いや~~~~引越し、死んだ死んだ。腰が死んだ。完全に死んだ。
普通に歩けなくなっちゃってどうしようかと思っちゃった~~。


12月4日が引越し、12月10日にはミズさまの東京遠征だったので、なにがなんでも10日までに腰を治さねばなるまい!と「オイ腰よ、おまえ分かってんだろうな」とプレッシャーをかけ続けて大判フェイタスを2枚腰に毎日貼って過ごしておりましたが、腰は完全に空気を読んで10日ぴったりに完治いたしました!!!

あのまま腰が戻らなくなったら農家のおばばみたいに腰が90度のままになって観劇でも自動的に前のめりになっちゃって劇場からつまみ出されるところでしたわ。

幸いにも神経系ではなくて筋肉系の痛みだったので、数日で治ったみたいです。
いつか宝塚にも住んでみたいし東京にも戻りたいけど、もう引越しは最後にしたい……



でも、腰の命を懸けて作った新居はもう「え、ここ豪邸?」と毎日起きるたびに錯覚するほど快適で、トイレもお風呂も寝室も仕事部屋も、どこにいても本当に幸せ。
今まではベッドの横に仕事デスクを置いてたもんだから「なんだかとっても眠いんだ…」とすぐパトラッシュと共に天に召されてしまってましたが、今の仕事部屋ならパトラッシュも天使もいない!!

映像鑑賞の誘惑はありますが……




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下の段にワークスペース、上の段は鑑賞スペース!!!
スカステ開通は未定!!!



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ミズさまのお色気を感じながらの仕事、はかどるはかどる!!



角部屋なので窓も多いし、4階なので見晴らしもそこそこいいし、目の前には遊歩道があって人工の小川がサラサラと流れていて、そこを毎朝1時間ほどウォーキングしてシャワーを浴びて洗濯してお紅茶を作って仕事部屋に入るという、もう貴族のような生活をしておりますのオホホホごきげんよう。


仕事部屋もたった6畳の北側ではあるけども、セリ美の夢と希望と資料をすべて詰め込んだワンダーランドになっておりますので、まさに「秘密基地」といった風情。

立地も、セリ美ご用達のダイソーが徒歩圏内だし、貧乏人の味方サイゼリヤも徒歩圏内、マンション住人の皆さんも「セリ美以外に本当に誰か住んでるのかしら…?」と思うほど静か。


住宅ローン地獄はあと35年もあるけど、人生最大の借金で人生最高の買い物ができた!と大満足であります!!!






そしてこの引越し騒動で溜まりに溜まった仕事……。
息子も無事に宙組を旅立ったようだし、母さんもがんばらなくっちゃ!!!!




ということで、だいぶ日にちが経ってしまいましたが、第2幕の開演でございます。ブーーーーー。(ブザー)
大変お待たせいたしました。ただいまより、第2幕を開演いたします。





第1幕で、意中のじゅっちゃんが実は自分の貸した部屋でシェルドレイク部長と不倫をしている相手だった衝撃の事実を知ってしまい、呆然とするキキちゃん。
クリスマスだっていうのに、僕はなんて不幸なんだぁぁぁぁぁぁ!!!とまた行きつけのバーで飲んだくれています。


そこへ現れる、巷で話題沸騰のルイマキセ!!
ぃよっっっ!!待ってました!!!


当初はじゅっちゃんのコワイ兄貴役のみの予定でしたが、あられちゃん(愛海ひかるちゃん)の休演をうけて代役にはルイマキセ、という衝撃の発表がありましたねえ~。

普通、休演者が出ると下級生の役がひとつずつ繰り上がりますが、なんと今回はルイマキセが2役という超異例の対応。


下級生じゃとてもじゃないけど務まらないくらい難しい役なのかなって思ってたら!まさにそうでした。

あんな役、ルイマキセ以外に誰ができるねん!!!というほど見事な役作りでしたね~。


いや、あられちゃんはきっとあられちゃんなりに役作りを仕上げてたと思うんですが、ルイマキセの人柄が充分に反映された、もう紫綬褒章モノの仕上がりでした。
ああいう派手で変なオバさん、アメリカにいるよね~~みたいな感じの。


