そろそろピークアウトと言われていたのに、宝塚への打撃もなかなかおさまりませんねえ。

しかもまた新たな株での市中感染
(何度聞いてもシチュー観戦に聞こえる…)が発見されたということで、これはもう中世ヨーロッパにおけるペストとか、歴史に出てくる疫病事件とほんとに同じなんだな、と感じますね。




シチュー観戦




かろうじて感染を免れて初日を迎えられる星組さん2チームも、予断を許さぬ状況ということで皆さん張りつめていることと思いますねえ。


絶対に感染してはならない!!という緊張感をもう2年も保ち続けて、外食もできずお友達と遊びに行くこともできず、組旅行や宴会も無く、どうやって仕事の疲れを癒してパワーチャージしているのでしょうか…
フェアリーは我々のようにいちいちチャージなぞせずとも霞を食べるだけであの輝きをキープできるのだろうとも思いますが。


みんな元気に楽しくお仕事しててくれてるといいなァ。




そんな中でも、雪組さんに関してはオデッセイの仕切り直しが発表されたり、うちの息子の東上がついに決定して、嬉しいニュースに救われます。



もちろん、「東上するよ!!!!」とヅカ友さんから第一報もらって公式見た時に「ああ……ついに…!!ついにこの日が…!!!」という感動はありました。

初めてのメイン場面、初めてのパレード一人降り、初めての銀橋一人渡り、初めての肩羽根、初めての別箱2番手、初めてのバウ主演。

セリ美の初恋にして永遠の憧れのお方、ミズさまの下僕にならせていただいた時、ミズさまは既に2番手であらせられましたので、こうやってひとつひとつトップへの階段を昇っていく生徒さんを応援することが初めてであるセリ美にとって「ああ、これがヅカファンの醍醐味のひとつなのね」と噛みしめてはおりますが、正直な気持ちを打ち明けますと…




「オデッセイに出ないいいいいいいいい」



という気持ちも大きかったデス……


走攻守なんでもトップレベルの息子ですけども、やっぱり「水を得た魚」だと思うのは踊ってる時なので、まぁ様のコンサート以来になるダンス公演への出演は、それはそれはもうセリ美は鼻の穴膨らませて肩ぐるんぐるんぶん回していたわけです。

それが完全中止になった時のあの虚無感といったらもう……



それでも、「完璧にお稽古してお衣装も作ってセットも全部用意していた作品を丸ごとお蔵入りさせるわけがない!夢介後に絶対に公演する!!!!」と信じて疑わなかったわけで、実際にそうなったわけですが、まさかの肝心の息子が出ないという。。。。



いや、それもなんとなく感じては、いた。


夢介後の別箱主演って…ダレだろ?って考えた時に、あーさもあがたもやったばっかりだし、あやなちゃん…?なんて思っていたらまさかの退団発表。

夢千鳥だって割と最近だけど、息子以外に別箱主演する生徒さんが思い浮かばないから、「雪組3番手への手始めにそろそろ東上かなあ…」とは思っていましたが、まさかオデッセイを蹴って別箱主演になるとは……


しかも、なぜか和モノ2連発。珍しいですよね~、別箱主演で和モノ2連発って。

「雪組の和希としてやっていくなら、この辺で和モノど真ん中をみっちり叩き込んでもらおう!」っていうPの魂胆なんでしょうけども、う~ん、せめて、せめて新作が観たかったなァ~なんて贅沢を言っちゃう強欲な母。



いやいや、恋の大和路が超名作であることは研24直前のセリ美、もちろん存じておりますとも。

「あゆみぃぃぃぃぃ~~~つづけてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」というカゲソロが秀逸なあの猛吹雪の遭難場面はとても印象的ですもんね。



セリ美がいちばん知っているのは、1998年公演。
雪組の汐風 幸(しおかぜ こう)さん主演のやつですね。
1998年はセリ美が宝塚に出合った年ですから、まだまだ全然別箱に足を運ぶなんて敷居が高すぎて、スカステでの初めての大和路がコウちゃんということですね。


マイ・ファースト大和路。皆さんはどの忠兵衛はんがはじめましてですか。


エリザもそうですが、「ヅカオタ刷り込み理論」というのがありますよね。
初めて見たトートを親だと思い込む。初めて出会った閣下を超える閣下にはそうそう出会わない、ってやつ。

これはエリザに限らず再演モノすべてに当てはまる理論ですね。


例えば、メラコリ。

セリ美のマイ・ファーストメラコリはヤンミキでしたので(もちろんスカステ)、やっぱり「メラコリと言えば?」と問われれば「ヤンミキ」と答えます。(Greatest Moment泣いた…!!!)
まぁ様まかぜも素晴らしかったですけどね~。



