このブログではあまりにシリアスな議題に関しては基本的に取り上げないことにしてるんですが、今日、ミズ友さんと彩吹真央さん(セリ美は愛をこめて『ゆみちゃん』とお呼び申し上げております)のサヨナラショーの話になりましてね。



ゆみちゃんの退団って、あんまりに辛かったのでけっこう封印してたんです。セリ美の中で。


セリ美が知ってる限りの「2番手退団」っていうのは、宝塚のスターピラミッド構造が明確化してきて以降は元花組2番手の朝香じゅんさんが最初だったと聞いています。

宙組ができてから沼堕ちしたセリ美は、宙組生誕以前の知識が浅くて申し訳ないんですが。



朝香さんの時は「はぁ?!2番手さんが退団なんてあり得るの?!?!」とそれはそれはすごい衝撃が走っただろうと思います。

きっと、当時をご存知のヅカオタ諸先輩がたに話を聞けば、「ああ、あの時はこんな状況でこんな事情があってね…」といろんな私見をお聞かせいただけることと思います。

あくまでセリ美は当時を知らないので、朝香さんに関しては私見を述べることができず、次の2番手退団事件となった彩吹さんのことをちょっと語ってみたいと思います。





ゆみちゃんが退団されたのは2010年。もう11年も前になるんですねえ。

なんで11年も封印してきたかって、やっぱりあまりに受け入れがたかったんですね。


セリ美はゆみちゃんが大好きでした。
いや今も大好きですけども。今月、ゆみちゃん主演の舞台にも行きますし。




今で言ったらちなつさんっぽい存在感っていうのかなあ。

とにかく、スーパーお助け人なわけですよ。
助っ人力、ハンパない。


どこの組でもどんな作品でも、歌だろうとダンスだろうとお芝居だろうと、ゆみちゃんがいればなんでも助けてくれる。
作品のレベルを何段階も底上げしてくれる。
超人的な縁の下の力持ちなんですね。

ゆみちゃんが支えてくれることで、一体どれだけのトップさんが安心して真ん中に立つことができただろうか。
その筆頭がまぁミズさまなわけですけども。ええ。ええ。

「ゆみこの存在あってこその自分」というのは当然ながらミズさまは誰よりもご理解されていらっしゃるので、いまだにお2人は親交が深いみたいですしね。
(お互いのインタビューでも毎回のごとくお互いの名前が挙がりますウフフフフ)




ゆみちゃんはどんなタカラジェンヌ人生だったかったいうと、かなり順調だったように思います。早すぎず、遅すぎずの抜擢で。

新公も2度主演してるし、もちろんバウ主演も東上もしています。
エトワールもするしダルマも着るし悪役だって親友役だって酒乱だってイケオジだって、ルドルフだってフランツだってキャリエールだって、ゆみちゃんにかかればもう安心感しかありません。

ゆみちゃんが2番手として支えたトップさんって春野さんとミズさんですけど、もうそれだけで本当にお2人は幸運をお掴みになられたなって思います。



もしセリ美がまがり間違ってトップスターになった時に、




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2番手さん自由に選んでいいよ!って言われたら何も迷わずにゆみちゃんを指名させていただきたい。

たーーくさんの2番手さんを見てきたけど、プロデューサーから
「2番手、誰にしm」「ゆみちゃんがいいです!!」って即答するほど、ゼッタイゼッタイゼッタイゆみちゃんが欲しい!!!あの子が欲しい!!!あの子じゃ分からん!!!相談しよう!!そうしよう!!!と思うわけです。既に誰かの2番手についてらっしゃったとしても、横領する勢いでゆみちゃんが欲しい。


つまり、宝塚のスターとして実力・人格ともに絶対的なものを持ってるのが彩吹さんなわけで、もうとんでもない貢献をしてきてるわけですよ。




彩吹さんに何か足りないものがありますかっていえば、もうそれはたった一つ。

運だけ。



あの時代、セリ美は今と違って一匹狼で活動していたのでとても情報に疎く、裏でどんな事情があったのか、深いところは知りません。

でも表に出ていただけの情報だと、宝塚の一大スポンサーであるVISAさんが音月さんを推したかったということは明らかでした。


「大きなスポンサーがつく=トップ確定」と断言まではできませんが(咲ちゃんにはスポンサーいませんしね)、VISAさんの決定はゆみちゃんの退団に関わったいちばん大きな理由だったのかなと推察します。



あと、これはゆみちゃんに限らず今も昔も宝塚全体に言えることですが、男役さん娘役さん共通して、「あまりに巧すぎると便利使いされてしまう」という面もありますよね。
現在のちなつさんとかくらっち、音くりちゃんがそれに近い状況になるのかな。
もう、何をやってもらっても安定。安心。