もちろんキキちゃんも息子も素晴らしいけど、MVPは?って訊かれたらやっぱり「ルイマキセ」って答えざるを得ないような本当にお見事な、秀逸すぎる仕上がりでした。


なによりルイマキセって息子と同じように、喋り声がもう超ええ声じゃないですか。女性であんな美しい低音の地声を持ってる人って超貴重ですよね。ああいうのは本当に神様からのギフトですよねえ。声にコンプレックスのあるセリ美としては本当に憧れ。
デリシューでの怪しいソロもあんなのルイマキセ以外に誰が歌えんねん!!っていうほどのすごい曲でしたもんね。



ルイマキセの役どころは、未亡人。
旦那が行方不明になっちゃってヤケクソになってる熟女の役です。
愛を無くしてヤケクソクリスマスを過ごしているという共通点で、2人は意気投合していきます。

ルイマキセはフクロウの毛皮でできているという高級コートがトレードマークで、登場いきなり「ホーッホーッホーッ」とフクロウギャグをかましてきます。
その一発ギャグでもう観客の掴みは完全にオッケー。


ルイマキセの登場時間はそんなに長くないんですが、ここでキキちゃんとバーのみんなとの大ナンバーがあって、もうルイマキセ無双。
女役のパートの音域も完璧で、とても艶のある魅力的な声なんですよね~。

アナスタシアで息子がクラブで大ナンバーを歌い上げた感じの場面ですね。

曲もすごく良くて、まさに「ブロードウェイ!!」って感じ。




その頃、キキちゃんちでは息子とじゅっちゃんがやることはしっかりやって、でもそのあまりの虚しさにじゅっちゃんがソファで泣き濡れていました。

あ、この場面ですね。


キキちゃんち覗き見


どうしても好きだから誘われれば断れない、でも奥さんときっと別れるつもりもなく、いいように利用されているだけの自分が情けない、という気持ちもあるのでしょうねえ。

この場面への転換時、キキちゃんとルイマキセがバーで酔っ払ってるその上で息子が既にスタンバイしている様子が見られるんですが、ベッドから起き上がってYシャツを着て腕時計をつけたりして身支度しているんです。渋い顔で。


いや~~~なんかもう母はなんとも言えない気持ちになりました……

サルみたいにきゃっきゃしてたあの子が…そんなシブい顔で情事後の着替えをするとか……


ミズ様に対してはもう最初から色男としてしか見てないので、「もっと頂戴!どんどん頂戴!!!」


buu



という思いなんですが、なにせ息子は息子なもんでね、こうやって一人前の男役を極めてゆくのね…という感慨深い思いで御座いますね。もう研12ですもんね。



自分の地位と名誉のために離婚もしたくない、でも女遊びもやめたくない、というサイテーな息子は「今は離婚のタイミングじゃないんだ、分かってくれ」と言い訳ばかり。

「ほら、いつものように笑ってくれ」とじゅっちゃんに要求し、「これでいい?!」とじゅっちゃんは泣き顔で無理やり口角を上げて「私は都合良く笑ってればいいのよね?どうせ私はノーテンキなおバカさんだから!」と息子を責めます。

そしてついに、息子のこれまでの手癖の経歴をさっきせっちゃんに聞かされた、と話します。


「わたし、小説書いてるって言ったかしら?タイトルは『不倫万歳』。(これも笑った!いい和訳!)第1章『既婚男性との交際中はマスカラは絶対にしないこと』」


こんな風にじゅっちゃんはどんどん皮肉を覚えて嫌な女になっていきます。


でも純粋で健気な部分も残っていて、週に1回しか会えないから他の6日はクリスマスに渡そうと思って毎日これ編んでたの、と息子に手編みのセーターをプレゼントします。


それを見ながらセリ美は思いました。

「あーあーーそういうの重いなーー絶対コイツ帰り道で捨てるぞ」と。


家庭持ちの男性に手編みのセーターをあげるって、それ天然でやってるの?それとも奥さんへの宣戦布告?無邪気ってコワイですねえ。



じゅっちゃんは今日の為に渾身のプレゼントを用意したのに、息子はプレゼント無し。
酷いですね~~。とにかく今日は可愛いじゅっちゃんとやることしか考えてなかったってわけですねえ。

「あなたは忙しくてプレゼントなんて買いに行かれないこと分かってるから、ビーチで一緒に撮った写真を自分でフレームに入れてあなたからのプレゼントだってことにしてるの!」

健気というかコワイというか……





しかし、息子からはさらにコワイお返しが。


おもむろに財布からお金を取り出し……


「これで好きな物買ってくれ」




ぎやああああああ!!!!サイテーーーーーーーー!!!!!!

