特に指の股つらい!!!
普段、ズボン(あえてパンツではなくズボンと言おう)専科のセリ美なので、歩き方が自然とガニ股&大股になってるのでしょうねえ…
着物だと歩いても歩いても全然前に進んでる感じがしなくて、心身ともに疲れますね着物って。
階段も怖いし。
まぁそんなことで明治座に到着したわけですけども。
普通の舞台役者のオーディションではなくてファン対象のオーディションなので、明治座のスタッフの皆さんがまぁご丁寧に迎えてくださって。
控室に行くまでに何人ものスタッフさんが案内してくださりました。
オーディション会場は、明治座の食堂。
たぶんあれは公演日は普通に開放してる場所なんだと思います。
その食堂の脇にある会議室みたいなところに通されるんですが、その部屋に入る前に写真撮影をされます。
正面と後ろ姿の2枚。
これも直立不動なのか、少しポーズつけるものなのか…
真顔なのか笑顔なのか…
でも、まごまごしてると
「この丸っこいババア、何を悩んでんだ…お前はどうしたってさほど変わらんよ…」
とかってカメラマンさんの腹の中で失笑されちゃうので、とにかくお手間を取らせないようにさっさと済ませました。
で、こちらの用紙を渡されて、自分の番号が書いてある席に座るよう言われました。
プログラムに名前が載る?!?!
ミズさまと同じプログラムにセリ美の名が…!!!!
な、な、なんという恐れ多い…!!!
で、で、でも…
もしそうなったら家宝間違いなし…
嬉しすぎてプログラム買いまくってみんなに無料配布してしまうわ…
しかも、芸名可…!!
これ、一旦本名で書いたんですけど、本名よりもボン乃セリ美のほうが全然いいじゃん!ということに気付き、新しい用紙をもらいに行って「ボン乃セリ美」で提出してきました。
履歴書にも職業ライターって書いたし、ああライター名で載せたいんだなって解ってくれるでしょう、きっと。
で、オーディション開始予定時間まであと20分程度あったんですが、こういうところにありがちな、みんなお友達と一緒に来ててわいわいしゃべってんのにセリ美は、ひとりぼっち。
むしろこの異様な緊張感の中で話しかけられるほうがいろいろと面倒なので、ぼっちでよかったんですけどね。
オーディション参加の面々は、う~んやっぱり細雪という作品らしく、シルバー寄りでした。60代が一番多かったように見えました。
全部で50人くらいいたかな~。
皆さんすごく張り切っていらっしゃって、髪型も美容院でモリモリにセットしていらっしゃったし、いつもと同じ髪型で髪飾りだけをひとつつけたセリ美とは全然違いました。
しかも、オーディション開始直前に現れた明治座の担当スタッフのおじさまが
「え~皆さん、本日はお忙しいなかお集りいただきまして…」
と、オーディションの進行内容を説明し始めた時に
「あっ、前回もご参加いただいた方がちらほらいらっしゃるようですね~」
なんておっしゃっていたので、このオーディションの常連さんも結構いたみたいです。
セリ美みたいな新参者がなんかスイマセン…
オーディションは、一斉にオーディション会場である食堂内に移動して、審査員の先生方の前でひとりひとり規定演技を行っていただきます、と。
き て い え ん ぎ…
おら、お芝居なんてやったことねえだよ…
シチュエーションは、人形展を(ミズさんは人形作家の役)見に来たお客で、展示をぐるっと見て、自分の好きなお人形をパッと見つけて、それをじーっと見て、そのお人形のまわりをぐるっと1周回っていただいて、次の展示に足を進めていく…という指定でした。
何がいちばんイヤって、参加者全員が見てる前でそれをやらなきゃいけないことで…
なんつーんですかねえ…
最初にやる人がいちばん損をするというこのシチュエーション、よくお焼香などの場面で見かけますね。
とりあえず前の人の真似しとけ!みたいな。
「えっ?!わたしが一番最初?!どうしようどうしようどうしよう!!わかんないよどうしよう!!」
みたいな。
それならさっきの控室から順番にオーディション会場に入れてくれればいいのに…
そのあたりは所詮エキストラのオーディションって感じですよね。
幸か不幸か、セリ美はかなり最後のほうでした。
でもこれはこれで結構しんどくて、もうアイデアが出尽くしてるわけですよ。
ゆっくり歩いてきてお気に入りの人形を見つけて小走りになるパターンとか、
逆にスタスタ見てきてお気に入りの前ですごくスローになるパターンとか、
お気に入りをひと通り見て通り過ぎたあとに振り返ってもう一度見るパターンとか。
セリ美がやる頃にはもう全パターン出尽くしてまして…
まぁ皆さんを見ながら感じたのは、緊張のせいで顔が真顔になってる人が多かったので、セリ美は笑顔でやろう、ということくらいでしたね…
ほんとはね、もうどうせここまで来たなら爪痕残して帰ってやろうとかいうことも企んだりしましてね。
