皆さんこんばんは。先日アクアヴィーテで秋奈るいくんとプーさんの水筒で乾杯してギョッとされたセリ美です。



近年のセリ美は、息子の成長を見守るというミッションは別にして、割と演出家の先生で観劇回数を決めていく傾向にあります。


何度もブログには書いておりますが、セリ美が「天才」だと思う現役座付き演出家はダントツでウエクミ先生、次点に小柳先生や生田先生、期待値が高まっているのは指田珠子先生と町田菜花先生です。

しゅこ先生となのか先生なんて、可愛らしいお名前ですね。





そして天才演出家としてくーみんと肩を並べているOB演出家として荻田浩一先生がおわせられます。


通称オギーと古参ヅカファンから親しみを込めて呼ばれておりますが、それはそれは天才的で異質な演出を見せる先生でございます。



ちょっと宝塚時代の作品を並べてみましょうか。




基本的にはショー作家ですが、お芝居では春野寿美礼さん時代の『マラケシュー紅の墓標ー』がありますね。これも本当に美しくて哀しくて繊細な物語で大好きでした。



ショーでは、



・バビロン
・ロマンチカ宝塚
・タランテラ!
・ソロモンの指輪


などなどがありまして、そのどれもセリ美はむせび泣く勢いで「て…天才じゃあああああああ」と足がガクガクして終演後に座席から立ち上がれなくなったものでした。


そこまでの手腕を見せてくれる先生って今はくーみんくらいでして、柴田先生も大好きでしたが残念ながら先日ご他界されてしまいましたね…



オギーの演出はとにかく異質で、ご本人も今になってときたま当時の心境を語ってくださいますが、「他の人(演出家)と同じことをしてもつまらない」と思い、下級生たちにも容赦なくぶっとんだ演出を施していたとか。



タランテラ!なんかは名前の通り蜘蛛がテーマのショーで、トップのコムちゃん(朝海ひかるさん)はじめ、みんな蜘蛛の化身として妖しく踊り狂います。(人間は壮一帆さんのみとか)


ソロモンの指輪も、迷彩柄の軍服を着た兵士たちといろんな動物たちをバックに、動物の奇妙な鳴き声(この声もジェンヌさんがやってる)がこだまする中、ミズさまがめちゃくちゃ攻めた衣装で睨みを利かせるとか、とにかくぶっ飛んだショーです。



なのに、楽曲、振付、照明などのセンスが本当に芸術的で退廃的で背徳的で、堕ちてはいけないと分かっているのに堕ちていってしまう人間の脆さと美しさを見事に表現しています。


生徒の使い方も秀逸で、その生徒が得意な分野の仕事をしっかりと与えます。
逆に言うと、苦手分野を無理に与えないので非常に安心して観ていられます。

お歌が得意分野ではなかったコムちゃんやミズさまにはあまり声を発させずにひたすらに踊らせていて、「私が観たかったのはこれなのよ!!!!」という演出をいつも見事にやってのけてくれました。






そんな、大好きな大好きなオギー。
残念ながらソロモンの指輪を最後に宝塚を退団されてしまいます。

この損失の大きさは当時のヅカファンみんなが感じていたと思いますね。



でも、演出家としての仕事を引退したわけではないので、外部の舞台ではいまも精力的に作品を作り続けていらっしゃいます。



なんでオギーが辞めてしまったのか…

その理由はなんとなくセリ美も解る気がしますが、真実はオギーの心の中のみなので想像するしかありませんね。


やっぱり、劇団は「この子を使ってくれ」「この子をこんなに使わないでくれ」「こういう表現はやめてくれ」「この楽曲の版権は取得しない」などなど、いろ~~んな制約があるのでしょうから、職業演出家というよりは芸術家に近いオギーとしてはやっぱり表現したいのにさせてもらえないというストレスはあったのではないかなあと思いますね。



頼むからくーみんは劇団の制約に負けず、このまま一生宝塚にいて!!!!!!




そんな大好きな大好きなオギー、退団してからはやはりお芝居やミュージカルの演出が主ですから、今回レビューの演出をされると聞いてセリ美は飛びつきました!!

しかも、大好きな大好きな(彩乃)かなみちゃんが出る!!!
息子も尊敬しているダンサーとして名前を挙げていたトシさんも出る!!!!




