4月ですね~~

110期生もついに決まったようですし、なんとその中に天希かおり先生のお嬢さんがいらっしゃるとな!!しかもメディアの取材に「憧れのタカラジェンヌは和希さん」とお応えになったそうで……

なんと目の肥えたお嬢様……!!!




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天希先生と言えば息子の師匠ですので、師匠のお嬢様から憧れていただけるなんて…

そりゃ~あれだけの高い実力と努力と魅力を備えた子ですから、誰だって憧れちゃいますけどもね!!!!


しかし、天希先生の手腕ってすごいですよね~~
息子を筆頭に、希良々うみちゃん姉妹、あと月と星にも姉妹ジェンヌを輩出してますよねえ。

娘役さんなんて倍率高いのに4人も、しかも姉妹どちらかでもなく2人ともってのがすごい。


更に更に、息子も希良々うみちゃんもダンサー&シンガーという二刀流。
いやいや二刀流どころかお芝居だって素晴らしいですから、岡山からこんな実力の高い子を何人も送り出すなんて、高い指導力なんですねえ。


夢介レポで書き切れなかったですけど、希良々うみちゃんの活躍がもう素晴らしかった!!!
お芝居でもあやなちゃんの妻として色仕掛けで夢介を騙すんですが、シンガーなのでもう喋り声が既に綺麗なんですよねえ。


ショーでの活躍は当然ながら、幕開きのカゲソロまでやっちゃってますしもう無双してました。
あーさメインの場面では黒い衣装で踊りまくり、銀橋でそんなに激しく踊れるもんなの?!ってくらいめちゃくちゃかっこよく踊ってくれました。


男役さんに負けないくらい激しいダンスを踊れる娘役ってめっちゃかっこいいですよね。

可愛い顔してすんげえセンス良くバリバリ踊れるっていうそのギャップがもうたまらんです。結愛かれんちゃんもそうですけど。
あ、どちらも100期生だ。
100期生、すごいなぁぁぁ~。



まぁとにかく新たな天希ファミリーがまた一人増えたということで、しかも先生のお嬢様、しかも中卒一発合格!大注目ですねえ!!!



110期生はどうだったかまだ分かりませんが、なんか年々中卒合格者の人数って減ってるんですって?
それって何か意味があるんでしょうかねえ?
いつぐらいから、どれくらい減っていってるのかちょっとデータを集めてみようと思っていま収集中です。

中卒合格者の中での男役・娘役比率とか、入学後の成績とか気になりますよねえ。


またデータ完成したらここでご報告しますね。




あ、全然関係ないけどうめだ阪急に入ってたアトリエうかい、なんと3月いっぱいで退店だったんですってねぇ~~

いわゆる高級クッキーなんですが、この金額でも食べたい!と思わせる味で、年に1回くらいは奮発して買っていたのに残念です…



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↑これがうめだ阪急限定のクッキー缶で、もういつ行っても売り切れだったんです。平日でも。
これ以外のクッキーなら東京でも買えるのに、これはうめだ阪急限定なので、もう一生食べられない……

3月いっぱいで退店ということで、夢介初日遠征ついでに何度か行きましたがアトリエうかいファンがもう朝から100人とか並んでて、ぜん~~~ぜん買えませんでした。

こんなに人気なのになぜ退店してしまうの……



でも手ぶらで帰るのは癪にさわるので、高級ハッピーターン詰め合わせとたねやさんのふくみ天平を買って帰りました…


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このふくみ天平もめっちゃ美味しいですよね~~。
最中のあのさくさく感と香ばしい香り、大好き!
あんこも甘すぎなくてちょうどいい!

和菓子と言えばとらやさんがトップを走っていますけどもセリ美はたねやさん派です。
同系列のクラブハリエのバウムクーヘンも美味しいしね~。

でもバウムクーヘンと言えば実はユーハイムがかなり美味しかったりしますね。
普通に売ってるやつ。


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ユーハイムさんってディズニーランドで売ってるお土産のクッキーとかも手掛けてますが、特にこれがめっちゃ美味い!!!!


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今も売ってるのかなあ?ディズニーランド行くと自分用にこのクッキーを10個くらい買います!


バウムクーヘンと言えば北海道展とかで必ず売ってる三方六も美味しい!!!