そら!!!あんたは一体いつからそんな男に成り下がったんだい!!!
この前はじゅっちゃんを殴って若い女と浮気したと思ったら今度は娼婦扱いかね!!!
母さんはそんな子に育てた覚えは無いよ!!!!!!

と舞台に上がって息子を泣きながらシバキ倒したい衝動を必死で抑えましたよ母さんは。




母さんは情けないよ



サイテーレベルはもう師範代ですね。
物が欲しいわけじゃないのにねえ。「私のことを考えてくれた」という事実が欲しいだけなのにねえ。これじゃまるでおねだりしてる高級娼婦じゃないですか。


これに絶望したじゅっちゃんは無表情でおもむろに上着を脱いで、ソファに座っていた息子の上に乗って強引にキスをします。


「し…7時15分までだ!今夜は電車に乗り遅れるわけにいかないんだ…きょ、今日はその…家に帰って…ツリーを…飾らないと……」

「そう…わかったわ…先にお代を頂いたからと思っただけ…」

「そんな言い方はよしてくれ!なにも君を傷つけたいわけじゃない!!!」




いや…何もかもが傷つけているわけで……
むしろヤリ目的のくせに傷つけたいわけじゃないとか言ってるその「自分は悪くない」という言い訳が……いちばん傷つくわけで…






死んで詫びる母





「先に行って…大事な電車に乗り遅れるわよ」と息子を先に帰らせるじゅっちゃん。

「それじゃまた来週…」とまるで習い事教室のように言って去ってゆく息子。


結局、じゅっちゃんを愛してるわけでもなく本当にセフレとしてしか見てないのでそういう言葉が無邪気に出てきちゃうんですよねえ…


そんな酷い扱いをされても、どうしても息子を嫌いになれないじゅっちゃん。息子ってそんなにイイ男なんですねえ。わかるけど。

もうどうしていいのか分からなくなった時に、キキちゃんがお隣のまゆぽん先生からもらって置いておいた睡眠薬を見つけ、衝動的に一気に飲んでしまいます。





そこへ千鳥足で帰ってくるキキちゃんとルイマキセ。


「アタシ、そんな安っぽいオンナじゃないんだからね~~!!」とか言いながら元旦那に少し似ているらしいキキちゃんの家になだれ込みます。

アホな酔っ払い2人の「さぁマージ~~(ルイマキセ)この階段を昇ればパラダイスだよぉぉぉぉん!!!」「そぉんなのまだわかんないわよぉぉぉ」とか振り切った酔っ払いっぷりが最高でしたね。


部屋に入ってこれからお楽しみタイムが待っている酔っ払い2人は丁々発止で大盛り上がり。
フクロウのコートを脱いだルイマキセが無駄にスタイル良かったりして「おお、さすがにルイマキセもタカラジェンヌだわね…」と感嘆したり。




ルイマキセが踊りながらお手洗いに消えた隙に、ロフトにあるベッドを確認しに行くキキちゃん。

すると、なんとじゅっちゃんが寝ているのを発見!!!!


「Miss.クーベリック!!!チェックアウトの時間はとっくに過ぎてますよ!!!」

と大慌てでじゅっちゃんを起こしますが、どれだけ揺さぶってもまったく起きない。
そしてベッドに転がっていた睡眠薬の空き瓶を発見!!


