お待たせいたしやした!!!


夢介初日から3泊4日の授業参観遠征から戻り、溜まりに溜まった仕事をようやくいまやっつけました!!!
今週末はもう冬霞&TOP HAT遠征が待ってるので、どうしても今日中にやっつけないと!!とめっちゃ追い込まれておりました。はーー疲れた。



さて、いつもならどうでもいい話を導入文にして散々しゃべってようやく本題に入るんですが、今回はさっそくレポに参りましょうか。




贔屓が組替えになるという状況は実に15年ぶりでして、そんなにしょっちゅうできる経験でもありませんのでね、この緊張感を楽しみたいと思いまして、いつもよりたくさんのチケットを取りました。8回ですね。まだ増えるかもしれないけど。それでもほとんどがBB席ですけどもね。


でもたった2000円であんなに美しくて楽しくて、大活躍している贔屓が観られるなんて最高ですよねえ。

一三先生の「子供のお小遣いで観られる席を」というお考えが現在にも受け継がれているのだと思っております。
宝塚も時代の波に逆らえずじわりじわりと各席値上げされてきてはおりますが、それでもあのフルカラーの公演プログラムがたった千円だとか(外部だと数ページで3000円とかですよね)、あんなに豪華な衣装やセットを使っていて生オーケストラなのにあの価格帯というのは、ミュージカル界においては格安ですよねえ。本当に有難いことでございます。


宝塚=金持ちマダムの趣味、みたいなイメージがいまだに世間的にはあるようですが、いやいやむしろ貧乏人でも楽しめる趣味だろうが!!と思いますけどねえ。

そりゃあお金をかけようと思えばどこまでだってかけられる世界ではありますけどね。大人会とかね。

深く入り込もうと思えばどこまででも深入りできる世界ではあるけども、研24を迎えようとしているセリ美的には、いやいや深く入り込まずに、贔屓を誰と決めずに、広く浅く楽しむのがいちばんストレス無いように感じるここ数年ですね。




まぁそんなことで、BB席専科とはいえ8回控えているわけですから、つまりいつにも増して貧乏というわけです。
「遠征先ではできる限り財布に触らない」を心がけ、家から5個も6個も同じ味の握り飯を持ってきて夏場は水筒2本、5キロ超えのリュックを背負って花の道を往復するという修行のような遠征生活を送るのがセリ美的遠征なんですが、最近は加齢のせいかドミトリールーム(いわゆる大部屋)での宿泊がキツくなってきてましてねえ。めっちゃ安くて綺麗なホステルいっぱいあるんですけどね。


夜中にお腹が痛くてトイレ往復するとか、お風呂上りにいろんなものを塗ったり腹巻を何枚も着たりとか面倒なことが増え、皆さんが寝静まってる部屋でそのようにバタバタするのが申し訳なくなってきて、この1年ほどはちゃんと個室の部屋を取ることが多くなっています。

しかし今回ばかりはそうも言ってられん!!!と久しぶりの大部屋を予約して3泊4日を過ごす予定でおりました。




…なのに。
前日から月のものがやってきてしまいまして……セリ美43歳、旅先でばっちり2日目にあたるというのは初めてのことでした。
ホステルだと共同シャワーになるので、ちょっといろいろとあかんなぁ…と思い、急きょ個室のホテルに変更しよう!と探しまして、でもやっぱりお金は無い。

ブッキングドットコムで出てきた最安値の個室ホテルは1泊2400円。
新規登録施設ということで、クチコミは無い。
ホテル内の画像もあんまり無い。
立地はまぁそれほど悪くない(遠征組の皆さん、西成区とかは避けてくださいね)。


う~~~ん、不安要素しかないけど、背に腹は代えられぬ。
これも息子のためよ!!行ってみよう!!!ということで、恐る恐る訪ねてみました。









え~~~~~~~~と、これは刑務所、かな??
恵美須町刑務所なんてあったっけ…?