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これは10年以上前に春野寿美礼さんイチオシということで知りました。
もっと身近なところで言えば、ファミマで売ってるこれも美味しい!!!


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昔のファミマってお弁当もスイーツもなんだかイマイチであんまり買わなかったけど今はずいぶん美味しくなりましたねえ!

コンビニで無駄遣いしちゃいけないからあんまり買う頻度は高くないけど、まぁファミレスとかでデザート食べたりするよりはマシかなと思って甘いもの食べたいときにお世話になります。


でもコンビニスイーツでは和菓子が充実してるローソンがいちばん好きですけどもね。



そういえば昨日夢でケーキバイキング行って抹茶のショートケーキをガツガツ食べてたけど、あのケーキ美味しかったなぁ~。
なんか夢でご馳走たらふく食べて「えへへ、もう食べられないよ~」って寝言いう幼稚園児みたいですけどもセリ美43歳。


ケーキと言えばトップさんがお茶会やるホテルニューオータニのショートケーキ、ほんと美味しいですね。
最上階のビュッフェレストラン(そりゃお高いよ…)でいろんなケーキが並んでて、メロンのショートケーキがいちばん美味しかったなァ~~~


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ワンピース1,500円とかなんとかのこのショートケーキが一口サイズとはいえ食べ放題って最高じゃないですか?!?!

このビュッフェ行くときはもうセリ美はご飯は腹半分にして、いつもケーキを死ぬほど食べます。

ステーキ3:天ぷら(その場で揚げてくれる)1:ピクルス1(めっちゃ美味しい):パンケーキ1:ケーキ5、ってところかな。腹11分目になっちゃってますけども。
そして夜にお腹壊すまでがセットです。


いつもクリスマスシーズンに東京のお友達と「ちょっとオシャレしてホテルビュッフェで贅沢しましょ会」がありまして、今まではニューオータニでしたけどさすがにちょっと高いので(ワンドリンクつけて2万くらい…)今年は他のホテルビュッフェに行こうと計画しています。

そのためにいつも貧乏遠征を実施してるわけですからね!!!



ちなみに去年はそのお友達と大阪のちょっとオシャレな串揚げ行ったなぁ。
そこも「ストップ」って言うまで揚げ続けてくれるスタイルなのでもちろん夜にお腹壊すまでがセットでした。


↓こちらです。凛さん。

https://tabelog.com/osaka/A2701/A270104/27032244/

創作串揚げなので、ただ素材を揚げただけじゃなくていろんな食材を組み合わせていて素晴らしかった。

特に、子持ち昆布の串揚げがサイコーだったなぁ~。
ウニのソースがかかってるんですよ~~
アンコールして3本も食べちゃった。

お店の人も感じ良かったし、金額もそんなにビックリするほどでもないし、オススメで~す。




ケーキにしろラーメンにしろ、行列に並んだりめっちゃ高いもの買うのが好きじゃないセリ美は、並ばずに入れて金額と味が見合っているものをいつも探しています。

その中でも平日に行く銀座ウェストが大好きで、ショートケーキやレモンパイもたまのご褒美として頂きます!おまけにドリンクおかわり自由だなんて…!!ロイヤルミルクティーが美味しいんだ!!今度また行こうっと!!









……いつもどうしてこう本題に入れないのでしょうか。

110期生の話をしていたのに、どうしてケーキの話をしているのでしょうか。






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いい加減に本題入ります。



えー先週末にTOP HAT&冬霞遠征をしてきました。


冬霞、ポスターが夢千鳥に負けないくらい素敵なのでずいぶんチケ難でしたねえ。

梅芸有料会員のセリ美は、「まぁ1枚くらいは融通利かせてくれるだろう」と思っていたら見事に総スカン。

「会員、更新しますか?」と案内が来たので、「するかボケェェェ!!!」とガン無視してやりました。


宝塚カモの会にも入っていないので、これはもうご縁がなかったってことだから諦めよう、と思っていたら天から降ってきまして、TOP HATと併せて行けることになりました神様ありがとう。




冬霞、大注目の新人演出家の指田しゅこ先生の2作品目です!!!
デビュー作である龍の宮は、まさか浦島太郎をあんな風に昇華させてしまうなんて…
宝塚っぽくない雰囲気やヒロイン像も斬新で素晴らしかったし、異世界で翻弄される青年がせおにピッタリでしたねえ。


