まったくあの子ったら…

高校卒業してから定職にも就かないで毎日どこ出かけてんだか…


毎年夏にやるソーラン祭りだけは一生懸命参加してずいぶん女の子にはモテてるようだけど…


もうこの世の可愛いの全部をあの子に集めたみたいにひたすら可愛いから許しちゃってる母さんだけど…


しかもああ見えて結構優しいしね…うふふ…



去年の母さんの誕生日にくれたTOCCAのワンピース、阪急トラピックスのバスツアーにこのまえ着て行ったら純矢さんとこのせーこちゃんに

「そらのおばちゃん、可愛い~!」

って褒められちゃったわ~。
あの子ったらセンスいいのよね…ふふふふ。




でも、あのTOCCAだってびっくりするほど高いっていうし、あの子も最近ずいぶん高そうなもの持ってんのよね…









ykk










一体どこからそんなお金が…?!?!






そういやこの前、山沖さんとこの奥さんが言ってた…



通勤ラッシュの電車の中でうちの息子を見たって…

就職もしてないあの子が…なんで通勤ラッシュの電車なんかに…?!?!





どういうことなのかしら…


もしや…

もしや……あの子…!!!!























はい、ということでね。

セリ美かあさんと息子そらの親子劇場・リターンズが始まってしまうほど、いまセリ美はテンションマックスになってます。





ついにオーシャンズの初日が開けました。



セリ美かあさんはもう息子の活躍が心配で心配で…

居てもたってもいられず、初日に駆け付けるというこれまでにない前傾姿勢で臨みました。



どう見たって実力派のそらさんが、なぜこれまで大きな役につけなかったのか、もうセリ美は不思議で不思議でならなかったのです。


そりゃね、宝塚は他の劇団と違って実力第一主義とはちょっと違って、それよりも「魅力的かどうか」が重要な劇団ではありますけども。


でもそういう見方をしたってうちの息子はもうとっても魅力的だと思うんですのよ?



これって親バカって言うのかしら?

でもあのまぁ様だってすっしー組長だって目尻下げちゃうくらいの子ですからね。


なんでもっと作品の前面に出していかないんだろうって、劇団スタッフ総節穴説を唱えているくらいでした。




それがようやく……








oetsu






この配役が発表になった時、セリ美はツイッターでライナス祭りなるものを勝手に催して数日間お祭り騒ぎしてました。



そして、ついについに日の目を見たわけですよ。






今回は初舞台生公演ということもあってか、あなたが今日口上するんですか?ってくらいセリ美は緊張してこの日を迎えました。






hatubutaisei






ライナスはイレブンの中では大きな役のほうだとはいうものの…

もしかしたら大幅に出番が減ってるかもしれないし、フィナーレナンバーもまかぜライナスはセンターで1曲踊ってたけど今回は…?とか、期待よりも不安のほうが断然大きくて…。





そして毎回必ず号泣する初舞台生の口上。

あれってなんで泣いてしまうのでしょうか…??


初めて初舞台生の口上を観たのはもう10年以上も前なんですが、最初からセリ美は泣きました。

その頃はまだ今よりも宝塚という文化も尊さもよく分かっていないのに、なんでか知らないけどポロポロ涙がこぼれてきましてね。

なんで泣いてるのか、当時もさっぱり分かりませんでした。


それは今もやっぱり変わりません。



もう、緞帳が数センチ上がった時点でダメでした。




さすがに初日に集まったヅカファンエキスパートたちは、初舞台生のチェックにも余念がありませんでした。

一斉にスチャッとオペラを構え、ひとりひとりのお顔やスタイルをチェックしていらっしゃったのでしょう。



もちろん例の修造さんのお嬢さんもいらっしゃいました。

お化粧も既にお上手でしたよ。





そしてついに本編へ。


入り出の様子でだいぶがっつりとツーブロックヘアーにしている息子を見ていたので、今回はずいぶんやんちゃなライナスに仕上げてくるのね~なんて思っていたら、髪はおろしてたので刈り上げ部分はほとんど見えませんでした。


むしろキキはんのほうががっつりともみあげを出しているので、刈り込みがよく見えましたね。
ん~でも髪型はあんまり好みじゃなかったかな。

アシメにしてるんですけど、長いほうの髪が変わった形状のウエーブがかかってて…
スパイラル系って言うのかな。縦ロール??

なんかそれがいかにも「付け毛」って感じで…もうちょっと自然にならないかなあ~。




そらさんはグレー系のオシャレな髪色で、初登場の幕開きのナンバーは「うわああああ可愛いいいいい!!」と夢中になってオペラを構えました。



そのあとは、ライナスの登場は1幕のほぼ後半のほうなので割と冷静に宙組版オーシャンズ11を楽しんでました。



そしてどんどんオーシャンズのメンバーが紹介されていき……




もえこちゃんテンション上げてがんばってるなあ…


モロイ兄弟も可愛いなあ…




ああ…来る…


電車のセットがいまうしろでスタンバイ中なんだろうな…





ああああああああああああ電車が出てきた……



乗客が降りてきた…


来る…


来る……













キターーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!