刑務所の中でも極悪人が投獄される独房のような部屋でしてね…
何もない真四角の部屋に、いかにも自家製の洗濯をしたシーツを敷いた布団が1組敷いてあって、ちゃぶ台が1台、そこにバスタオルが置いてある。その布団のすぐそばにユニットバスがあるだけの部屋。
畳敷きなんだけど外国人がたぶん土足で入ってるのだろう、きったない畳。
謎の掛け軸があって、恐る恐るその後ろを覗いてみたら大きな穴がぼっこり…
よく怪しいホテルとかに盗撮用の穴が空いてるとか聞きますが、とりあえず掛け軸がかかってるのでそういう穴ではなさそうだ。

どれくらいの独居房感があるのかお伝えしたかったんですが、晒しちゃうのはいけないかなと写真は撮りませんでした……



でも、妙に感じのいいオーナー。
カタコトの中国人なんですけどすごく愛想が良くて、チェックインは22時までだったんですがセリ美が少し遅れてしまって先に電話したら「ハイハイワカリマチタ~鍵は部屋に入れておくのでドウゾ~お部屋は201デス~」って、大抵のホステルはチェックイン可能時間に遅れるとレイトチェックイン料で千円取られたり、いろいろとルール違反として扱われてしまうので、「ハイハイワカリマチタ~」っていう緩い感じはすごく助かりました。


支払いだって普通はチェックイン時に先払いなんですが、何だか知らんけどそこは何時だろうと誰もスタッフがいなくて、2泊を過ぎても誰も請求にも来ない。

え~そんなの日本人じゃなかったらみんな支払わずにすっとぼけて帰っちゃうよ~とびっくりでした。


さすがにこのまま誰にも会えずにチェックアウト日になっちゃったらいけないので、また電話して「あのう…支払いは…」と訊いたらあのオーナーがまた電話で「あ~お金はミナサンお部屋に置いてイカレマス~」という驚きの支払いルール。客を信用しすぎでしょ!


まぁ別にそれでも良かったんですけどセリ美はお釣りが欲しかったので「あ~お釣りが必要なんですけども…」と言ったら「ア~ソウデスカ~ジャア今から行きますのでチョト待っててクダサイ~」と言われ、部屋でゆっくりしてたら30分ほどしてノックの音が。

とてもにこやかな中国人のオーナーさんが立っていて、「細かくナッチャウンデスケドイイデスカ~」と5円玉とかいろいろ混ぜてしっかりお釣りをくれました。きちんと領収書もくれました。
そこにあったホテル名はブッキングドットコムで見たホテル名ではなく、「喬野商事」。なんと読むんでしょうねえ?きょうの?中国語由来なんでしょうね。


それでその時に世間話風に、「こちらはいつもスタッフの方がいらっしゃらないですけど、夜中とかも下の玄関の鍵は開けっ放しでいいんですか?」と訊いたら、「あ、開けててクダサイ~他に住んでる人が、夜入れなくナッチャウノデ~」という返答。

…住んでる人?泊まってる人じゃなくて?

う~ん、どうやらここはホテルではなくて…マンスリーマンション的な施設なのかもしれない。なんなら違法滞在の外国人が住んでるところ、とか?
それで1室空きが出たからブッキングドットコムに出してホテルとして売ってるのかしらねえ。

でも何時だろうと全然人がいる物音もしなくて、謎すぎる施設でした。


シーツもタオルもたぶん自家製の洗濯だし、掃除もたぶんあのオーナーがササっと済ませるだけなんだろうから、決して清潔ではないです。そして鍵もそのように開けっ放しなので、防犯的にも絶対良くない。
かろうじてユニットバスに置いてあったシャンプーはTSUBAKI、ボディーシャンプーもビオレでしたけど、中身は完全に違いました。
むかし温泉とかに置いてあったような透明の液体のやつで、使うとバリバリになっちゃう系のやつですね。


でも、あのチェックイン時間や支払いが適当な感じは決して嫌いじゃなかったです。
あれでオーナーが感じ悪かったらサイアクでしたけど、ニコニコして「アリガトゴジャイマス~」っていう感じなのでそれに免じて、ってところですかね。

セリ美もホステルに慣れているので自前スリッパとかタオルとかトリートメントとか持ち歩いてますし、汚いながらもまぁなんとか息子のために独房でひたすらがんばりました。





さぁ、ホテルレポはこの辺にして夢介の話にいきましょう。




そうね~~~
もうずっとみじめで貧乏で誰かが死んでただいもん時代とはこうも変わりますか!!!って感じでしたね。

一言で言えば、演歌歌手が明治座とかでやるリサイタルの第1幕って感じかな。




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観るたびに精神が削られるようなだいもん作品とは180度違うので、まぁ気楽に観られる感じでいいんじゃないですかね。
セリ美は全然好きじゃないですけどね。
なにせダーイシのギャグセンスが無さ過ぎるんだよねえ…ハッスルの青汁コーナーもスベリ倒してましたからね。
コメディーで笑えないって致命的では……