「しゅこ先生、今度こそ絶対に観に行く!!!」と心に決めていたので、無事に観られて本当に良かったです。



軸になっているのはアイスキュロスの「オレステイア」とな!!!
仕事で少しオレステイアについて書いたので、よろしければこちらもどうぞ↓↓


https://zuka-note.com/archives/13194



アイスキュロスって古代ギリシアの「三大悲劇作家」なので、人間の罪や愚かさを描くのが得意な劇作家です。

しかも、このオレステイアは姉弟の話なので、ロマンス要素が無いわけでしてね。
宝塚で主人公がロマンス要素無しってどうするんだろう…とか思ってました。


でも、ロマンス要素があろうとなかろうと、観客が主人公を見て「素敵ぃぃぃぃ」と思えばそれでいいわけでして、もう完全にひとこは素敵でした。素敵の塊でした。つまりロマンス要素が薄くても全然問題ない。



まずね、やっぱり世界観。

しゅこ先生は世界観の魔術師ですね。


龍の宮も独特な空気が漂ってましたけど、冬霞も「うわーーーやってくれたな!!!」という感じ。
スカステではどういう感じに映ってたか分かりませんけども、絵の具をぶちまけたような衣装、セット、メイク。

抽象画ってあるじゃないですか。アクションペインティングとも言うみたいですけども、絵具を適当にぶちまけたみたいな(笑)適当じゃないんでしょうけども。




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↑こういう感じの世界観です。
もっと水彩絵の具っぽい、薄い色合いですけどね。


衣装もセットもこんな色味で、いちばん驚いたのがメイク。

ひとことかの上流階級は普通のメイクなんですけど、ひとこが下宿しているアパルトマンでくすぶってる市民たちとか、もうほぼゾンビメイク。



こんな感じが近いかなぁ。


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あすかちゃんのメイクもぶっとんでで、目の周り青いし眉毛は急角度だし途中で切れてるしで、美しさを求める宝塚においてあれはかなりの挑戦ですね。
セリ美はゴスロリメイクっぽくて大好きです。


誰だったかルキーニをやった生徒さんで、あのボーダーTシャツをもう少し汚してもいいか、と演出家に相談したというエピソードを聞いたことがありますが、やっぱり宝塚において衣装を汚すとかってあんまり良しとされてないみたいで、そんな中、あんんんんなに衣装を潔く汚してボロボロにして、セットもガラスめっちゃ割れてたり汚いんですけど、でも総合芸術として全体がすごくまとまってて、抽象画みたいに見えるんです。


冬霞って言うくらいだからなんとなく全体がぼんやりしていて、人や物の輪郭が無い感じ。



その空気が、荒れている巴里の空気感に見えて、しゅこ先生は空間作りの魔術師やぁぁぁぁぁ!!と心で叫びながら観劇させていただきました。



物語としては、カラマーゾフの兄弟に似てますね。
一見上流階級に見えて豪華なお屋敷に住んで豪華なテーブルで食事をしてファミリーが揃ってるのにみんなどこか不機嫌で、家長が威張りくさってて、渦巻く憎悪が身内殺しになっていく、っていう。

紫門ゆりちゃんが死別離婚再婚を繰り返して、父親違いのきょうだいが何人もいて、みんないろんな思惑を抱えている。


カラマーゾフの兄弟は確かみんな腹違いの子でしたね。
違う女に子供を産ませまくった父親を息子たちはみんな嫌悪していて、でも金持ってるから逆らえない、っていう。


自分はこの人とこの人の子供だと思っていたら実は違う女性の子供だったとか、もうなんか金持ちの男が女性をモノ扱いして子供作りまくった結果悲劇が起こるという感じのお話です。


つまり血縁が入り組んでいるので、一回観ただけだとちょっと理解しきれない部分はありました。セリ美の理解力の問題かもしれないけど…


ほら、「あの子誰だろう?巧いなあ」とか「あの衣装どっかで見たことあるなあ」「これはヒロインとしてカウントされるのだろうか」とかいろんなこと考えながら観てるので、ひとつひとつの台詞を聞き漏らさずに、っていうのが1回だけだと難しいんですよね。