お姉さま方がしずしずとオーディションを受ける中、
「ひゃくななじゅうきゅうばぁぁぁーーーーん!!!!ボン乃セリ美でぇぇぇぇす!!!!よろしくおねがいしもわぁぁぁぁぁす!!!!!」
とかって若手の無鉄砲さぶちかまして帰ろうかとも思ったんですけど…
そんな度胸、なかったよね…
所詮それだけの根性しかないライターですわ…
でも、中には「お前のためにどんだけ時間使ってんねん」みたいな、ウソみたいに悦に入っちゃった長芝居をする演歌歌手みたいなお姉さまなんかもいたりして、意外とこういう度胸据わってる人が受かるのかなぁ~なんて面白く眺めてました。
テレビ出演もそうでしたけど、やっぱり人前に出るっていうのは、それが好きな人じゃないと到底無理ですね…
「『この人、悦に入っちゃってるわ~』なんて思われたらやだなあ」とか、
「自分の芝居のために待たせたら申し訳ない」とか、
そんなこと考えちゃうような人は向いてないですね。
審査員の皆さんは、この細雪の演出家の先生とプロデューサー、振付の先生など、重鎮の皆さんがシブ~~い顔で座ってらっしゃいました。
M-1の審査員みたいな、シブ~~~い顔で。
あれ、なんでしょうね~
もうちょっと朗らかにできないもんでしょうかね。
セリ美は日本特有の根性論がとても苦手なので、「真剣な仕事するには生半可な気持ちじゃできんのだ」みたいな、意味もなく厳しくするみたいな人種、キライです。
こういう人たちの中でお仕事するって、タイヘンですね。やっぱりミズさまはすごいお方だわ…
でも、「ああ、この人たちとミズさまが一緒にお仕事するのね…」って思ったら、なんだか急にシブい人たちが神様のお使いみたいに見えてきちゃいましてね。
突然ときめき始めたりしちゃいました。
この規定演技が終わればもうオーディションは終了。
さっさと劇場の外に出されました。
でも、劇場を出てみるとどうやらこれからオーディションに向かわれるであろうお着物の方がいらっしゃったので、オーディションはセリ美が参加した回だけじゃなかったみたいです。
結構な人数が応募されてたんですね~
そりゃ、自分の贔屓と同じ舞台に立てるなんて機会きっともうないですもんね。
みんな考えることは同じだわ。
劇場を出て、ほんとは少し銀ブラしてから着物屋さんに戻ろうか…なんて考えてたんですが、もう足の指の股の疲労もピークだったのでまっすぐ着物屋さんに戻りました。
すると…
ご出勤前のホステスさんがお着替えをしておりました!
ほら…私たちって、美しい人を見慣れてるじゃない?
セリ美ももう「よくもまあこんな風に生まれてきたもんだ…」って思うほどの美しい方々をたくさん見てきていますが、ホステスさんの美しさはまた違いますね~!!
肝の据わったゴージャスな美しさというか…
あんまり見たら失礼になると分かってはいたものの、もう目が離せませんでした!
きっと銀座のホステスさんって、別格だと思うんです。
「おお、これが銀座の…!!」
と納得の美しさでした。
しかも、こういうレンタル着物屋さんでお衣装を借りてるってことは、まだそんなに上のランクのホステスさんじゃないと思うんです。まだ若手っていうか。
それであの貫禄…!!!
いや~~~ほんとに6時間かけていった甲斐がありましたわ。
で、3月中にオーディションの結果をメールでお知らせしますってんで待ってたんですが、もうさ、オーディション受けちゃうとなんかいろいろと現実味を帯びてきちゃって、
「セリ美が…初舞台を踏むかもしれない!!!」
とかっていろいろ妄想広がっちゃうんですわ。
ああ…修造さんのお嬢さんと同期生になるのか…
とか、
でも二度と舞台に立つことはないだろうから初舞台=退団公演になるのか…
とか、
じゃあヅカ仲間に初舞台を観に来てもらって、白い会服で出待ちしてもらわなきゃ…
とか、
楽屋出のセリ美を誘導してくれるお父ちゃん役の人は誰にしようかな…
とか、
「せーの!」って言う人も要るな…
とか、
自分で煎餅ブーケ作らなきゃ…
とか、もういろんな面白いことが頭をよぎってきちゃって、いや~~楽しみぃぃぃぃ!!
なんてところに来てたら、ついに明治座からメールが…
はい、不合格ーーーーー!!!!
こんなことなら爪痕残しときゃ良かったぁ~
でも、すっごい興味深い体験ができたのでめでたしめでたし!
やっぱりお気に入りの人形見つけて笑った顔がキモかったのかなァ…
RPG、実は結構好きでしてね。
最近はスマホアプリで無料でドラクエなんてできちゃうもんだから、しかも永遠にプレイし続けられるようなサービスも充実してるので、うっかりすると日がな一日ドラクエに没頭してしまうという…
そらさんもゲーム結構好きみたいで、やり始めると寝る時間を削ってまで熱中してしまうからやらないようにしてるって言ってましたけど、気持ちわかるわ~~~やっぱ親子ね~~(ん?)