とにかく助っ人力がありすぎると、「ここの組が人材足りないから助けて」「今度はうちがヤバいから来てよ」ということにそりゃなりますわね。


それに加えて、ご本人に「ぜっってーートップ掴んでやる!!」という虎視眈々感、ギラギラしたものがあまりなくて、本当に謙虚で「私でお役に立てるならば全力でサポートいたします」というタイプだと余計に劇団はそれに甘えますよね。



そういう、

・万能感
・タイミング
・スポンサーの意向
・謙虚すぎる

などの条件がいろいろ重なってしまうと、2番手退団というレアケースが10年に一度くらい生まれてしまうのかなと思います。






……それでも。


それでも!!!!!


やっぱり2番手羽根を長く背負ってきた人を退団させてしまうというのは絶対に違うと思いますね。



今ではあんまり見かけなくなった、1作退団。

トップ交代っていろいろ大変な面もあるから劇団としてもあんまりに目まぐるしく交代するのは避けたいんでしょうかね。


それでも、やっぱり退団後の活躍を思えば、「元トップ」と付くのと付かないのでは全然違う。

ゆみちゃんほどの貢献をしてくれた人の退団後の活躍を保証するためにも、なぜ1作だけでもトップにさせてあげなかったのか。


それがもう本当に恨めしくて恨めしくて恨めしくて、ゆみちゃんのサヨナラショーをセリ美は直視できなかったんです。



いや、ご本人なりに納得して退団を選ばれたんだから、セリ美ごときが「納得できん!!!!私を倒してからにしろ!!!!」って立ちはだかったって意味ないんですけど、どううううしても受け入れられなくてね。


大好きな大好きなゆみちゃんの最後の舞台なんだから、どんなに悲しくても辛くても見届けてやりなはれ!!!って今のセリ美なら当時のセリ美を引っぱたくんですけど、まだヅカファン歴も浅かったし、一匹狼で情報にも疎かった血気盛んな若いセリ美には受け入れることができず、悲しすぎてサヨナラショーなんて見られなかったんです。たとえ映像でも。





そして、そこから11年の年月が流れ、セリ美も今やこのように自分の想いを打ち明けさせてもらえる場所ができたり、たくさんのヅカ友さんができていろいろな事情を知るルートもできました。


大変な人格者であるゆみちゃんはそんな仕打ちをした歌劇団と友好的な関係を結び、今では演技指導というかたちで関わってくれています。本当にすごい人ですよねえ。


しかも、今月セリ美が行くゆみちゃんの舞台はゆみちゃんの主演作である上に、かの有名なダニエル・キイス作『5番目のサリー』で、演出は大好きなオギー。

「元トップ」という肩書がないのに、それだけの素晴らしい作品に主演できるというのはひとえにゆみちゃんの高い高い実力あってこそですね。




ここまで来て、セリ美はようやくゆみちゃんの11年前のサヨナラショーをまともに見ることができました。
もちろん、今だってもう涙なしには見られません。

劇団になんとかかけあってゆみちゃんを次期にしようと尽力されたけど叶わなかったミズさんが、サヨナラショーでゆみちゃんを見つめる眼差しや、ゆみちゃんと退団同期となったハマコさん(未来優希さん)の豪快な笑顔とか、清々しい笑顔の大月さゆちゃんとか、いろんな人のいろんな想いが錯綜しまくっていて、あんなものを平常心で見られる日はきっと一生来ないですけど、でも皆さんの想いを受け止めることはできるようになったと感じました。




だから、このあと待ち受けている愛ちゃんの退団を受け止めきれない愛ちゃんファンの気持ちは痛いほど解ります。

愛ちゃんの決断を尊重したい、最後の雄姿をしっかり見届けなきゃと思っているのに、どうしても心が追いつかない。目を逸らしてしまう。

全然それでいいと思います。


退団されたあとに愛ちゃんがどんな活動をされるのか、どんな人生を送るのか、「退団後の人生も幸せだよ!」って笑う愛ちゃんを確認してから「今なら見られるかも」という時期が訪れるまで、封印してもいいと思います。







……でも。



でも!!!!!!!



やっぱり、2番手羽根の意味って、「次はあなたですからね」って意味にしてほしいんです!!!!!


「2番手羽根が無いのは舞台映えしないからとりあえずアナタが背負ってて」っていう意味にしないでほしいんです!!!!!


「2番手羽根背負ったからもう努力しなくてもトップの座が待ってる~♪」なんて慢心するような人がいるわけないじゃないですか!!!!