まぁそんなヅカオタ刷り込み理論で、セリ美にとっての「心中・恋の大和路」っつったらコウちゃんが出てくるわけです。

しかも、この汐風 幸さん、歌舞伎役者の片岡仁左衛門さんの娘さんであり、心中・恋の大和路は「曾根崎心中」という歌舞伎演目を軸にしてありますので、お父様の片岡仁左衛門さんも歌舞伎で忠兵衛を演じていて、しかも「当たり役」と呼ばれているほど仁左衛門さん=忠兵衛、なわけです。


親子で、しかも父と娘が同じ役を演じるって、仁左衛門/コウちゃん親子ならではの、歌舞伎役者を父に持つ男役スターならではの、めちゃくちゃ興味深い現象ですよね。

劇団、よくやった!!!!!


人間国宝を父に持つコウちゃん、さすがDNAだわ…!と感心してしまいますが、めちゃくちゃ芝居巧者なんですね。
お顔立ちも和モノ化粧が映える涼やかな和風美人ですし、コウちゃんに大和路やらせない理由がない!!!って感じです。


ちなみに、先日宙組さんが全ツという名の九州以南ツアーで演じた『バロンの末裔』で亜音くんが演じていたヘンリーという少年、初演ではコウちゃんが演じていて、「やっぱり巧いなぁぁぁぁぁ~~~」と唸ってしまうほどの巧さでした。


バロンの末裔はキャラクターがみんな素敵で正塚作品の中ではかなりの良作だと思いますが、映像で初演バロンを観た時に「MVPはコウちゃんだな~」と思うほど、際立って巧かったですね。


コウちゃん、新専科に行かれたあとは女役も演じられたりして、内面から漂う気品があって何をやっても素晴らしかった。




「いちばん芝居が巧かったスターさんは?」と訊かれれば、コウちゃんか彩吹ゆみちゃんか甲乙つけがたいところ。そのくらい、セリ美の中ではコウちゃんは「芝居の人」です。





その!!!コウちゃんの代表作!!!恋の大和路を!!!!!

息子が!!!!!!!!!!!!!!!!!!



いや~~~~~なんか「恐れ入ります……」という気持ちです、今は。

しかも、初めての和モノ作品を夢二で経験できたとはいえ、メイクも髪型も所作もやっぱり大正時代なので「和モノど真ん中」という位置づけでもない。
日本人はハポンでも演じていたけど、あの役も「和モノど真ん中」ではない。


ああ、夢介も日本人か。少年だけど。



三太



やっぱり宝塚の雪組に受け継がれる「和モノ」って江戸の青天が「ど真ん中」かなと思うので、まさに今回の大和路がそれにあたるかなと思います。




青天………


白鷺で一応かぶってますけどねえ……


に、に、似合………う、
とは………言え………n





いや!!!!
息子のポテンシャルはいつだって我々の想像を遥か超えるではないか!!!!!!
夢二だって「竹久夢二か…う~ん」と思ったけど、あの仕上がりですよ!!!
天才でしかないわ!!!!!!


きっと忠兵衛はんも「白鷺であの青天だったあの子が…!!!!泣」ってなるに決まってる、そうさ違いない!!!!と息子を信じてオデッセイ号を雪山で見送ります……ヨーソロ~~…




odessey乗り遅れ

↑これさえ叶わなかった無念…





あんなに乗りたかったオデッセイ号に後ろ髪を引かれる想いはあれど、でも「和希には悲劇を」と考えてくれてる劇団やPには感謝しているんです。


一見、息子のキャラクターを思うと明るく楽しく、元気いっぱいの役があてられそうですが、夢二にしろ忠兵衛にしろ、悲劇中の悲劇をやらせてくれてるのは「お見事!!!」と拍手喝采です。



息子って悲劇役者だと思うんです、セリ美は。
キキちゃん曰く「みんなに孫みたいに可愛がられてる」息子ですが、その見た目とは真逆の秘めたる闇を深淵に持っているからこそ、「やる気!元気!和希!」という面を前面に押し出しているように見えて。


久しく行われていない(泣)お茶会でも、明るく話すその裏にふとした瞬間に見えるシリアスな空気があって、その危なっかしい感じがまさに息子の魅力だと分析しているわけです、母として。