さて、前回のテレビ出演オファーに引き続いて、今回もとっておきのネタをご披露したいと思います。
皆さまご存知の通り、セリ美は水夏希さまを神様と崇めております。
男役としてはもちろんのこと、女優としても人間としても賞賛するところしかないミズさま。
神様のお目汚しになってはいけないと、このブログでミズさまのフルネームはあまり書かないように(ミズさまによるエゴサ防止)してるほど、ミズさまはセリ美にとって殿上人でございます。
こんな下僕中の下僕、セリ美がミズさまのファンクラブに入るなど到底許されはしないと、ファンクラブにも入れないほど崇め奉っております。
そんなミズさまが次にご出演なさる舞台は、数々の大女優たちが演じてきた歴史ある作品、『細雪』。
谷崎潤一郎の『細雪』の舞台化です。4姉妹がメインの物語で、まぁ「渡鬼」の古典版みたいなもの、と言ったら谷崎潤一郎と橋田先生にこっぴどく否定されそうですが…
でも4姉妹の人生を描いたという点では近いものがあると思いますね。
映画化やドラマ化も何度もされていて、舞台では宝塚OGたちもたくさんキャスティングされてきています。
その仲間にミズさまが入られるということで、女優としては大変名誉なお仕事と思ってお引き受けになられたのではないでしょうか。
ちなみにミズさまは四女の妙子役です。
劇場も明治座ということで、やっぱり歴史ある明治座に立てることも舞台女優としてハクがつくのではないでしょうかねえ。
今回は、
長女・浅野ゆう子さん
次女・一路真輝さん
三女・瀬奈じゅんさん
四女・水夏希さま
というキャスティングになっておりまして、当初は長女が黒木瞳さんだったんですが謎の降板がありまして浅野ゆう子さんになりました。
瀬奈さんとミズさまは本科予科ということもあったり、花組で切磋琢磨しまくってた時代なんかもあったり、TCA(タカスペの前身ね)で2人でダンス対決をして歴史に残る最高の場面を見せてくれたりとか、なかなか縁の深いお2人でございまして。
セリ美はこのお2人の、何とも言えない(あんまり気が合わないんだろうな…)っていうビミョーな空気含めて好きでした。
でも退団後はあまり共演がなくって、ついに共演!となったわけですが…
細雪………
あんまり興味ねえ………
いやね、そりゃあお金が余ってりゃ行きたいですよ。
でもほら、4月5月はオーシャンズ貧乏始まっちゃうし…
限られた観劇予算の中でどの公演にどれだけ予算をあてられるかっていうのはやっぱり考えながらやらないといけないわけですよ。
仕事も辞めちゃったしさ。
そうなると、ここはどうしても休息ポイントになるわけですよ。
現役さんもできれば5組観ていきたいし、オーシャンズ後の全ツもあるわけで…20世紀号の乗車だって諦めたんですから…
ミズさまごめんなさいごめんなさい細雪は遠くから見守っておりますゆえ、どうか、どうかお許しをおおおおお!!!どうかぁぁぁぁ!!!
セリ美は自由と叫んーだーだけぇぇぇぇ(結構ね!)
ご慈悲を陛下!死刑はやめてえええええええええ!!!!
(冷静に~~…冷酷に!!!)
却下!!!!!!
陛下!!!陛下ぁぁぁぁぁぁ!!!!!
と決めていたんですが…
ミズ友さんから
「細雪のオーディション、受けてみない?」
と急に言われまして。
は???
おーでしょん????
「だってミズさんと一緒の舞台に立てることなんてもう一生ないよ!」
は?
一体この子は何を…???
聞いてみれば、『細雪』では今や恒例イベントとなっているエキストラ一般オーディションがあるとかなんとか。
「どうせ落ちるんだから、面白半分で受けてみようよ!!」
とのお誘いですた…
そ、そんな…
恐れ多すぎてファンクラブにも入れないこのセリ美が…
ミズさまと…
同じ舞台に…?!?!?!
そんな、とんでもねえ!!!!!!
おらぁ、そんなおそろしいこと…できねえだ…
しかも着物は自前で準備、着付けも自分でしてこいって…
おら、着物なんて1まいも持ってねえだ…
実家に頼れば無いことも無いかもしれんが…
お、おら…着物を自分で着ることなんて…できねえだよ……
と言ったら、「友達が着物持ってるし、着付けもできる!!」との言葉。
「ね?どうせ落ちるんだから、送るだけ送ってみようよ!」
と強く説得され、まぁ確かに履歴書送るだけ送って、もし万が一受かっちゃったとしてもその時また考えればいっか!!ブログネタにもなるし!!