相関図としては、つかさくんを家長とした上流一家(ひとこ星空美咲ちゃん春妃さんらいとくん愛蘭みこちゃんなど)と、フランス国内の貧富の差に苛立ってテロリストと化したあすかちゃん率いる無政府主義者(ルキーニみたいな)の闘いですね。


星空美咲ちゃんとひとこは姉弟で、つかさくんと紫門さんと峰果さんが自分たちの父親(和海しょうさん)を自殺に見せかけて殺害したんだと確信していて、その復讐を果たそうと姉弟で少しずつ動いていますが、ひとこがなかなか自分を憎悪に染めることができない。

憎み切ってしまえば何も考えずに「復讐」というゴールに向かってただ突進していくだけなのに、人間として生まれ持った理性や迷いがどうしてもひとこを邪魔して、ひとこは苦悩します。



非常に印象的だったひとこの台詞があります。


「優しいのは、苦しいから」


1幕最後のほうでらいとくんに言ったと思いますが、苦しくなるから
優しくしないでくれ、という意味ですね。


優しくされると憎悪の念が揺らいでしまって、自分が今やろうとしていることが間違っているかもしれないという迷いが生まれて苦しくなるんでしょうねえ。


夢介レポで、「演出家ならもっと自在に日本語を扱ってほしい」と書きましたが、まさにこういうことですね。
別に難しい単語を使うわけじゃなく、でもなぜかグサッと刺さる強烈な言葉のチョイス。
「美しいものを見ることには価値がある」みたいな。


「優しいのは、苦しいから」


素晴らしい台詞だと思います。

あの世界観の演出とこの台詞だけでもうセリ美は「しゅこ先生、やっぱり間違いないわ!!!」と惚れ込んでしまいました。大好きな演出家にメンバー入りです。




セリ美なんて憎悪がすぐそばにある人生ですけど、でも人間誰しも「この人の幸せを願うことはどうしてもできない」なんて場面、生きていればあると思います。

いや、運良く恵まれた環境で生きることができて、そういう黒い感情を上手に打ち消して、「いろいろあるけどみんなで楽しくやっていこう!」って白く塗りつぶせる人もいると思います。
それが、この物語における希波らいとくんと愛蘭みこちゃんカップルの役割なんだと思いますけどね。



「この人、大っ嫌い!」って思って心が真っ黒になっている時に、ふと誰かの優しさに触れると、自分の黒さが際立って見えてしまうこととか、「あなたは白しか知らない人生でいいねえ!」って余計にしんどくなってしまうとか、そういう意味の「優しいのは、苦しいから」なのかなと感じました。


街のいたるところでテロを起こして市民を無差別に殺して国をぶっ壊してやろうと考えているあすかちゃんのように、「関係ない人まで殺していいのか」とか生まれ持っての理性の声など聞こえないふりをしてかき消して黒く塗りつぶして、自分の目指す目標だけを見て突っ走っていけるほうがよっぽど幸せなんですよね。


人の優しさに触れると苦しくなるからやめてくれ!と最後までひとこはらいとくんカップルの無条件の優しさに苦しんでいました。



そのひとこの弱々しさがなんかもうすんんごい色気となって出るんですよねええええ
姉である星空美咲ちゃんの胸に抱かれながら、安心と愛を感じているひとこ、いや~~庇護欲を掻き立てられるわぁぁぁぁ~



しかもひとこのお顔立ちって、萩尾望都感っていうか、池田理代子感っていうか、あの時代の少女漫画風のお顔立ちじゃないですか?



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この、鼻の穴の感じとか唇の厚みとか。


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このお顔立ちがまたこの時代の巴里にピッタリで、いや~しゅこ先生さすがですわとまたここでも感心してしまうわけです。


セリ美はミズさまの下僕ですので基本的には下僕体質ではありますが、この年齢になってジェンヌさんがほとんど年下になってくると、「庇護欲を搔き立てられる」という魅力が解るようになってきました。