それでも、「退屈」ではないのが救いですね。
笑っちゃうほど素っ頓狂な設定でもないし起承転結があるわけでもないしエンディングも「結局なにがしたかったの?」っていうハポンみたいなのはもう救いようがないほど退屈で安眠にもってこいですけど、そういう作品ではないです。

そもそもしっかりした原作がありますもんね。桃太郎侍とか遠山の金さんとかを作ったような手腕の先生の作品ですから退屈にしようがないわけで、それでもあんなに笑いどころが少ないのはひとえにダーイシのセンスの無さですけどもね。


それでも、咲ちゃんやきわちゃん、あーさ、息子、あやなちゃん、あがたという今の雪組を構成する主要生徒の個性をしっかり活かしきれていたので、適材適所感はバッチリでした。

「牛みたいにボー――――っとした」夢介はおおらかそうな咲ちゃんにぴったりですし、気が強くてちゃきちゃきして咲ちゃんに首ったけのお銀はきわちゃんにぴったりですし、「なにせこの顔、この器量。モテてモテてしょうがない」総太郎はあーさじゃなきゃ言えない台詞だし、研13にもなろうってのにあのやんちゃ坊主感・少年っぽさが魅力の息子によくも17歳の三太をやらせたし、悪いことをするしかない環境ながらも女房を大事にして、最後には改心して真っ当な人生を生きるあやなちゃんも最後のお役として最高だし、破天荒で江戸っ子の遊び人の金さんは粗削りで大胆な個性が光るあがたにぴったり。

この布陣を見て「夢介、いいんじゃない?」としたのは、今回ダーイシのいちばんのグッジョブだったと思います。


決して退屈ではないし、母としてもちょこちょことちょうどいいタイミングで息子も出てくるし、これなら8回観ても大丈夫だなと思えました。
決して好きではないですけどね。




個人的に気になったのはちょっと設定にブレが多いかな。
咲ちゃんは「んだ~、んだ~、そうだべさ~」って「小学生が考える田舎者」みたいな安直な方言をずっと喋っているのに、咲ちゃんの実家の使用人である汝鳥さんはそこまで訛ってないとか、江戸での話なのにあんまり江戸弁を話してる人がいないとか(浅草出身のセリ美はそういうところ気になる)(あがたがいちばんいい江戸弁だった)、遊び人の金さんはお奉行所でのお仕事を「性に合わねえ」と放棄して遊びまわっていて、伯父さんから「そろそろお前も奉行の仕事を継いでくれ」とさっき言われたばっかりなのにもうお裁きのために出廷してきたり、「もうちょっとこだわって作ろうよダーイシ」という点が多かったですね。


たとえ気軽なコメディーだとしてもそういうのすごい気になるんですよね~。特に方言くらいはどうにかしましょうぜ。

小田原って確かに「~だべ」って方言あると思いますけど、咲ちゃんが喋る方言はまるで東北や沖縄の方言のように全部の単語が尻上がりになっちゃうような(スカステでのカテコ挨拶もめっちゃ訛ってませんでした?笑)喋り方で、「田舎者感」を出したかったんでしょうけど「小田原でそこまで訛らないだろ!」という違和感はずっとありました。


あとは、ダーイシの単語のチョイスもセンス無いなと思う部分もずいぶんありました。
セリ美ならこういう台詞にするのに、センス無いな~と。
きわちゃんが咲ちゃんに惚れた直後に歌う演歌調の「惚れちゃったのさァ~」の歌の歌詞もなんかイマイチ。

エンディングで3本締めがありますが(客席も明るくなって一緒に3本締めをする)、つまり日本語ってすごく3とか5とか7とかで単語を区切って語呂やリズムを良くする言語なので、(俳句とかもそうですよね)もうちょっと言葉遊びみたいな、言葉を扱う仕事として「なるほど!」というセンスを見せてほしかった。