と開き直り、専用申込書をダウンロード。
履歴書なんて書くの何年ぶりだろうか…
書き進めていくと、「特技」の欄が。
と く ぎ ……
皆さん、特技は何ですかー?って訊かれたら、なんて答えます?
「宝塚に詳しいで~す」
「劇場に通うことです!」
とかは抜きにして、まさに「技」となるようなもの。
ピアノ弾けまーすとか、お習字習ってました~とか、お稽古事で何かある人はこういうときいいですよねえ。
でもセリ美はそういうお稽古事はな~~んにも続かなったので、はてどうしようか…と悩んだ結果。
「マウスで絵を描くこと」
と書きました。
セリ美の絵は全部マウスで描いているので、それを知った人が「ぎょええええ!器用!!」と驚くことがあります。
まぁ確かにマウスで全部描いてる人はあんまりいないかな~と思ったので、セリ美は今後、「特技はマウスで絵を描くこと」として生きていくことにしました。
そして「応募のきっかけ」という欄にも悩みました。
まぁ正直なところは「ミズ友さんに説得されて」なわけですが、最終的に「送ってみようかな~」と決めたのは、
「ブログネタとして面白いから」
だったので、ライターの仕事をしていることを書いて、「いつもは観る専門の自分が、出る側を経験したらまた違った記事が書けると思った」というようなことを書きました。
そしてまだまだ続く難問。
ラスボスは、「写真」でした。
バストアップ写真と、全身写真。
セリ美は本当に恥ずかしがり屋なので、写真もとても苦手です。
今よりだいぶスリムな頃はそうでもなかったんですが、すっかりどっしりでっぷりなった今はもう自分を直視するのが嫌で嫌で…
しかも、こういう写真の時って何を着てどこで撮るか、すっごい困ります。
普通の就職用の証明写真なら無難にスーツとか白シャツ着ればいいんですけど、オーディションって…何着ればいいの…?
どこで撮るの…?
真顔?笑顔?
直立不動?モデル立ち?
もう何も分からず。
でもまぁとりあえず無難な私服着て、部屋の中の白背景の場所で撮ればいいのかな…と、よく分からないながらスマホのセルフタイマーでなんとか撮りまして。
昔、まだ携帯にカメラも無くてデジカメなんてものも無くて、普通のフィルムカメラしかない時代、写真屋さんに現像出すの嫌だったな~とか思い出しながら。
友達とふざけて撮った写真とか好きなアイドルのポスターを撮った写真とか、写真屋さんは「うわぁ~~ぷぷぷ」とか思いながら現像してんのかな~いやいや、きっともっと恥ずかしい写真いっぱいあるんだろうな~
なんて思ってたな、ってノスタルジックな気分になったりしつつ。
セリ美の恥ずかしいオーディション用写真を自分でプリントできる時代で良かったです、ほんとに。
そんなこんなでようやく履歴書を書き終えて投函したわけですが…
まぁね、嫌な予感はしてました。
私を説得したミズ友さん、たぶん自分の履歴書は送ってないんだろうな~って。
履歴書ほんとに送ってたら、「応募動機どうした?」とか「写真撮った?」とか連絡あるはずですから、それが一切なかったってことは、きっと忘れてんだろうな~~、と。
その予想は的中。
すっかり忘れていたそうな。
どうせセリ美も送ったところで受かる可能性は低いだろうから、まぁいっか~ってな具合で過ごしていましたら。
書類選考通過
のメールが来てしまいまして。
こりゃ困ったぞ~~!!!!!
何が困ったって、2次審査は着物ですから。
おら、着物なんて1まいも持ってねえだ…
自分で着ることもできねえだ…
という壁に再び直面するわけです。
もちろん、2次審査に行かずに辞退するって選択肢もあり。
さーて、セリ美よ、どうする!!!!
悩みに悩み……
舞台オーディションの潜入レポ、面白いんじゃないか?!
という、ライターとしての好奇心が勝ちまして。
調べてみたら、5~6千円で着物レンタル&着付けをやってくれる店も銀座に見つけ(たぶん銀座ホステスさん御用達の店)、よし、やれる範囲!!と決意しました!
チケット以外の予算はなかなか捻出できませんので、交通手段もいつもの夜行バスよりもさらにランクダウン。
ちょうど青春18きっぷの時期だったので、東海道線を乗り継ぎ、片道6時間かけて行ってきました…
片道6時間かけて銀座に行き、着物を着て明治座のオーディションに行く自分…
もう、我ながら何やってんだろって面白くなっちゃいましたよね。
でも、セリ美は実はお着物を着るのが嫌いではなくて、身内の結婚式にも二度ほど着ていきました。
セリ美は肩幅が広いのであんまり着物が似合う体型ではないんですが、でもなんだか極上のオシャレをしてる気分になるんですね。
なので、このときも着付けはとても楽しかったです。
しかも、着付けをしてくださる方や、お店のスタッフさんに元ヅカファンの方がいらっしゃって、
「実は宝塚ライターなんですぅ~今日も実は潜入レポートで明治座のエキストラオーディションに行くんですぅ~ほほほほ!」
なんてお話ししたら、元ヅカファンのお姉さま方がもうテンション上がっちゃって上がっちゃって。
かつて熱狂した時代の乙女の顔を覗かせていました。
ヅカファン同士ってこうして急に距離が縮まるから面白いですよね。
諸先輩方の当時のお話を聞くの、セリ美はとても好きなんです。
さらに、着付けをしてくださったお姉さまはかつて宝塚のお衣装部さんで着物のアシスタントをしていらっしゃったこともある、と!