「フランーーーー!!!!!ど、ど、ど、どうしよう……」と大パニックになるキキちゃん。
慌ててお隣のまゆぽん先生を呼びに行き、そこにルイマキセが帰ってきます。

「ちょっと~どうしたのよぉぉぉんウッフン」と呑気なルイマキセをなんとかごまかして帰そうとしますが、ついにじゅっちゃんの存在に気付かれてしまいます。


ベッドで寝ているじゅっちゃんを発見してしまったルイマキセ、「(おーーーまいがぁぁぁぁぁ)」と声にならない叫びを放ち、「とにかく帰ってくれ!!!」と部屋を追い出され、「地獄に堕ちろーーーーーー!!!!」とキキちゃんに捨て台詞を吐いて、ルイマキセ退場。

セリ美が観た時にはここでルイマキセに拍手が起こっていました(笑)

そりゃ思わず拍手しちゃいますわな。




急いで治療カバンを持って部屋に入ってくるまゆぽん医師。
「あの世へ行くには充分な量を飲んでる!!!」と、じゅっちゃんをバスルームへ引きずって胃洗浄へ向かいます。

「あと30分遅かったら君は史上最悪のクリスマスプレゼントを手にしてたぞ!」とたしなめられるキキちゃん。
まゆぽん先生は日替わりに違う女性をキキちゃんが連れ込んでいると勘違いしています。
同じ男性として女の子と遊びたい気持ちは分かるが、いい加減にしなさい…と呆れ顔です。



胃の中のものをすべて洗い出し、気つけ薬としてコーヒーを飲ませると、じゅっちゃんはようやく目を覚まします。
「チャック……?ここで何してるの…?」朦朧とするじゅっちゃん。
とにかく眠らせてはいけない!2時間このアパートの中を歩き回らせるぞ!!と、キキちゃんと3人で部屋を出て散歩に出ます。

ここが毎回キキちゃんとまゆぽん先生のアドリブ場のようで、キキちゃんのハイレベルなアドリブにしっかり合わせてくるまゆぽんの実力に改めて感心。

「先生!フランが寝てます!」
「こらフラン!起ーきーなーさい!!」

という、緊迫した状況なのにやけに平和なアドリブがとてもほっこりしました。


謎の宇宙人から楠木正成、アドリブ対応抜群のおじいちゃん先生もできるほどの実力者ならそりゃ専科に行きますわな。
次は花組へ、大忙しですなあ!!



自殺未遂は警察への報告義務があったのか?じゅっちゃんの個人情報を警察に報告しようと、聞き取りを始めるまゆぽん先生。
でもこの自殺未遂騒動が会社になど知れたらじゅっちゃんが大変なことに!!と、懸命に警察への報告をしないでほしいと懇願するキキちゃん。

部長と不倫して自分の部屋で自殺未遂なんかされてとんでもない迷惑行為だというのに、それでもじゅっちゃんを守ろうとする優しいキキちゃんにグッときてしまいましたねえ。

うちの息子と比べたらキキちゃんのほうがなんと男らしいことか…!!!!!





育て方まちがえた




でも当事者である部長には知らせないわけにいかない、と部長の自宅に電話をかけるキキちゃん。

「クリスマスの朝に非常識な!」といっちょまえに怒るうちの息子ですが、どっちが非常識やねんっちゅー話やね。


「今すぐ僕の部屋に来てください、重要案件です」と言うキキちゃんのお願いも聞かずに、「どういうことなんだ」と電話でじゅっちゃんが自殺未遂をはかったことを知る息子。

さすがにうろたえる息子の様子を見て、「どうしたの?」と心配する奥さん。
「社員が事故に遭った」と咄嗟に嘘をつく息子ですが、「大丈夫なの?」との奥さんの問いには「ああいや、たいしたことはない」と答えます……


彼女が自殺未遂してもたいしたことはないのね………



「起きた時にそばにいてやってほしい」と懇願するキキちゃんですが、うちの子はいかんせんクズなもので。。。「今日はさすがに行けそうにない」と断る息子。。。


「必要であれば薬でもなんでも調達してくれ。支払いはすべて私のほうで」

「それより、何か伝えることがあれば…」

「伝えること……?」

「…なんでもないです。何か考えておくので大丈夫です…」

「バクスター(キキちゃんの苗字)、感謝するz…」ガチャ。

部長の言葉を待たずに一方的に電話を切るキキちゃん。よくやった!!!