これって、あとでまた書きますけどカレーさんもそれに当てはまるんですよね。

なんならみりおさんもこれに入ると思っているので、花男って意外とセリ美は「どこか情けなくて守ってあげたくなる系」だと思っております。


雪組時代のひとこをあまりよく知らないんですが、少なくとも冬霞でのひとこはもうなんだか弱々しくて頼りなくて、でも繊細で優しいゆえに強い意志を持ったり自分をコントロールすることが難しくて、「一緒に死んでしまおうか」みたいな破滅的な美しさがあってとてもいいと思います。

ちょっと夢二さんにも似てるアシメのウェーブショートもとてもよく似合ってましたしね。



とにかくひとこの主演作としては代表作になってもいいほどの名作であったと言えます。


星空美咲ちゃん、あの学年差でひとこのお姉さんを演じることができる落ち着きも、フィナーレナンバーでセンターで踊っても全く引けを取らない華も、歌もダンスもオールマイティーなので「こりゃあ活躍するわ」と大納得ではありましたが、やはりまだ研4。台詞に多少の拙さはありました。

でも経験を積めばすぐにでもカバーできる程度ですし、なによりあの大人っぽさや落ち着きが素晴らしいです。




2番手はあすかちゃんになるのかな。
あの役は大変だったろうな~~~。
特につかさくん一家と対峙する迫真の場面ではもう「ガンバレ~ガンバレ~!」と握りこぶしを作ってしまうほど、とてもとても集中していたと思います。

アナーキスト、無政府主義者としてはルキーニとほぼ同じようなキャラではありますが、ルキーニはストーリーテラーの役割もあったり、ちょっとおちゃらけてるキャラもあったので多少の感情の逃げ場があると思うけど、あすかちゃんのヴァランタンはず~~~っとイライラして破壊衝動を抱えていて、テロの機会をうかがったり、仲間である侑輝大弥くんの暴走を制御しようとしたり、感情が緩まる瞬間が全く無いので本当にしんどかったと思います。

あすかちゃんは政府への復讐、ひとこは家族への復讐を望んでいるので、あすかちゃんはひとこに同じような境遇を見て仲間意識を抱き、アドバイスを与えます。

その台詞もとても良かった。


「復讐を果たしたければ本心の声に耳を傾けないことだ」みたいな台詞なんですが、復讐をしたいという思いとは別のところにまた違う本心があることもあすかちゃんは気付いていて、でもそれに気付いたら復讐なんて絶対に完遂できなくなるから、心の声など無視しろとアドバイスします。


もう仰る通りですわ。
憎しみを持ち続けることって、もんんんんのすごくエネルギーの要ることでね。
セリ美も母に対して、「こいつだけは絶対に許さない。地獄に堕ちるまで見届けてやる」っていう怒りをガソリンにして走ってる時代がありましたが、いつしか、「もう疲れたなぁ…怒るのも疲れるもんだなあ」ってなりまして、今のような脱力系にシフトチェンジしました。

これが本心なわけですね。「もう疲れちゃった」っていうのが。
こういう、「もう疲れたなぁ」とか「そんなことよりも自分の人生を充実させなきゃ」とか「やっぱり因果応報とはいえ、人を殺したり陥れるのは良くないことだよなぁ」っていう本心なんかに耳を傾けてたら復讐なんてできないんですよね。



だから、あすかちゃんは復讐の仲間であるひとこに「本心の声など無視しろ」とアドバイスするわけです。

そのアドバイスを受けてひとこも「そうだよな、俺もがんばらなくっちゃ」と自分を奮い立たせますが、最終的にはやっぱり本心の声に従い、一方であすかちゃんはその信念のまま本心を無視し続けてミッションを遂行する。その2人の行く末は…という物語です。



こんな、自宅で仕事ができたり買いたいものがなんでも家に届くような時代に人間ってのはいまだに戦争をやめられない愚かな生き物で、こうしてまた新たな憎しみが今日も明日もどんどん生まれて膨れ上がっていくわけです。


セリ美だって「因果応報」って言葉を信念にすれば、何十年と受け続けた理不尽な攻撃に対して、「今度は私の番だ」って何倍にもして返したい気持ちはありますが、それが自分の幸せにつながる保証は全くないし、たぶん幸せは待ってないだろうなぁというのが分かるので、「やられたらやり返す!倍返しだ!」って刹那的な激情のほうを無視して、「自分の人生は自分の手で美しく彩らなきゃ」っていう本心の声だけに耳を傾けるようにしています。