例えばくーみんが残した名言「美しいものを見ることには価値がある」とか、まったく難しい単語なんて使ってないのにすごい強烈な印象じゃないですか。

やっぱりそうやって自由自在に単語を扱えるセンスがないとコメディーは無理なんじゃないかなダーイシ。




ウケ狙いの場面だって、「セリ美ならこうするのに!」ってところがずいぶんあったなぁ。
例えば、諸事情があって朝帰りした咲ちゃんをきわちゃんが責める場面。

その一部始終を息子が押し入れに隠れて覗いているんですが、きわちゃんが咲ちゃんのことをケンケン責めてるところを面白がって息子は襖の隙間からニヤニヤ眺めていて、でも結局きわちゃんが「そんなお前さんが大好きなのさ…♡」ってなっちゃって、喧嘩が終わってつまんないから息子は隠れていた押し入れから「なんだよつまんねえな、喧嘩おしまいかよ」って出てくるんですね。

押し入れに三太がいたなんて知らない咲ちゃんはビックリするわけですが、どうせ咲ちゃんがビックリするなら、三太は「邪魔すんで~!」と言わんばかりに押し入れの襖を勢いよくスパーーーーーン!!!と開けて出てくると咲ちゃんはもっと驚くわけで、もっとウケるのにな~~なんて思いました。
ま、もしかしたらセットの関係でスパーーーーーン!ができなかったのかもしれないんですけどね。

どうせ新喜劇的なコメディーならもっとコテコテ新喜劇風にしたらいいのに、と。



夢介がまた他の女と一緒にいたことをきわちゃんに報告しに来た三太にきわちゃんが「早く先を言いな!!」とチョークスリーパーをキメる場面も、



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どうせならチョークスリーパーだけじゃなくて、「お銀ねえさんには敵わない三太坊主」という関係性をもっと強調するためにも、もっと過激な技をかけてもいいのにな、とか。
悪事で生計を立てているお銀姐さんならチョークスリーパー以外の技だって絶対持ってるはずで。チョークスリーパーからのコブラツイストでもいいですし。江戸時代にコブラツイストあったか知らんけど。



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こんなにプロレス技が出てくるヅカブログ無いやろな。ごめんなさいね。

でも三太の妹、お鶴ちゃんが弟の亀吉に2度もハリセンかましてますけど、江戸時代にツッコミ道具としてのハリセンがあったとも思えませんからね。それならコブラツイストだってアリですからね。


まだありますよ。
千両入っためっちゃ重い木箱を怪力の夢介が軽々と持ち上げて、床にそれを置いた時にドカーーン!と音がして、座っている皆さんがダチョウ俱楽部のように飛び上がるという場面だって、もっとダチョウさんっぽくわざとらしく飛び上がったら面白いのになー、とか。



「こうしたらもっと笑いが来るのに!」という部分がこのようにチラホラあったことも、もどかしいなあと思ってしまいました。



あと、ミュージカルだからもちろん台詞の間に歌が入るわけですが、なんか急に歌い出す感。
ヤクザにインネンつけられて咲ちゃんがしょっぴかれてしまい、番所で「オラぁ悪いことはなにもしてねえだ!」と潔白を説明する場面で急に歌い出すからとても変でした。

タモリさんはミュージカル嫌いで有名ですよね。その理由として「急に歌い出すからびっくりする」ということで、「ああタモさんはこういうのが素っ頓狂でついていけないんだろうな」と思ってしまうような変な入り方でした。


ミュージカルでなぜ歌うかって、メロディーに乗せたほうが感情表現が強調できるからとか、観客の印象に強く残るから、という理由が挙げられます。
例えばエリザの「私だけに」だって、台詞じゃなくて歌に乗せるからシシィの憤りや決意がこちらに強く伝わってきて印象に残るわけですよね。
それなのに、ダーイシが歌わせるとなんだか逆効果で、普通に台詞でやりとりしたほうがよっぽど自然でいいのに、変なの~と思ってしまいました。
ミュージカルだからどこかで歌を入れないとな、というやっつけ感。




とはいえ、ちゃんといいところもありましたよ!
いちばん好きだったのは、あーさ杏野さん妃華さんに深川マンボを踊らせたところですね。
あれは粋でしたねえ!!!
深川マンボって難しいと聞くのにお三方ともとてもお見事でしたし、振付も良かったし、音楽もドラムが効いててとても楽しかったし照明の使い方も斬新でした。