とにかくいつも金で解決、彼女に伝えることすら思いつかないという見事なクズっぷりです。そりゃあの「イイ人」のキキちゃんもさすがにブチ切れますわな。


そんなことがあったにも関わらず自分は子供たちと楽しく家でクリスマスを過ごすクソ部長。ああーサイテー。



じゅっちゃんはようやく容体が落ち着き、キキちゃんの部屋でとんでもないことをしてしまった、と謝ります。

そこに、じゅっちゃんの様子を見に来たまゆぽん先生。


「やぁ眠れる森の美女!」と陽気に話しかけますが、「どうして死なせてくれなかったんですか」と言うじゅっちゃんに、「馬鹿言っちゃいかん」と今までと打って変わって深刻なトーンで言葉を発するまゆぽん先生。

決して怒鳴っているわけではないんですが、これまでと明らかに声色が変わっていて、「ああ、まゆぽん巧いなぁ」とまたここで感心。
「なんとか病気を治して元気に生きていきたい」というたくさんの患者さんを一生懸命治してきたまゆぽん先生からすると、そういう言葉は許せないんだろうなぁ、というのがよく伝わってきました。


「彼女、傷ついてるんです」とあまり責めないでやってほしいとお願いするキキちゃんですが(どこまでも優しい…)、「傷はいつか必ず癒える。体のキズも、心の傷も」と、優しく諭すまゆぽん先生。

「じゃあひとつアドバイスをしてやろう!」と歌い出す。

「人生、雨が降るときもあるけど、いつか必ず雨はあがる!ハッピーに生きよう!!」と、またキキちゃんとアドリブを交えながらゴキゲンソングを披露します。

この歌唱場面も、きちんとおじいちゃん先生としての味わい深さがあって本当に良かったですねえ。




少し元気を取り戻したじゅっちゃんとキキちゃんはトランプでカードゲームを始めながら、キキちゃんの恋愛経歴なんかを話します。
実はキキちゃんも以前に恋にやぶれて自殺未遂を起こしたことがあったのでした。

だから、じゅっちゃんのことを決して責めずに守ってくれていたんですね。




そこへ現れるルイマキセ!!!!!でーーーたーーーーー!!!!!
待ってましたーーーー!!!!

いや、このルイマキセはじゅっちゃんの兄貴としてのルイマキセです!!!!

バリバリのヤンキー兄ちゃんで、さっきのお色気オネイサンと同一人物だなんて誰が信じられる?!?!


「お前は一体誰なんだ?!俺の妹に変なことしたんじゃねえだろうなあ?!?!」と凄むルイマキセに、「どこかで会ったことありません??」「誰かに似てる…」とアドリブをかますキキちゃん。そりゃあ会場大爆笑ですわ。


さらにそこへまゆぽん先生が再登場してルイマキセ兄貴はまた混乱。


「誰だオマエ?!」

「Miss.クーベリックの主治医です」

「なんであいつに医者が必要なんだ?!」

「そ、そ、それはホラ…あの…説明しなさい!(キキちゃんへ託す)」

「い、いやぁ…ケーキの食べ過ぎで…胃の洗浄を…」


しどろもどろになってる2人のところへ来て「睡眠薬を飲みすぎたからよ」とサラッと真実を告げるじゅっちゃん。驚愕するルイマキセ。


そしてなんとキキちゃんが「僕のせいなんです!僕が彼女を裏切って…」と自分を悪者にする嘘をつきます。

怒髪天のルイマキセはキキちゃんを思いっきり殴り、


「地獄に堕ちろーーーー!!!!!!」


と去っていきます。
……あれ??さっきもこの声でこの台詞聞いたなァ…


ルイマキセが急遽2役やることになってこの台詞を作ったんでしょうねえ。
原田くん、なかなかやるじゃない!!!