衣装はワッペンいっぱいついたGジャンとネクタイ!!!可愛い!!!!

スニーカーは厚底!!!いいのよいいのよ!好きなだけ上げ底したらいいのよ!!!






oyajinonamae







ええ声~~~~~~~


相変わらずのダンス~~~~~~





うちの息子が…

この大きな劇場の舞台で…

真ん中に立って…

客席からの視線を一斉に集めて…

この素晴らしい歌声とダンスをこれから1か月、披露していくのね……!!!!










うちの息子、ドヤァァァァァ!!!!!!









そんな気分でした。



これからたくさん宝塚初見の人や宙組初見の人がやってくる。

「オーシャンズ11好きだったから観に来た」

って人がやってくる。


その一見さんたちがきっとみんな「ライナスの子、上手いね~~~!」って感心する姿が、セリ美には見えました。




その人たちに向けての会心の








ドヤァァァァァァ!!!!!!





です。




トップさんの隣に立つそらさんがもう誇らしくて誇らしくて…

1幕終わりにイレブンが横1列に並んで舞台奥に消えていくんですけど、そのときもライナスはダニーの隣でね…

だって反対側のダニーの隣には2番手様ですよっ?!?!



ああ…














kanmuryou








ハッスルのときに感じたこれ、再来です。

息子のこんな晴れ姿が見られるなんて…


母さんはもう冥途の土産ができたのでいつお呼ばれがあっても悔いはござりませぬ…




セリ美は今年で研22となりますが、これまでに「贔屓」と呼べる生徒さんはミズさまただ一人。

ミズさまはもうずっと路線ど真ん中でしたし、トップに絶対なるだろうなという感じのご活躍でした。


なので、今回のように「どうなの?!どうなるの?!」というハラハラ感は研22といえ初めて味わうものでして…。



こんなにも、ひとつひとつのレベルアップが嬉しいものなのですね…



やっぱり宝塚は深い。

21年経っても、いまだに新しい発見があります。




ただ、初舞台公演ということで残念ながらライナスメインのフィナーレナンバーは無し…。

ジェンヌナンバーワンのヒップホッパーであるそらさんに踊らせてあげたかったな…




でも、でもでも。

充分です。

本公演であんなに大きなお役が頂けたこと。母さんはイケコにもう一生頭が上がりません。

台東区にあるセリ美渾身のせんべいをイケコに差し上げたいくらいだわ。

イケコよ、このご恩は一生忘れません。






ムラでの観劇は残りあと4回。

東京のチケットは1枚も確保できていないので、もしかしたらムラでしか観られないかもなあ。


なので、1回1回を噛み締めなくては…





あ、つい息子のことばっかり語ってしまいました。

いやですわ~ほほほほほほほ。

全体の感想を書かないとね。






オーシャンズ11って、実は初演も再演もセリ美がちょうど宝塚を離れていた時期に公演したので、観たことなかったんです。

なので、今回が初めての観劇でした。



どの役も適材適所、全体的に褒めるポイントしかなかったように感じました。

まかキキの長身コンビはもう2人並ぶだけでうっとりですし、まかぜの絶対領域三角地帯はR30指定ですし、





zettairyouiki





まどちも相変わらずの聴き取りにくさは否めないものの、大人の女性ということで声のトーンが低くて良かったしカツラに頼らないヘアアレンジが見事でした。


キキはんは問題のジョンソン先生めちゃめちゃ頑張ってたしキキララカップルにドキドキしたし、せーこさんとすっしー組長に関してはもうほんとにお2人がいてくださったからオーシャンズ公演が叶ったようなもんです。




これから回を重ねるごとに慣れて頑張れ~~と思ったのはまっぷーさんともえこちゃん、かな。

セリ美が唯一事前に見ていたオーシャンズの映像が星組版だったので、じゅんこさんが適役だったということもありますけどね。

道楽爺さんという感じをもっと感じたいところです。


もえこちゃんはもうご本人の性格とは真逆の役だから…難しいのは充分わかる。
脚本自体がどうなの…とも思う。

でも観てるこっちが恥ずかしくなってしまうということは、まだ演者に照れがあるということなので、バウ初主演も決まりましたし、なんとか殻をぶち破ってほしいですね。



イエンのあきもは中国ゴマやヨーヨーなどの小道具、よくがんばりました!!
役作りもすっごく良かったです!