たとえ、「トップにはできないけど頑張ってくれたから餞別ね~」というお礼の意味であっても、やっぱり2番手羽根を背負ったからには、ご自身もファンも期待しますよ!!
期待させておいて「え?トップへの確約だなんて誰が言った?」なんてあまりに酷い仕打ち。

餞別を送りたいなら、2番手羽根以外のやり方で表してほしい。


やっぱりそれくらい2番手羽根って神聖なものだから、安売りしないでほしいんですよね。




それでもなお、「この人に2番手羽根を背負ってほしい」というゆみちゃんほどのスターさんには、どんなにタイミングが合わなかろうとも本人が謙虚であろうとも、1作退団でいいからトップ作を進呈するべきだと思いますねセリ美は。
ゆみちゃんしかり、美弥ちゃんしかり。


それで何千人、何万人というヅカファンが納得するわけですよ。そのあとも引き続きヅカファンを継続してくれるわけですよ。

美弥ちゃん事件で一体どれだけの人が離れたと見積もってんだ?!


そのくせどうにもいつもスポンサー絡みやらなんやらでお金の匂いがぷんぷんするわけですよねえ。
そりゃね、慈善事業じゃないんだから、立派なビジネスなんですから、利潤追求は全然構わないですよ。でもそれならもっと正当なやり方で稼いでほしいですよねえ。

ようやく新公も配信対象になりましたけど、ヅカファンの欲求を叶えつつ自分たちも儲かる方法なんてまだまだいくらでもあるのに、宝塚歌劇団のポテンシャルなんてめちゃくちゃ高いのに、なぜかそこには手を出さないことって結構あるじゃないですか。


スポンサーがどうのとか変なところでお金の匂いさせてないで、もっと正攻法で俺らから金まきあげろよ!!!金なら出す!!!って思いますね。
まぁ今の貧乏どん底セリ美じゃあなんのお役にも立てないんですけどね……泣





2番手さんの退団なんて誰も得しないことをいまだにやっていて、しかも、じゃあ愛ちゃん退団後に誰もが認めるくらい立派に2番手たる堂々の風格と実力と実績を備えてるスターさんを準備してんのかい?って。せおもようやく東上だっていうのに。
星だけじゃなくて花の2番手問題も月の2番手問題もどうすんのかい?って、問題は全然山積してるわけでね。


2番手3番手不明だなんて事態を楽しんでるファンがどこにいるんだい?ってね。

2番手3番手4番手…って明確なピラミッドが見えることこそが宝塚の個性であり、醍醐味なんじゃないのかい?ってね。




ま、少なくとも、トップにする気もないのに神聖な2番手羽根を背負わせちゃったり、逆にさんざん2番手として頑張ってもらったくせに「トップにするとは誰も言ってないよ~」とか鬼の所業をしたりっていうのは本当に勘弁してほしいです。

ミズさんファンのセリ美ですら11年も引きずるほど、ゆみちゃん事件はあまりにむごかった。




それでも宝塚ってのは全体で見たらかなり充実したサービスを提供できている優良企業だからこそ、セリ美は「一生ついてくよ!」とは思うんですけどもね。

2番手退団だけはもう2度と見たくないですね。




それでも、そんなに酷い仕打ちを受けてもなおサヨナラショーで我々に最高の笑顔と究極の男役姿を見せてくれる11年前のゆみちゃんを見て、「この時のゆみちゃんは今のセリ美より全然年下なのに、なんなんだこの人間としての器のでかさは…!!」と大変な勇気とエネルギーをもらうことができます。

セリ美はいま、こんな風に全身全霊で生きているか?
悔いの無い仕事をしているか?
人に誇れる人生を生きているか?

って自分を見つめ直すことができました。



これだからタカラジェンヌさんって尊いんですよねえ。



姿かたちが美しいとか歌がうまいとかダンスがうまいとかもちろんそういうエンタメ要素としても我々は高い満足度を得てるんですけど、根本はその生き様ですよね~。

恵まれた容姿や才能に甘んじることなく、清い心で可能な限りの努力をし続ける生き様というのはなんと美しいことか!私も美しい生き様で人生を全うしよう!!!と、自分の人生に反映できるところがやっぱり「タカラヅカフォーエバー!」になる根本理由なんですよね~。





ということで、今回の結論。


宝塚はエンタメ性だけじゃなく、タカラジェンヌさんの生き様で儲けてる部分だって相当大きいんだから、生徒さんを大事にしろよな!!!!!!!!なんならファンより生徒さんを大事にしろよな!!!!!


ってことです。


息子の母より。







それでは~~。







助っ人力高すぎる息子を便利使いしたら阪急の社長室に侵入して中でマック食い散らかしてやるからな!!!!
バーベキューソースとかバニラシェイクとか床にこぼすからな!!!その手で書類とか触るからな!!!