その深淵の闇が、悲劇を演じるときに大爆発するんですよね。
じゅっちゃんぶん殴ってる時の狂気の目、いや~~あれはただもんじゃないね。


とにかく悲劇こそ息子の真骨頂だと思ってるので、壮絶な悲劇をやらせてくれたことには感謝しておりますです。





でもおおおおおおおおおおおその真骨頂をさらに上回るほどの真骨頂ってやっぱりダンスだと思うのでえええええええええオデッセイにいいいいいいいいい乗船してほしかったんですううううううううううううぅぅぅ……






石蹴り





みんながみんな東上で主演できるわけじゃないのに、贅沢言っちゃいけませんよね…



とにかく今は夢介が無事に初日を迎えられるのを願うことと、雪組ショーで炸裂するであろうあの名ダンサーぶりに期待を高まらせておきたいと思います。









最後にちょっと「日本昔ばなし」みたいな、こぼれ話を。

仕事戻りたくないからってこうやって雑記を書き続けてしまうダメさ加減。

仕事めっちゃ溜まってるんだよなあ……
いや、有難いことですほんと。




前回のブログでちょこっと書いた、日課のウォーキングでいつも通るお地蔵さん。
正しくは「おキツネさん」と勝手に呼ばせていただいてるんですが、お地蔵さんが祀られてるんじゃなくて、キツネっぽい形をした石が高さ40センチくらいの小さな祠の中に祀られてるんですね。

キツネの石像があるわけじゃなくて、「言われてみればキツネの形に見えなくもない」みたいな石がご神体?なんですが、たぶんこの地域の皆さんが何十年(何百年?)も昔から大切に祀ってきた可愛らしい石なんです。
古代の遺跡に残ってるような古めかしい石なんですが、逆にそれがロマンを感じてセリ美はすごく好きなんです、このおキツネさん。



で、前回書いたように、いつもここに枯れ切ったお花が供えてあったので、「綺麗なお花をいつもお供えしたいな」という想いから、セリ美が勝手に「おキツネさんのお花担当」を自称して、ちょうど1月末くらいにお花を頂くことがありまして、そのお花をおキツネさんにお供えしたんですね。

枯れたお花が入っていたところに綺麗なブルー系のお花を入れましてね。


で、これもいつぞやに書いた、お茶や料理に使うととても美味しくなる湧き水も家から持って行って、瓶の中に満たしたんです。
山のミネラルたっぷりだから水道水よりいいだろう、と思って。





翌日。

自分が飾った綺麗なお花で道行く人たちやおキツネさんが喜んでくれてるといいな~なんつってウォーキングに出たんですね。


そしたら!瓶の中の水がすっかり無くなっている!!!!!



あんれまあ!!!!


湧き水があまりに美味しくておキツネさんが飲んじゃったか、お花がぐんぐん吸っちゃったのかな!なんて思ったんですが、牛乳瓶ほどの大きさの瓶に入れたお水が24時間ですっかり無くなるなんて、さすがにおかしい。


誰かがいたずらでお水を捨てちゃった…?とも思いましたが、いたずらするなら花ごとどっかに放り捨てるはずなので、おかしいな~なんだろう?と思い、その日も持って来ていた湧き水をすぐに足しました。






で、翌日。

ドキドキしながらおキツネさんへ。









花瓶が倒れてる…!!!!!





そうか、風で倒れちゃうんだ!!!と判明しました。

確かにあまり安定感は無い。

セリ美は割とたっぷりお花を生けたので、その重みもあって風に煽られちゃったのか~と分かりました。
昨日、お水がなくなったまま花瓶が立っていたのは、たぶん誰かが立ててくれたんだろうな、と。


そうか、お花をたっぷり入れると倒れちゃうのか…じゃあどうやって固定しよう…?
とりあえず今はお水しか持って来てないので、一旦家に帰ってじっくり考えてみました。



「花瓶の下部が入るくらいの穴を掘る…?でも祠のある場所に穴を掘るってなんだかなあ…」

「お店で出てくるコップの冷酒みたいに、升みたいなものに花瓶を入れる…?でもそこに雨水とか虫とか入りそうで嫌だなあ…」



結局名案が浮かばないまま、また翌日。



「おキツネさん、どうしましょうかねえ…」と祠を見てみたら…

花瓶の横に石が添えてある!!!!!