愛すみれさんの登場場面とかでミラーボール使っちゃうあたりも面白かったですね。

ハッスル青汁でスベり倒してたとはいえ、ボヘミアンラプソディーでは天才的な演出を見せてくれるなど、ダーイシは要所要所でたまに手腕を発揮するからなぁ。




まぁ職業柄もあったり、演出や脚本に神経質なセリ美は「何も考えずに楽しむ」みたいなことができないのであーだこーだ言ってますけども、でもおじさん演出家が落語を題材にして作品作るとか、こういう和モノを手がけるって、「おじさん演出家の正しい使い方」だと思うので、全体的には及第点、といったところです。





なにより、母としては息子の活躍がもう嬉しゅうて嬉しゅうて……




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あまりに親バカぶりを発揮すると批判されることもあると分かってはいるのですが、だってウェストサイドなんてもう何年前よ?!?!

あっっっっれだけの実力を見せつけても、ハッスルでチケ難になっても、夢千鳥でとんでもねえ悲劇役者ぶりを見せつけても、本公演では正直言ってあってもなくてもいいような役どころばっかりで、ようやくの銀橋一人渡りだって一瞬のうちに走り去ってしまうし、お正月ポートには入らないし、「なんで!!!!!」ということがとても多かった。


それが、雪組に来た途端にトップコンビさんと一緒に銀橋渡らせてもらって、しかも銀橋脇にトップコンビさんを待たせて息子のソロ歌唱から始まるとか、ストーリーテラーという重要な役どころを頂いたりとか、可愛い妹弟がいたりとか……







三太親子


もう有難くて有難くて、それだけで夢介は充分に楽しく観てられる!!!というのがほんとのところだったりしますね。


それでなくても、やっぱり息子は「万年反抗期」みたいな役どころが真骨頂ですなあ!!
やっぱりうちの息子はこうでなくっちゃ!!!
オイババア!って減らず口叩きながらも家族思いみたいなのが最高ですわ!!


親に捨てられたみなし子で、今で言う養護施設のようなところで育った三太やお銀ちゃんは結局真っ当な仕事に就けずにスリや悪事で生計を立ててるわけですが、「世の中にスネてねえで」と夢介に諭される場面で三太が急に反抗的なキツイ目になるところ、すごく巧いです。

「お前みたいな、親に甘やかされたことしかねえ田舎坊ちゃんに何がわかるんだよ!」っていう反抗的な目。


どうして息子は不幸な境遇とか病んでる役柄がこんなにぴったりくるのでしょうねえ。本人はまぁ多少神経質なところはありながらもポジティブでみんなに孫みたいに可愛がられる性格なのに、なんであんなにひねくれ者が似合うのでしょうか。舞台って不思議ですね。


ミズさまも悲劇役者ですが、息子も稀代の悲劇役者だと思いますよ。
だからこそ恋の大和路が来たんでしょうなと思います。
黒目がちでキラキラのおめめなのにどこか目の奥が鋭いのが本当に魅力的です。



最初は世の中を恨んで、人のものを盗みながらアンダーグラウンドなところで生きてきた三太が、夢介のまっすぐで純粋な生き方を見て影響され、自分もこんな大人になりたいなって思い始めて、いつの間にか「夢アニキ」って呼ぶのも地元の可愛い舎弟みたいですごく可愛いですよねえ。

ああー可愛い可愛い。
いつも妹弟たちと手を繋いであげてるのもほんと可愛い。あーー可愛い。

プロのライターが結局「可愛い」しか言えねえや。語彙を失わせるほどの可愛さ。


初日に咲ちゃんが「今回から雪組に加わった和希そら」と紹介してくれた時もなぜか「どーもー」って客席に手を振るという謎の行動もほんと可愛い。
紹介されて客席に手振った人はじめて見たわ。


ショーでもあーさと顔芸して遊んだりあやなちゃんに雪組ポーズ教わったりにわ組長と微笑み合ったり、ああ良かった皆さんと楽しそうにやってる!!と母はとても安心いたしました。



ショーということで、そろそろショーの話に行きましょうかね。




ショーは中村B先生。正直言って今まで中村B先生で好きなショー作品はありません。
良くもなく悪くもなく、というなんだかあんまり印象に残らない場面ばかりなイメージだったんですが、今回はその中でもだいぶいいほうなんじゃないかと思いますね。