とっても貴重な舞台裏のお話なんかも聞かせてくださいました。
今の東京宝塚劇場って、2001年元旦にリニューアルオープンしましたけど、その前の古い劇場では舞台裏にめっちゃネズミが出たんですって~~~!
そこらじゅうがネズミにかじられちゃって大変だった!とおっしゃってました。
あんな華やかなステージの裏ではミッキーマウスと闘っていたジェンヌさんたち…
しかも、ミッキーがいたならきっとGもいたよね…カマドウマ(通称・便所コオロギ)もいたかもしれないよね…
スリッパの中に…
とかきっとあったはず……うぎやあああああああ!!!!!
セリ美なら気持ち悪くて舞台どころじゃなくなっちゃうなあ…
やっぱりジェンヌさんってすごいです。
もう着付けの時点で既にこのような興味深い体験がたくさんできたので、「6時間かけて来て良かったなあ」なんて満足していたセリ美。
選んだ着物も、お店の中で最安値のものだったにも関わらず、帯や帯留めとの組み合わせが上手で、すごく素敵に仕上がりました。
写真撮ってくりゃ良かったですねえ…
普段、写真を撮るという習慣が無いもので…
お着物で銀座を歩いて、地下鉄に乗って明治座まで…
なんて、どこぞのお金持ちマダムみたいでなかなか悪い気分ではなかったですね。
でもやっぱり、歩きづらいし寒いし疲れる!!!
特に指の股つらい!!!
普段、ズボン(あえてパンツではなくズボンと言おう)専科のセリ美なので、歩き方が自然とガニ股&大股になってるのでしょうねえ…
着物だと歩いても歩いても全然前に進んでる感じがしなくて、心身ともに疲れますね着物って。
階段も怖いし。
まぁそんなことで明治座に到着したわけですけども。
普通の舞台役者のオーディションではなくてファン対象のオーディションなので、明治座のスタッフの皆さんがまぁご丁寧に迎えてくださって。
控室に行くまでに何人ものスタッフさんが案内してくださりました。
オーディション会場は、明治座の食堂。
たぶんあれは公演日は普通に開放してる場所なんだと思います。
その食堂の脇にある会議室みたいなところに通されるんですが、その部屋に入る前に写真撮影をされます。
正面と後ろ姿の2枚。
これも直立不動なのか、少しポーズつけるものなのか…
真顔なのか笑顔なのか…
でも、まごまごしてると
「この丸っこいババア、何を悩んでんだ…お前はどうしたってさほど変わらんよ…」
とかってカメラマンさんの腹の中で失笑されちゃうので、とにかくお手間を取らせないようにさっさと済ませました。
で、こちらの用紙を渡されて、自分の番号が書いてある席に座るよう言われました。
プログラムに名前が載る?!?!
ミズさまと同じプログラムにセリ美の名が…!!!!
な、な、なんという恐れ多い…!!!
で、で、でも…
もしそうなったら家宝間違いなし…
嬉しすぎてプログラム買いまくってみんなに無料配布してしまうわ…
しかも、芸名可…!!