きっと倒れてた花瓶を立ててくれた人だ!!!!!そう直感で思いました。

そうか、大きめの石で花瓶を囲えばいいだけのことか!と答えが見つかったと同時に、あんなに枯れ切ったお花しかお供えされてなかったおキツネさんに、セリ美が派手なお花を飾ったことで、おキツネさんを気にかけてくれる人が現れたのかも!ととても嬉しくなりました。


でも、その石は正直言って花瓶を固定できるほどの大きさはなくて、少し物足りなかったんです。これだと強風ならまたきっと倒れてしまう。


あれ…?気のせいかな?もしかしてはじめから石はここにあっただけでセリ美が気付いてなかっただけかもしれない…と思い始め、「セリ美以外にお花担当がいてくれてる」という可能性を過信することなく、まぁとにかく「大きめの石で囲えばいい」という答えが見つかり、もう少し安定感のあるどっしりした石を探そう!と地面を凝視しながらウォーキングを再開しました。


道中、小川の中にあったちょうどいい大きさの石が見えて、「ああ水で綺麗になってるだろうし、あれがいいや!」と石を持ちあげてみたら裏側に小さいタニシみたいな黒い貝がびっしりくっついていて、「ぎやああああああ」とかなったりしながら、なんとかちょうどいい石を確保しました。


「よし、これで花瓶固定対策はバッチリ!」と思い、「おキツネさ~ん、いい石ありましたよ~」と帰り道でもう一度おキツネさんのところへ立ち寄り、花瓶の横にぴったりハマって大満足。


でももうひとつ気がかりがありました。タニシです。


「そういえばあのタニシ…セリ美が石をひっくり返しちゃってあのまま干からびちゃって死んじゃったら申し訳ないから、ちゃんと水に浸かるように戻してこよう」


と、「ぎやああああ」となった現場へ。
さっきセリ美がひっくり返してから20分くらい経ってたかな。



なんと!!既にタニシたちは水に浸かる側に総移動完了してました!


意外と素早いんですね、タニシ…
いやタニシなのかどうか知らんけど。

川に貝なんているのかしら?
でもどう見ても貝だったんだよなあ…黒い巻貝みたいな。


ちなみにその小川には魚も特に泳いでなくて、ザリガニ的なのも見たことないなァ。すごく綺麗な水なんですけどね。

タニシがいてなにかしらの生態系があるんだとしたら、タニシ以外にも絶対生物はいるはずですよね~~。



まぁタニシの話はどうでもいいわ。







で、「これで花瓶は倒れなくなった!!」と満足げに翌日またおキツネさんのところへ行ったんです。


遠目に花瓶が見えてきて…うん!倒れてない!
お水もしっかり入っ………?!?!



なんと、なんと!!!!!


水仙の花が花瓶に追加されているではないか……!!!!!!!


やっぱりあの石は誰かが置いてくれたんだ!!!その人が「私もお花入れますね」と今が旬の水仙を入れてくれたんだ!!!!!!



セリ美がお花を生けたのは1月末。さすがにそのお花たちも2週間を超え、そろそろ限界かな…という状況だったので、次に入れるお花どうしよう…と思っていたところでした!

なんとまぁ新鮮な水仙がたくさん!!!!
(あ、韻踏んじゃった)






なんか……顔も知らない誰かとの文通みたいじゃないですか……?


セリ美がお花を生け、
倒れた花瓶を誰かが起こし、
無くなったお水をセリ美が足し、
花瓶が倒れないように誰かが石を置き、
セリ美が更に補強し、
新しいお花を誰かが生け。


どこぞのじいちゃんかばあちゃんかおっさんかおばちゃんか分かりませんけども、いや、全部同一人物じゃないかもしれない!
部活帰りの少年が花瓶を起こして夜勤帰りのおっちゃんが石を置いて早朝ウォーキングのおばあちゃんが水仙を生けてくれたのかもしれない。
どこの誰かは知らないけれど、「一緒におキツネさんを綺麗にしましょうね」という気持ち、届いてるよーーーー!!!!



セリ美がお花担当になる前まではあんなに枯れ切ったお花が放置されてたというのに、今のこの華やかさはどうでしょう!!!!!


前回のブログで「善と悪の闘い」という内容を書きましたけど、やっぱり人間まだまだ捨てたもんじゃない!!!
タバコや空き缶をあんな風に平気で捨てていく輩がいる一方で、「みんなでおキツネさんを、この町を綺麗にしようね!」というセリ美の動きが善チームを召喚したわけです!!!




あーーーーー生きてるって素晴らしい。

なんか、今度「お花、ありがとうございます」なんてメモをおキツネさんのところに置いといたら本気で文通が始まりそうな勢いじゃない?



どうしようーーーーー
それがミズさまだったらーーーーー!!!!!







なんでミズさまが愛知の片田舎を毎日散歩してんだっつーの。
いい加減にしろ。どうもありがとうございました!








なんかこれ絵本になりそうな話じゃない??
『セリ美どんとおキツネさん』っつって。




さ、仕事、仕事。

それではまた~~~








ひとこのDC、チケット無いねえ……