これは本気出すやつ……



ということで、行ってまいりました。

約105分で10800円というなかなかの強気価格でしたが、2公演がんばりました。




9日間しかやらないですし、赤坂レッドシアターもめちゃくちゃ小さい劇場なので世に出ている観劇レポもきっと少ないでしょう。

なので、「私も観ました!」という方は少ないでしょうが、セリ美が少しだけレポしますね。





もうね、オギーとセリ美の性癖が詰まった105分でした……

まだ途中になっているセリ美茶レポでも「好きな娘役」の歌部門にかなみちゃんの名前を挙げ、(特に低音)と書きましたね。

それほど、かなみちゃんの低音には魔性の魅力があります…



それをオギーも解ってか、とにかく低音で歌いまくるかなみちゃん。

もうそれだけでセリ美は沢尻さんと同じ物質を体内に摂り入れたかのような心地でした。

ダンスも柔らかくキュートで、なんと万能選手なのだろうと改めてかなみちゃんへの好意を確認できました。





トシさんをあんなに間近で観たのは初めてだったのですが、噂に違わない表現者でございました。

もう立派に性転換を済ませ、セリ美は途中からトシさんがニコール・キッドマンにしか見えなくなってきていました。

まさかのセーラー服姿も披露され、そのあたりもセリ美とオギーの性癖の共演。


トシさんは割と控えめな性格をされていらっしゃるのかな?
「もっとやっちゃえばいいのに!」と思う箇所もあったほど、素晴らしい表現力。



セリ美はダンサーフェチですが、「高く跳ぶ」とか「早く回る」とか「軸がブレない」とか、そういう身体能力的なことは割とどうでもよくて、表現者としてのセンスを重視しています。

その音楽の世界観やテーマ、振付の意味をどこまで表現してくれるか。それに尽きます。

当然、ミズさまと息子は天才的なんですけどねエヘヘヘヘヘヘヘヘ。



トシさんはとても丁寧に表現をされる方で、その実直さ、職人肌が伝わってきました。
でも、だからこそ外部舞台でとても重宝されるだろうな~、と。

演出家や振付家の意向を的確に汲んで表現できるであろう感覚の鋭さを感じました。



かなみちゃんやトシさんの他に、男性陣のダンサーもまぁ本当にスペックの高い人ばかりで、普段は舞台上の男性を観ると気持ち悪くなっちゃうセリ美ですが全然大丈夫でした。

「うわ…いい歳したおっさんが汗だくでなにやってんの…」とかいう冷静さを忘れさせるほどのスキルの高さがあったということだと思います。



そんな男性陣に一人トシさんが加わって同じ振りをしても、まっっっっったく遜色ない。
女性ならではの柔らかい動きも既にマスターしていらっしゃり、むしろ宝塚ではできなかった表現や動きをすごく楽しまれているな~と感じました。




途中、コメディータッチな部分や歌謡曲コーナーなどがあって「う~んコレは要らないかなあ」という部分も多少はありましたが、久しぶりの「そうそうそう!これこれこれ!!!」というオギーの世界観をたっぷり堪能できて、大満足。




ヅカファンを長くやっているといろんなシーズンが訪れますが、セリ美はそろそろ「演出家ベースで観劇作品や観劇回数を決める」という本格的なシーズンに突入しそうです。


あんな丸っこいおじさんの脳内にあんな甘美で背徳的な世界がうごめいているなんていまだに信じられないけど、セリ美は生涯オギーに注目し続けることを確信したレビューでした。







さて、最後にお知らせで~~~す!!!!




セリ美、再び『週刊朝日』さんの誌面に名前が登場します!!!!

しかも、セリ美茶で披露して大好評をいただいた「タカラジェンヌ的人生ゲーム」を紹介されるという登場の仕方です!!!


今回はセリ美の絵も少し載ってるとか?


セリ美のこのしょーもない絵がついに全国デビューします(笑)





明日、月曜の夕方から書店に行き渡るそうなので、火曜日なら確実に本屋さんや駅の売店に並ぶようです!



前回の週刊朝日への登場によってこのブログに来てくださった読者さまもいらっしゃるようなので、またセリ美を見つけてくださる方がいらっしゃるといいな~~~



でも前回はそこからなぜかテレビ出演の依頼まで事が運んじゃったので、戦々恐々としてるんですけどね…








今月はもう観劇がそんなにないので、更新多めにできるといいな~~


では、どんな風に誌面に出てるのかセリ美もまだ知りませんが、皆さんお楽しみに~~








レジ袋パロディーイラストをハガキにしてノベルティとして配布しますので、赤パーカーのセリ美を見かけた方はぜひお声がけくださいましね~~