これ、一旦本名で書いたんですけど、本名よりもボン乃セリ美のほうが全然いいじゃん!ということに気付き、新しい用紙をもらいに行って「ボン乃セリ美」で提出してきました。
履歴書にも職業ライターって書いたし、ああライター名で載せたいんだなって解ってくれるでしょう、きっと。
で、オーディション開始予定時間まであと20分程度あったんですが、こういうところにありがちな、みんなお友達と一緒に来ててわいわいしゃべってんのにセリ美は、ひとりぼっち。
むしろこの異様な緊張感の中で話しかけられるほうがいろいろと面倒なので、ぼっちでよかったんですけどね。
↓↓ 控室 ↓↓
オーディション参加の面々は、う~んやっぱり細雪という作品らしく、シルバー寄りでした。60代が一番多かったように見えました。
全部で50人くらいいたかな~。
皆さんすごく張り切っていらっしゃって、髪型も美容院でモリモリにセットしていらっしゃったし、いつもと同じ髪型で髪飾りだけをひとつつけたセリ美とは全然違いました。
しかも、オーディション開始直前に現れた明治座の担当スタッフのおじさまが
「え~皆さん、本日はお忙しいなかお集りいただきまして…」
と、オーディションの進行内容を説明し始めた時に
「あっ、前回もご参加いただいた方がちらほらいらっしゃるようですね~」
なんておっしゃっていたので、このオーディションの常連さんも結構いたみたいです。
セリ美みたいな新参者がなんかスイマセン…
オーディションは、一斉にオーディション会場である食堂内に移動して、審査員の先生方の前でひとりひとり規定演技を行っていただきます、と。
き て い え ん ぎ…
おら、お芝居なんてやったことねえだよ…
シチュエーションは、人形展を(ミズさんは人形作家の役)見に来たお客で、展示をぐるっと見て、自分の好きなお人形をパッと見つけて、それをじーっと見て、そのお人形のまわりをぐるっと1周回っていただいて、次の展示に足を進めていく…という指定でした。
何がいちばんイヤって、参加者全員が見てる前でそれをやらなきゃいけないことで…
なんつーんですかねえ…
最初にやる人がいちばん損をするというこのシチュエーション、よくお焼香などの場面で見かけますね。
とりあえず前の人の真似しとけ!みたいな。
「えっ?!わたしが一番最初?!どうしようどうしようどうしよう!!わかんないよどうしよう!!」
みたいな。
それならさっきの控室から順番にオーディション会場に入れてくれればいいのに…
そのあたりは所詮エキストラのオーディションって感じですよね。
幸か不幸か、セリ美はかなり最後のほうでした。
でもこれはこれで結構しんどくて、もうアイデアが出尽くしてるわけですよ。
ゆっくり歩いてきてお気に入りの人形を見つけて小走りになるパターンとか、
逆にスタスタ見てきてお気に入りの前ですごくスローになるパターンとか、
お気に入りをひと通り見て通り過ぎたあとに振り返ってもう一度見るパターンとか。
セリ美がやる頃にはもう全パターン出尽くしてまして…
まぁ皆さんを見ながら感じたのは、緊張のせいで顔が真顔になってる人が多かったので、セリ美は笑顔でやろう、ということくらいでしたね…
ほんとはね、もうどうせここまで来たなら爪痕残して帰ってやろうとかいうことも企んだりしましてね。
お姉さま方がしずしずとオーディションを受ける中、
「ひゃくななじゅうきゅうばぁぁぁーーーーん!!!!ボン乃セリ美でぇぇぇぇす!!!!よろしくおねがいしもわぁぁぁぁぁす!!!!!」
とかって若手の無鉄砲さぶちかまして帰ろうかとも思ったんですけど…
そんな度胸、なかったよね…
所詮それだけの根性しかないライターですわ…
でも、中には「お前のためにどんだけ時間使ってんねん」みたいな、ウソみたいに悦に入っちゃった長芝居をする演歌歌手みたいなお姉さまなんかもいたりして、意外とこういう度胸据わってる人が受かるのかなぁ~なんて面白く眺めてました。
テレビ出演もそうでしたけど、やっぱり人前に出るっていうのは、それが好きな人じゃないと到底無理ですね…
「『この人、悦に入っちゃってるわ~』なんて思われたらやだなあ」とか、
「自分の芝居のために待たせたら申し訳ない」とか、
そんなこと考えちゃうような人は向いてないですね。
審査員の皆さんは、この細雪の演出家の先生とプロデューサー、振付の先生など、重鎮の皆さんがシブ~~い顔で座ってらっしゃいました。
M-1の審査員みたいな、シブ~~~い顔で。
あれ、なんでしょうね~
もうちょっと朗らかにできないもんでしょうかね。
セリ美は日本特有の根性論がとても苦手なので、「真剣な仕事するには生半可な気持ちじゃできんのだ」みたいな、意味もなく厳しくするみたいな人種、キライです。
こういう人たちの中でお仕事するって、タイヘンですね。やっぱりミズさまはすごいお方だわ…
でも、「ああ、この人たちとミズさまが一緒にお仕事するのね…」って思ったら、なんだか急にシブい人たちが神様のお使いみたいに見えてきちゃいましてね。
突然ときめき始めたりしちゃいました。
この規定演技が終わればもうオーディションは終了。
さっさと劇場の外に出されました。
でも、劇場を出てみるとどうやらこれからオーディションに向かわれるであろうお着物の方がいらっしゃったので、オーディションはセリ美が参加した回だけじゃなかったみたいです。
結構な人数が応募されてたんですね~
そりゃ、自分の贔屓と同じ舞台に立てるなんて機会きっともうないですもんね。
みんな考えることは同じだわ。
劇場を出て、ほんとは少し銀ブラしてから着物屋さんに戻ろうか…なんて考えてたんですが、もう足の指の股の疲労もピークだったのでまっすぐ着物屋さんに戻りました。
すると…
ご出勤前のホステスさんがお着替えをしておりました!
ほら…私たちって、美しい人を見慣れてるじゃない?
セリ美ももう「よくもまあこんな風に生まれてきたもんだ…」って思うほどの美しい方々をたくさん見てきていますが、ホステスさんの美しさはまた違いますね~!!