原田くんってどうもいつもオリジナル作品は暗くて退屈な作品が多いけど、ハッピーエンドのほうがよっぽど巧いじゃん!!なんて思いましたね。





場面変わり、シェルドレイク部長の執務室。

せっちゃんを呼びつける息子。
なかなか出てこないせっちゃん。

「失礼しました。この書類を作っていたもので。こちらにサインを。そういえば今日はMiss.クーベリックが出社していませんが…」

「私が彼女の欠勤理由など知るわけがないだろ(イライラ)」

「私があなたとの関係を終わらせたとき、私が何に慰められたか知ってる?」

「(面倒くさそうに)さあな。誰かいたのか?」

「仕事と給料よ!男なんかよりずっと裏切らないから。でもみんながみんなコンクリートみたいに強い私と同じとは限らないのよ。あの子、いつか取り返しのつかないことするわよ。」


と、見事に今の事態を言い当てるせっちゃん。


「会議の時間だ!話の続きはまた今度にしてくれ」

「残念だけど続きは無いわ。退職させていただきます!」

「なんだって…?!」

「自分へのクリスマスプレゼント。あなた、さっき私の退職金希望の書類にサインしてくださったじゃありませんか。奥さんにすべてバラされるって心配してる?だったら最後にアドバイスしてあげる。せいぜい心配なさい!!!」




せっちゃん、かっくいーーーーーー!!!!!

宙組の息子との最後の絡みは元カレと元カノ。そしてこてんぱんに後ろ足で砂をかけていってくれました!
こうして役として遠慮なくいがみ合えるのも同期だからこそ。
舞台裏でも本当に息子のことをたくさんたくさん支えてくれて、もう感謝なんてもんじゃありません!!

ルイマキセともたくさんの作品を作ってたくさんの場面で組んできたけど、本当に母は足を向けて寝られませぬ……
ルイマキセがいなかったら夢千鳥はできなかったし、せっちゃんがいなかったらハッスルメイツもできませんでした。

心からありがとう!!!!!





その日、アフターファイブで部長に呼び出されたキキちゃん。いつも部長が女と利用してるチャイニーズレストランです。

キキちゃんはこの機会に、「Miss.クーベリックは自分が引き受けます!」と宣言するつもりで来ました。
あんなことがあってもまだじゅっちゃんのことを愛してるんですねえ~。ほんと、素敵な男性!



しかし、部長は思いもよらないことを言います。

奥さんとは離婚したので、Miss.クーベリックは私が引き受ける、クリスマスのことは感謝している、ということでした。


仕事ができるせっちゃんは有言実行、奥様にしっかり暴露して部長は離婚させられたわけですね。


「今晩、このあと彼女に会って結婚を申し込むつもりだ」

「ご結婚はいつの予定ですか…?」

「まだわからんよ」

「今週?今月?今年中に…」

「まだわからんと言ってるじゃないか!」


結局自分からは離婚できなかったくせに、元カノからの告発でようやく縁を切ってもらって可愛い可愛いじゅっちゃんと結婚ができる身になったというのに、この期に及んでまだ「こういうことは時間がかかるんだ」とモタモタしている息子。

籍を入れるまでにまだ時間がかかるから、それまでまた君の部屋を貸してくれないか…と、もうほんとに笑っちゃうくらいすべての判断が間違っているうちの息子はこんな判断力で本当に仕事ができているのでしょうかねえ…?


決断力も男らしさも無くて卑怯で腰抜けのくせに、女も部下も、己の欲望を満たすために使えるものはみんな利用するという、パーフェクトクズっぷりにもう感心しちゃうっていうか、物語の憎まれ役を徹底して作ったんですねえ原作者は。

やっぱり悪役は徹底的に憎まれなくっちゃね。
息子はこれまでに、ここまでの悪役って無かったように思うので、実力ある証拠だよなって親バカぶり全開で観ておりました。
そういう役を説得力もたせて演じることができるようになったことに母は感無量でした。



「また鍵を貸してくれ」と迫る部長に、「分かりました」と鍵を手渡すキキちゃんですが、それはアパートの鍵ではなく、会社の重役フロアの洗面所の鍵でした。

「おい、鍵が違うぞ」と言う部長に、「そうですよ!!もうおしまいです!!僕のアパートは、二度と誰にも使わせません!!」と言い切ります!!