今のところ中村B先生の代表作となっているファントムでもずいぶんと手の込んだプロジェクションマッピングで幕開きを盛り上げましたが、今回もやはり映像からスタート。

どこかの街が俯瞰で映って、道路を人や車が行き来ている様子を表している感じ。
あのY字路はたぶんマンハッタンかなあ。

要は「都会的」な空気感を出してるんだと思います。
プロローグは非常に都会的な衣装・楽曲・振付なのでね。

あのプロローグはなかなかシビれましたね~~。
男役さんはシルバーのスーツでそれぞれアクセントカラーの帽子や手袋を身につけています。息子は青チーム。
七分くらいの袖に手袋、とてもオシャレでした。



ま、オシャレといえば息子のあのピアスですよ。スチール写真にも写ってる、アレ。

んま~~~~~~~オシャレ!!!!


あんな2穴のシルバーピアスよく見つけてきたなあ!!
ショーで男役さんが耳につけるものってスワロフスキー系しか見たことなかったので、あれには唸らされました。

ミズさんもああいう小物使いがめっちゃお得意で、指先にフィンガーキャップみたいなものをつけてみたり、ネクタイにチェーンをつけてみたり、本当~~~~にオシャレでした。
私服もいつだってオシャレですしね。


セリ美が「好き!!!!」ってなるのに、「オシャレ」って必須要素でしてね。

息子はいつも髪色にしても髪型にしても私服にしても、オシャレですよねほんとに。
岡山の一体どこでそんなセンスを磨いたんだ!!っていうくらいに。


ああいうセンスもきっと雪組内で「和希さんすげえ!!!」って新鮮な風を吹かせているのかと思うと鼻が高いでございます。


あのオシャレさを振りまいて念願のゆっくり銀橋一人渡り。
「雪担の皆さん、これがうちの和希ですよ!!!どうですかすごいでしょう!!!」という気持ちで本当に誇らしく見守りました。
はぁ~~これが見たかった。
それでも月組なんかはもう「風間柚乃歌謡ショー」みたいになってるので、あそこまでの優遇ではまだないですけどもね。宙組時代に比べればすごく活躍なのでわがままは言いませぬ。


でも息子に限らず、中村B先生はとにかくバンバン銀橋を渡らせるのでね。
この前初ヒロインだった音彩唯ちゃんとかもバンバン渡らせるので、「銀橋なんてどんどん使おうぜ!」っていう考え方なんでしょうね。




プロローグの次の場面は、あがたのアカペラのようなすげえ難しいソロからスタート。
あれはきっと雪Pからの試練なんだろうな~と感じました。

あがたはどう見てもシンガーではなくダンサーなのに、中詰めで総踊りの時にもあがただけ一人踊らせずにソロ歌唱。
ご本人もきっと自分の大きな課題は歌だと知っているはずなので、これをPからの愛情だと受け止めて頑張っているのだと思います。
あがたは個性的だし目立つし、歌さえもっと安定すれば盤石なので頑張ってほしいですほんとに。


あがたのソロの後は息子も含めて皆さんが「キャラバン」の曲でまた手袋にモノトーンのスーツで踊ります。男役さんの手袋もなかなかいいですねえ。
あのモノトーンスーツもめっちゃオシャレだったなぁ~。


都会的でスタイリッシュなミズさまの下僕であるセリ美は、とにかく「スタイリッシュ」「洗練されているもの」が好きです。このセンセーショナルは全体的にスタイリッシュなのがすごく好きですね。

もっと欲を言えばもっとマニアックな楽曲だったり完成度の高い印象的な場面が欲しいところですけども、今までの中村B先生の作品を思うと、めっちゃ完成度高いほうだと思いますね。



次にあーさメインの場面を挟んで中詰めへと向かいます。
この始まり方も、まるでトップさんのようにオケボックスから諏訪さきちゃんが一人で出てきて歌い始めるので、宙組では考えられない使い方!!

この中詰めの衣装は好き嫌い分かれるような独特な色味。セリ美はすごく好きです!
特にトップコンビの衣装の色味がすごくすごく素敵!!!


諏訪さきちゃんを皮切りにここでもいろんな生徒さんがどんどん銀橋に出てきて歌い継ぎます。息子は夢白ちゃんと2人で。

「銀橋は選ばれし者しか渡れない神聖なものなのに!」という意見の人もいるでしょうし、「せっかくあるんだからどんどん使えばいいじゃん!」という人と分かれるでしょうねえ。



全員が本舞台に揃ってからはとにかく踊る踊る踊る!!
そうよ!!今の雪組はとにかくダンサー揃いなんだから踊らなきゃ嘘でしょ!!!