あと、りくがあまりにかっこよくて仰天しました。

りくはセリ美の中で和み要員としていつも温かく見ていたので、まさかりくにときめく日が、しかもりく最後の演目でやってのけられるなんて思ってもいなかったので…

衣装のワインレッドのスーツがまぁよく似合ってねえ。


フィナーレナンバーもセリ美は息子観察で忙しいんですが、思わずりくを追ってしまうほど素敵でした。




演目的に仕方ないんですが、セリ美が大好きなまいあちゃんとじゅっちゃんがコーラス隊だったので、そこはちょっと寂しかったです。

でもものすごい贅沢で見事なコーラスでした。










最後に、オーシャンズの前に寄ったOSKさんの感想も少し。


大阪松竹座って、道頓堀のすぐ脇にあるんですね~。

関西にはもう何度も何度も行ってるのに、道頓堀とかグリコの看板とか、ザ・大阪!みたいな場所は初めて行きました。



でも…だいぶニガテでした……

宝塚は東京もムラも素晴らしい立地にあるので、それに慣れちゃうとこの大阪松竹座は立地が大幅マイナスですね…


でも、建物自体は素敵でした!

外観もこんなに立派!


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劇場内もさすがに歌舞伎をやるハコということで、素敵です。



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セリ美は相変わらずの天井席なのでまったく見えませんでしたが、花道も!


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歴史ある素敵な劇場でした。




で、二度目のOSKさんは…

ま、平日ということもあると思いますが、空席が目立ちますね。。。


2階も3階もガラガラでした。




初めてのOSKさんは宝塚で言うところの別箱公演を選んだので、いわゆる本公演は初めてでして、こんなにガラガラになるほどつまらないのかな…?と思ったんですが…



セリ美は割と好きでした。

宝塚とは趣向が違って、今回の公演は1幕・和モノショー、2幕・洋モノショー。



前回の別箱のときもそうでしたけど、OSKさんは生オケじゃなくて録音なんですが、録音だからこその良さが抜群に活きていて、前回も今回も音楽がとにかく素晴らしかったです。

使う音楽もクラシックからテクノっぽいのまでいろいろあるんですけど、宝塚とは全然違った聴かせ方でとても良かったです。



正直言って宝塚オーケストラって、たぶんそんなにハイレベルじゃないと思うんです。

特に音が目立つ吹奏楽系はよく「パペー」とか大暴走してるときもあったりしてね。


生オケのつらいところですよね。



でもOSKさんは録音なのでそういう「おっとっと」がないし、打ち込み系も含めていろんな凝った音がたくさん使われていて、録音ならではの長所を活かしてありますね。
OSKさんの使用楽曲CD出してほしいくらい。




次に、演出の面白さ。


いかんせん予算がないのでセットや衣装はもう宝塚とは比べ物にならないんですけど、でも予算が無いなりの工夫がたくさんしてあります。


シンプルな衣装でも映えるような振付だったり、小道具をいろいろと使うことで華やかに見せたり。




宝塚よりも「男役!娘役!男役芸!娘役芸!」という区分があまりないので、男役さんも娘役さんもみんな同じ振りを踊ることが多く、それゆえの演出になっていたのもまた斬新。

衣装や装置に頼ったりせず、演出の力と生徒さんの実力のみで成立させているところが、玄人目にはとても面白かったです。



ただ、宝塚のように「トップコンビ!デュエダン!大羽根!同期の絆!!」みたいな様式美がないので、物足りなさを感じる人はいるだろうな~。


いかんせん生徒数も少ないので、舞台化粧や所作などの確立した文化が薄く、「研究してるな~」とか、一体感も薄いかな。

あとは単純に受験者も少ないだろうし、精鋭メンバー感も薄いかな。
「絶品!!!」のダンサーは見つけられませんでした。





でもとにかく全体的にはセリ美はすごく楽しめました。音楽の力が大きかった気もしますが。

もっとモン・パリ的な、ご老人たちがお好みの昭和エンタメなのかな~と思っていたんですけど、確かに昭和感もありましたが1周回ってむしろ新しく感じた部分もありました。


前回もこんな風にOSKさんと宝塚を評価してみましたが





能力図宝塚  能力図osk





やっぱり同じ感じでした。

宝塚には、スーパ―シンガーがいたりスーパーダンサーがいたりしますけど、一方で「あーこの人は実力ではなくて魅力重視タイプなのね~」という生徒さんもいます。

OSKさんには、スーパ―シンガーやスーパーダンサーはあんまりいないけど、全員が平均的になんでも上手。


そして宝塚には様式美と予算があるけど、自由度がない。
OSKさんには確立した文化と予算はないけど、自由な演出とセンスのいい音楽がある。



こんなところでしょうか。





でも、いちばん大きい差は劇場の立地だったりする…

やっぱり観劇って形の残らない贅沢な買い物だと思うので、気分ってとても大事。
だってつまりは気分を買ってるんだから。

だから、劇場までの行き来で気分を壊したくないんですよね~。



今回はたまたまオーシャンズの初日と日程がかぶりましたけど、OSKさんはできれば東京で観たい劇団、かな。








今回も貧乏なセリ美は、ゆうべのおかずに作った野菜スープの残りにご飯をぶちこんだおじやをこの日の朝食&お昼ご飯に持っていきました。

松竹座の3階でおもむろにタッパーのおじやを出してスプーンで食べ始めたセリ美を、係員の女性が興味深そうに見つめていました、とさ…






もうイラスト描いちゃったのに、初日にライナスが腰につけてた赤キャップ、ナシになったらしい…泣