「これまでの恩を忘れたのか!!」とまだ脅迫してくる部長に、キキちゃんは毅然と宣言します。


「都合よく部屋の鍵を貸してくれる人間を簡単に重役に引き上げるような人間のもとで働くことを、僕は断固拒否する!!!!それじゃあ!!!良いお年を!!!!!」


すごい剣幕でした。
あまりにサイテーすぎる部長を見続けて、キキちゃんはようやく気が付いたんですね。
コイツは何をやってるんだ!!!自分も一体何をやってるんだ!!!!!とついに目覚めます。自分が生きるべき人生はこれじゃない!!!!!

その決意をセットの頂点に駆け上がって絶唱します。


柵も無いすごい高いところなので絶対怖いでしょうし、なによりキキちゃんの声量がすごい!!!!!会場がぶっ壊れる勢いの声量!!!!!
あんんんんなほっっっそい体からなんであんな音がでるんでしょうねえ。
ジェンヌさんのボイトレってすごいですよねえ。


ミズさまも現役時代は決してシンガーではなく、ご本人も「幼少期に習ってたバイオリンのせいでどうも耳がおかしい」と自虐をかましてたくらい、苦手分野でした。

でも今じゃびっくりするくらいの音域をお持ちで、シンガーとしてのお仕事もたくさんこなしていらっしゃいます。
スカステでさっそく放送してるらしいなぎしょの「アプローズ」、見てくだすった?
あそこでもミズさまが大変すばらしいお歌を披露されていらっしゃるのでぜひ見てね!!!!!




あと、先日のエリザガラコンで驚いたのはねねちゃんの歌。
ねねちゃんもお歌はどうも苦手分野だったのですが、ガラコンでは音程も安定してるし音域も広くなってるし、退団してからどんなボイトレしたの?!?!ってビックリしちゃいました。


生まれつきの声帯のかたちがあるからどうしても美声か否かって自分じゃ選べないところあるけど、トレーニングによってこんなに変わるんだ…!というのは、たくさんのジェンヌさんたちを見て毎回新鮮に驚きますねえ。





今日はまゆぽん先生宅で医者たちの新年カウントダウンパーティーに参加する予定のキキちゃんでしたが、キキちゃんはこのアパートを出ていくと決めました。

荷物をまとめている最中に「来月分の家賃は支払ってあるので、もしお泊まりになる場所が必要でしたらどうぞ。鍵の場所は…もうご存知ですよね?」と客席との掛け合いをします。





金曜希望



なかなか自分の部屋にやってこないキキちゃんを呼びに、まゆぽん先生がやってきます。

今晩、引越すことにしたと打ち明けるキキちゃんに驚くまゆぽん先生。

日替わりでキキちゃんの部屋にやってくる男女の夜の営みに興奮して深夜ドラマそっちのけで楽しんでいた妻も寂しがるよ、と先生。
奥さんのほうは意外と楽しんでたんですねえ。


部屋に残っていたシャンパンを2人で開けてしまおうとポーーーン!とコルクを飛ばして盛り上がっているところに、じゅっちゃんが血相を変えて飛び込んできます。

自殺未遂経験者のキキちゃんがまた拳銃自殺かなにかやったんじゃないかと勘違いしたようでした。

「まさか!」と否定するキキちゃんですが、女の勘は鋭いものです。キキちゃんが誰にも告げずにこの街を出ていってしまうような気がして…と部屋にやってきたのでした。




「確かに僕はこの街を出ていくし、君に電話してもしょうがないと思って…」

「電話してみて!!!」

「へっ?!」

「電話してみてって言ったの!」

「……?もしもし…Miss.クーベリックはいらっしゃいますか…?」


なぜか出ないじゅっちゃん。出ろや(笑)