曲が1曲終わってそのまま曲が変わって盛り上がりに向かいますが、ここであーさと並んで踊る息子はなんだかいつも2人で顔芸で遊んでましたし、ある日はあーさの濃厚ウィンクを息子が被弾していました。
まだ初日あいて2日とかですよ?これが朝美絢か!!!!!!



そのあとはスーパーあやなタイム。
あやなちゃんの宝塚人生を歌った曲なので、あそこで泣いちゃうあやなちゃんファン、多いだろうなあ。


あやなちゃんに幸あれ~~~という気持ちになったら、さぁやってまいりました!!!!!!!!!!
スーパー息子タイム!!!!!!!!!!

どうだ!!!!この歌声、このダンス!!!!!すっげえだろーー!!!!!
と母はもう鼻の穴が膨らんじゃって大変でした。
しかもすごくいい曲なんですよね~~~。穏やかで壮大で。


この場面の役名を見ると、息子はプラズマ。咲ちゃんチームはオーロラ。
どなたか勘の鋭い方がツイで気付かれてましたけど、オーロラの原理って、宇から発されたプラズマ粒子が地球の国の大気圏にある原子や分子と衝突してできるものなんですって。

宙からやってきた和希が雪に突入してオーロラが生まれるってことですね。


いや~~中村B先生すげえじゃん!!めっちゃ考えてんじゃん!!!ってここでも中村B先生を見直しました。



しかも、そういう意味を込めたからなのか、この場面にはあーさもきわちゃんもオーロラチームとして出てるのに、最後のほうで咲ちゃんと息子にだけピンスポットが当たって、皆さんは静止してる中、2人だけで一瞬踊るんですよおおおおおおおおお

初日はあまりの活躍ぶりに動揺していたセリ美はそれに気づかなくって、そら友さんから終演後に言われて初めて気が付きました。
そら友さんも「え、私の幻?願望が幻覚になっちゃったのかな?」と言っていたほど、驚愕の演出でした。


相手役さんも2番手さんもいるのに、咲ちゃんと息子だけ、なぜ…?!?!とめっちゃ恐縮しまくったんですけど、このプラズマとオーロラの意味を知ったら、ああこの場面は「和希、宙組から雪組にようこそ!」っていう意味なのかと解って今や遠慮なく誇らしい気持ちで見させていただいてます。


そして皆さんが本舞台から捌けた後も咲ちゃんと息子だけが居残り。
愛すみれさんに歌っていただき、2人で素晴らしいデュエダンを見せてくれます。


こんなの母が泣かないわけがない!!!!!!

天下のトップさんと息子がこんなに一緒に組ませていただけるなんて…!!!!






daigoukyuu




トップになれるかなれないか、タイミングや運が大きく関わってくるその人事はもう神のみぞ知ることなので流れに身を任せるしかありませんけども、こうして宝塚を観に来たすべての人に「この子、すごいでしょーーーーー!!!!見てえええええええええ!!!!」と誇れることだけで母はもう思い残すことはござりませぬ…!!!!


息子は歌もお芝居もお顔もすべてパーフェクトヒューマンですけども、やっぱりダンスをさせたら天下一品です。


よくダンスを褒める表現で「キレッキレ!」とかって言いますけど、キレてるかどうかってセリ美は別に重要視していません。なぜならば、キレさせることはそれほど難しくない動きだと思うからです。ダンスやったことないけど。

それよりも、緩急のつけかたとか指先足先の軌道の描き方、首の使い方、胸の使い方、跳躍した時の上がる際のスピードと下りる際のスピードを変えるとか、もっともっと難しいことを、計算だけではなく生まれながらのグルーヴ感でこなしている人こそが「ダンサー」だと思っています。



それが和希そらなのです!!!!!!!