肝の据わったゴージャスな美しさというか…
あんまり見たら失礼になると分かってはいたものの、もう目が離せませんでした!
きっと銀座のホステスさんって、別格だと思うんです。
「おお、これが銀座の…!!」
と納得の美しさでした。
しかも、こういうレンタル着物屋さんでお衣装を借りてるってことは、まだそんなに上のランクのホステスさんじゃないと思うんです。まだ若手っていうか。
それであの貫禄…!!!
いや~~~ほんとに6時間かけていった甲斐がありましたわ。
で、3月中にオーディションの結果をメールでお知らせしますってんで待ってたんですが、もうさ、オーディション受けちゃうとなんかいろいろと現実味を帯びてきちゃって、
「セリ美が…初舞台を踏むかもしれない!!!」
とかっていろいろ妄想広がっちゃうんですわ。
ああ…修造さんのお嬢さんと同期生になるのか…
とか、
でも二度と舞台に立つことはないだろうから初舞台=退団公演になるのか…
とか、
じゃあヅカ仲間に初舞台を観に来てもらって、白い会服で出待ちしてもらわなきゃ…
とか、
楽屋出のセリ美を誘導してくれるお父ちゃん役の人は誰にしようかな…
とか、
「せーの!」って言う人も要るな…
とか、
自分で煎餅ブーケ作らなきゃ…
とか、もういろんな面白いことが頭をよぎってきちゃって、いや~~楽しみぃぃぃぃ!!
なんてところに来てたら、ついに明治座からメールが…
はい、不合格ーーーーー!!!!
こんなことなら爪痕残しときゃ良かったぁ~
でも、すっごい興味深い体験ができたのでめでたしめでたし!
やっぱりお気に入りの人形見つけて笑った顔がキモかったのかなァ…
コメント
コメント一覧 (12)
へええー。そういうことになっていたのですねえ。
私は、「細雪」が割と好きで、原作を読み映画を見、舞台も大阪の新歌舞伎座で2回見たことがあります。1回目見たときはエキストラ募集はなかったはずですが、ずっと後の2回目の時はエキストラ出演ありました。2回目の時の客席にかなり空きが目立ち、「あー、チケットさばくための手段でもあるわけねえ。」と思い、「着物屋さんが、高額な着物を買ってもらうための手段でもあるのだなあ。」と、その手法に感心したりしていました。実際エキストラ出演した人が幕間に、お知り合い数人とキャッキャと盛り上がってらっしゃいました。高そうな着物でしたし、髪型とかもかなり力入ってましたね。
私は客席に空きがあると心が痛みます。なんらかの手段で埋まるなら、それはアリかと。
出演者は、チケット力で決まるのかも~。
貴重な体験されましたね。😆
うれしく読ませて頂きました。
いつもいつも、読ませて頂いています。
バイタリティー溢れて、元気にして貰ってます。
私も、水様大好きです。
うんうんと頷きながら、読んでます。素晴らしいお話し有り難うございました。😃
ブログの更新頻度が上がって、うれしいです。
明治座潜入ルポ、楽しく拝見させていただきました。
そうですか、細雪、エキストラ募集があったのですね。
ドラマならともかく、舞台でもエキストラ募集があるなんて初耳でした。
ミズさまと同じ舞台に立てたなら、それは夢のような出来事だったのに残念😢⤵⤵。
でも、貴重な経験ができて、よかったですね。
わたしも、「細雪」の観劇はあきらめますわ。
「20世紀号」乗ってまいりましたよ。ファントムとは正反対の世界。
コメディは、間のとりかたとか、演じるほうは難しいでしょうが、観るほうは、とっても楽しめました。
TVに舞台、ライターとしての経験値がまたたまりましたね。
そして、楽しい記事が頻繁に読めて読者としては嬉しいばかりです。
ボン乃セリ美様宛の、お祈りメールには爆笑しました!
スカステのお稽古場情報を見て、オーシャンズへの期待が膨らみます。
退屈しない演目だし、初舞台生に涙するだろうし、ワクワクしかありません。
待ちきれない~
「味くらべかいっっ!!」って総ツッコミ入りそうですね(笑)
5月に奈良のほうに行くので、またころもち買いに行こうかな~なんて思ってます!
細雪オーディション、なるほどそういう目的だったのですね…
そりゃ身内や友達が舞台立つってなったら、演劇ファンじゃない人も観に来ますもんね。晴れ舞台用に本気出してお着物も新調しますしね。
細雪、こうして何度も何度も再演されていますし、きっと面白い舞台なのでしょうねえ。セリ美も余裕があればもちろんミズさま出ていらっしゃいますし、行きたかった…
現役さんとOGを同時に追いかけるのはなかなか難儀です…
コメントありがとうございますぅぅ!!!
普段は全然パワーなくて家に引きこもってるセリ美ですが、「これは!」と思ったものには躊躇なく突き進みます!