待ちきれずに、なぜかまゆぽん先生が取り次ぎます。「君に電話だ」


「…もしもし?」

「お別れを言いたかっただけなんだ…それと、君とMr.シェルドレイクの幸せを心から祈ってる。部長、今晩きみにプロポーズするって言ってたから…」

「ええ。」

「なんて…答えたんだ…?」

「なんて…答えたと思う?」

「……………。」


また答えないじゅっちゃん。待ちきれないまゆぽん先生(笑)。

「……なんて答えたんだ!!!!」


「私、ようやく気付いたの。あの人と私、ちっとも相性良くないって。彼、バスケットボールだって全然興味ないし。」

また入ってくるまゆぽん先生。
「賢明な判断だ!!あれの面白さが分からないような奴とは結婚しちゃいかん!!」

「それに…心から私を想ってくれる人が…目の前にいるから!!!」


見つめ合う2人。

これでキキちゃんがここから引越す理由はなくなりました。

また割り込んでくるまゆぽん先生。

「引っ越さないでくれて嬉しいぞ!!私もようやく君たちに慣れてきた。さぁ!ハッピーニューイヤだ!」

まゆぽん先生の言葉も届かず、見つめ合って2人の世界に入っている2人。呆れるまゆぽん先生。


「おーいミルドレッド!(奥様)またお取込み中だ!!!」


まゆぽん先生去る。
いつだって若者の味方で、とても素敵なお隣さんを見事に演じ切ってくれたまゆぽんに、もう大喝采!!!!
こういう老人になりたいなあ、と思わせるような役作りでした。



2人っきりになっておもむろにまたトランプを始める2人。



「愛してる…Miss.クーベリック…」

「聞こえなかったわ。ハートのクイーンが欲しいの?」

「フラン…僕は君が大好きだって言ったんだ…」

「聞こえた…♡さぁチャック!この前の続きよ!」


ゆっくり近づいて、じゅっちゃんにそっとキスをするキキちゃん。
そのままイチャイチャ…と思いきや、普通にトランプの続きをしながら幕。

パチパチパチパチパチパチ!!!!!!








いや~~~~~~最高に楽しいお話ですよね!!!!

キキちゃんの明るい声質やアドリブに強い性格にピッタリの作品だったように思います!
楽曲もすべて「ブロードウェイ!!」って感じで壮大で明るくてハッピーで、ミュージカルってこういうことよね!!という王道の作品でしたね~。

セリ美が観た回では、





こんな可愛いハプニングがあったりして、もう爆笑!でも号泣!の観劇となりました。
ブリリア刑場での千秋楽ではみんな大号泣だったそうで…


まだコロナ騒動がおさまっていないという不安に加え、「みんなの孫みたいな」うちの息子が今日を最後に離れてしまう、ということもあったのでしょうねえ…スカステの映像では映ってなかったけどルイマキセが誰よりも泣いていたそうで…


ルイマキセ、あんたはきっと自分が思ってるよりもずっと宝塚の宝物なんだよ…!!!

月エリザではおだちんがピンチヒッターでルキーニを演じて最大の評価を得たように、ピンチヒッターってのはその人の本当の実力が出る場所だものね、今回の無双はきっと今後のルイマキセの活躍を保証するはず!!!!

いつもありがとう!!!これからも宙組をよろしくね!!!そしていずれはまゆぽんみたいにみんなで取り合いになるような専科さんになってね!!!!頼んだよ!!!



2役といえば、キキちゃんに部屋を貸してもらう渋いイケオジと、バーでイケメンをナンパしまくるオネエを超可愛く熱演してたりっつにもMVPを進呈したい。




あの可愛いりっつが映像に残らないだなんて…厳島神社を放火するみたいな愚行だよ!!!!!!!バカだね!!!!



他にもいろいろと楽しませていただきました。

観劇後のセリ美のリアルな興奮をプレイバック。















なんかずっとルイマキセルイマキセりっつルイマキセりっつルイマキセ言ってますけど、雪組さんでもこうして息子以外でたくさん楽しませていただけるといいなあァ…

宙組ってなにげにすごい実力高い子が多いんですよね。オールマイティー派がすごく多い。
コーラスはどこにも負けてないしね。


これからは雪組中心になるから予算的に宙組は回数減ってしまうけど、ずっと見守っているよ…




宙組最後に最高のメンバーで最高の作品を作れたこと、とてもとても幸せに思います…
息子に代わってここに母が御礼申し上げます。

雪組でも素敵な作品に出合えますよーに。



それでは皆さんメリークリスマ~ス!!!
ジングルベ~ルジングベール!




xmas



セリ美はこの前の誕生日に2日連続でケンタッキーを食べたけど、クリスマスもまだ食べるよ!!!
息子もクリスマス楽しめてるといいな…
すぐに雪組お稽古合流でそれどころじゃないか…がんばれぇぇぇ!!!