ああ、フルネーム書いてしまった…
検索されないようにフルネーム書かずにこれまでやってきたのに…



だから、やっぱり息子が「天才!!!」だと思うのは踊ってる時なんですよね~。
いや他もいろいろ天才的だけども。可愛がられる天才だし。

やっぱり、踊る息子が大好きだ!!!と思ったので、8枚チケット買って良かった~~東京では何枚買おうかな~~~東京にも刑務所ホテルあるといいな~~~





オーロラとプラズマの素晴らしい場面のあとはロケット。
ロケットガールとロケットボーイも複数名使うんですねえ。

今回のロケット衣装はあんまり好きじゃないですけど、振付が可愛かったです。
ここも手袋をしていて、黒い手袋がよく映える振付になっていました。

ロケットが始まって最初にソロ歌唱をする子がいるんですけど、そんなにシンガー!!という感じでもなく、なんでソロ歌唱だったんだろうなあ?



で、ワインレッドのドレスを着たきわちゃん中心の場面になりますが、こういうところが中村B先生の良くないところなんだよな~、なんて。
なんの個性も特徴もないっていうか…楽曲も振付もありきたり…

まぁこのあとの黒燕尾がいいから良しとしましょう。


ドラマチックな楽曲での黒燕尾はスタンダードでなかなか良かったです、が…2曲目が「黒い瞳」なんですね。
そういうところがちょっと…(結局また文句を言う)さっきも「キャラバン」使ったし、あんまりメジャーな曲は使わないでほしいんだよなあ…安直だから。
そりゃ黒い瞳は名曲だしショーに合うので使いやすいんでしょうけども…もうちょっと「この曲、なに?!素敵!!」って思うようなセンスいい曲を持って来てほしいよう。


それで黒燕尾のままもう一回スーパーあやなタイムのあと、また銀橋祭り。
息子は3人口にて銀橋渡り。
黒燕尾群舞→デュエダン→エトワールというのがスタンダードな流れだと思うんですが、まさか群舞のあとまたもう一回銀橋祭りがあるとは。ちょっと得した気分になりますね。


銀橋祭りでもうひと盛り上がりしたら、デュエダン。
お衣装はFire Feverのほうが好きだったな。きわちゃんのアシメドレス、大好きでした。



エトワールは有栖妃華ちゃん。可愛くて綺麗で本当にいい声ですねえ。


さぁ、息子の羽根は如何に?!?!と固唾を飲んで見守りましたが、そりゃあ組替え一発目ならまぁ肩羽根が妥当かな、と予想してました。
でもエトワール後の男役さんたちがもう既に肩羽根つけていたので、「え?息子も同じ肩羽根なのかな?……それともまさか!!!!」なんてちょっと動悸が激しくなったりもしましたが、少し豪華な肩羽根。まぁ妥当ですね。


それでも、今までならたぶんもえこちゃんと同じ肩羽根だったので、一人だけ少し豪華な肩羽根ってだけで母は大満足でございます。
これなら他の生徒さんファンもまぁ納得なんじゃないかと。





捨て場面無し!!!!と言えるほどではないけど、でもこれならお芝居ショー共に充分通える。
次回は大和路でたぶんフィナーレは無し、その次も一本モノなので少しだけフィナーレナンバーがつく程度、もう年内は踊る和希を充分堪能できなくなりますので、このセンセーショナルを死ぬほど堪能したいと存じます。刑務所から通いながら。



宙組さんはいまだに生え抜きトップが出ないほど「若手の育成上手」とは言えない手腕のP、月組はいつどんなキテレツ人事があるか分からない恐怖の組、ということを思えば、れーこちゃんひとこあみちゃんみちるちゃんと続々とスターさんを輸出してばかりの雪組さんならきっと息子のことも大切に育ててくれるはず。

ミズさんもきっと東京公演を観に来てくださるだろうし、きわちゃんや咲ちゃんあたりが「和希そらが来ました」ってミズさまにご紹介くださるでしょうから、きっとミズさまも息子に金言を授けてくださることでしょう。


ミズさまが息子にアドバイスを、なんてもうセリ美が世界で一番幸せ者じゃありませんか!!!!

母もどんどんチケ代稼いで刑務所で臭いメシ食って薄い布団に腰を痛めながらがんばって通わねば!!!!!





夢介ムラ遠征、あと4回!!!

また何か発見があったらレポしますね~~









sarah
いつも入る勇気が出ない憧れのSARAH








それでは!!!冬霞とTOP HAT遠征へ!!行ってきます!!!!!




観てすぐに梅田に向かわないといけない最終日、出やすい席じゃなかったので劇場スタッフさんに相談したら素晴らしい対応をしてくれました…いつもありがとう…!!