それをこうして作品にして皆さんと共有できることがとても楽しいです!
また何か面白いものに挑戦しますのでお楽しみに!!
楽しんでいただけて良かったですぅ~!
敗因は一体何だったのでしょうねえ…?受かったら受かったであと3回は上京&着物を借りなきゃいけなかったので、今思えば予算的に無理があったな、とは思いますが…
でもやっぱり落とされるっていうのは悔しいですね~~
着物を着慣れてない感じが出てたのかしら~~??
20世紀号、羨まし~~!
コメディーって、ほんとに間が命なので演者の力量が丸裸になりますよね。シリアスよりもずっとずっと難しいと思いますが…今の雪組ならそれはもう面白かったことでしょう。
思い切って行けばよかったかなァ…でもオーシャンズは東西合わせて10回以上は行く予定だし…悩ましいですなあ。
明治座さんにセリ美のご活躍を祈られちゃいましたね~~
でも半分ホッとした自分もいたりして…オーディションという空間に潜入できただけでもとっても面白かったです!
今度は煎餅マニアとしてのテレビ出演かしら~?
オーシャンズ、フィナーレナンバーに新曲が入ってるとかなんとか、皆さんのザワつきを見てセリ美も期待が高まっております!でもライナスのHIP HOP場面は削らないでええええええ(´;ω;`)という不安な気持ちも…
あと2週間!息子、待ってろよ~~~!!!
相 変わらず の面白さですねーーーー。
のんのんも「細雪」見たことありますよ。確か芸術座 だったと思いますが……。
原作も割と好きでして、何度か読みました。
女性は、結婚することでしか身を立てる術がほぼなかった時代の物語で、果たしてそうした価値観が 今 にマッチするのかなーーーー💦💦と、思いますが………。
ミズ様は、 妙子 ですか。4姉妹の中で1番奔放なコですね。船場の老舗のボンボンという恋人がありながら、すぐ上の姉、雪子の嫁入り先がまだ決まらないから と結婚を許して貰えず、駆け落ちしたり、いわゆる"身分違い"の男性と恋仲になったり と、当時 にしてはなかなかはっちゃけた生き方を貫く女性です。
「細雪」ということで、恐らく客層は シニア でしょうね。でも、明治座 も伝統ある劇場ですから、ミズ様の芸の幅が広がるチャンスなのではないでしょうか?
ところで、のんのん、昨日「二十世紀号に乗って」乗車いたしましたよーー❣
こちらのブログのコメント欄でも上々の評判ですが、確かに‼文句なしの面白さ!
とにかく、登場人物全て曲者。み~んな胡散臭く"まとも"なのは誰?ってなコメディ( ´罒`)
だいもん、真彩コンビは「ファントム」も素晴らしかったですが、この「二十世紀号に乗って」の方がピタッとハマってた気がします。
若手の面々も、客席の空気や笑いをよく読み取って実に生き生きと演じていて、清々しかったです。
セリ美さんは、次は「オーシャンズ」祭ですね。
のんのんは、東宝で「夢幻無双・クルンテープ」です。前評判を聞いてはうぅーン………となってますが、みやちゃんの退団なのでねーーーー💦💦あのオーラを見納めしたいと思います。
またしても、同じ日に観劇したようですね。
わたくしめは3階席でした。
渋谷の変貌ぶりは、行くたびに驚かされます。
今回は、桜ヶ丘をうろついてから、ヒカリエ入りしました。
街がまるごと消えちゃうんですから、前回の東京オリンピック以上に、変わってしまいますね。
シロップは、朝早く目が覚めたせいで、不覚にも20世紀号乗車中に、ちょっぴり居眠りしてしまいました。
もう一度みたいでーす。
いやいやいやー
シロップ様ーーーー
ワタクシも3階席でしたよーーーー
なんというニアミスか‼
こうなったら、宝塚観劇の時はデカい名札でも付けなきゃなりませんにねーー
実は 東急シアターオーブ、のんのんはハコとしてはあんまり好きじゃないんですーー💦💦
人混み、雑踏が苦手なので、JRのホームから改装中のところを延々延々歩き、ようやくヒカリエに辿り着いても劇場は11階💧
(人混み苦手で混んだエレベーターは利用せず)
しかしながら、そんな不満をブッ飛ばしてお釣りが来るくらい大満足の舞台でしたから‼特に、真彩ちゃんのガニ股ピアノ伴奏の後ろ姿、強気にギャラを請求する姿があまりにもクリスティーヌとかけ離れていて、
"女優"やのう……❣と感心しきりでした。
のんのんさま、またしても、お近くでしたのね。
わたしも、シアターオーブに対する気持ちはおんなじです。
渋谷駅に着いても、劇場までの道のりの遠いこと!遠いこと!
お芝居の内容がイマイチだったら、踏んだり蹴ったりだけど、今回は楽しめたから、ヨシとしましょう。
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