ウクライナ国内でどんどん人が死んでいる今この時代、人間にとって最も重要なメッセージが詰まった素晴らしい作品であり、視覚的芸術性も高い、しゅこ先生の名作第2弾でありました。




さきほど書いた、あすかちゃんがつかさくん一家と対峙する場面がこの作品のいちばんのハイライトのように思います。

つかさくんをはじめとした演者の皆さんがもう本当に素晴らしかったです。


つかさくんの役どころは一見、カラマーゾフの兄弟における当主・フョードルのように見えますが、それとは全然違う人物像であることがよく伝わってきました。
確かにひとこたちの父を自殺に見せかけて殺したのは事実だし、人殺しはいけないことだと充分解ってはいたけど、愛してしまった紫門さんと共に幸せになる方法がそれしか無かった、という無念がよく表現されてました。

つかさくんの役・ギョーム自身が人間的に優しくて優れているからこそ、つかさくんと紫門さんの息子である希波らいとくんがあんなに無垢な善人に育ったのでしょうしね。

その「善」の象徴であるらいとくんの心が、父違いの兄であるひとこの復讐心を邪魔する、という構造も素晴らしかった。



つかさくん、本当に本当にいい役者さんで、ありちゃんと同じ98期なのでまだあんなにおじさま役を演るような学年ではないのに、あの貫禄、あの包容力、あの芝居力。
しかもフィナーレナンバーでは一転してギラギラのオーラをほとばしらせていて、なんと魅力的な生徒さんなんでしょうか。

宝塚は
つかさくんみたいな生徒さんにこそ助けてもらってること、劇団は絶対に忘れてはいけない。


はっきり言って、セリ美がPならトップさんにしてるね。ちなつさんもそうだけど。


もちろん、劇団四季とかの外部とは違って、宝塚は実力至上主義ではない。
少しお歌が苦手でも、ダンスが苦手でも、総合得点で「魅力的」ならトップスターにも手が届く劇団です。
それでも、やっぱり『歌劇団』ですから「巧ければ巧いほど良い」ことは忘れないでほしい。


彩吹ゆみちゃんのことを一生恨むセリ美ですけども、ああいう「何やっても巧いなぁぁぁぁぁ」という生徒さんがしっかり報われることを絶対に忘れないで人事采配してほしいものです。

それと同じように、紫門さんや凛きらさんみたいに、もう老若男女を超えてなんでもやってくれちゃう生徒さんにも感謝を忘れないでほしい。そんな稀有な生徒さん、そうそう出てきませんからね。




そういえば、愛蘭みこちゃんってめっちゃ音くりちゃんに似てますね!
最初、「あれ?音くりちゃんってTOP HATチームだと思ったけどこっちだったのか~」とずっと勘違いしたまま観てました。声も動きもまぁそっくり!

でも翌日にTOP HAT観て、「ああそうだよねこの無双感こそ音くりさんよね」と大納得しましたけども。





ということで、ちょっと人物相関が複雑なところはありましたけども、主題がしっかり伝わってきながらも舞台芸術という側面も素晴らしく追求されていて、しゅこ先生の手腕の高さをとても実感した冬霞でした。


フィナーレナンバーもタンゴ調でめちゃくちゃ良かった!!!

タンゴ好きなセリ美的には、タンゴで使われる演奏技術である、弦楽器を弦でギッギッギッ、とこする音が入ってたところとかが胸アツでした。マニアックで素晴らしい!

ひとことあすかちゃん以外は全員男女カップルで組んで踊ってるのに、ひとこあすかのみが男同士のタンゴってのもたまらんねええ!!マニアックで素晴らしい!!!









さて、TOP HATへ。

花組さんはセリ美が個人的に推してる詩希すみれちゃんがいるので、いつも1回は必ず観に行っております。
別箱もなぜかすみれちゃんはカレーさんチームに所属することが多いので、自ずとカレーさんを観る機会が多いです。


カレーさんって不思議な人ですねえ。
最初は特になんとも思ってなかったのに、観れば観るほど庇護欲を搔き立てられるんですよ。
たぶん喉があまり強くないのでしょうねえ、でもあのいかにも弱々しくて優しくて囁くような声がちょっと癖になってきまして、それであのお顔でしょう?

なんて退廃的で耽美なんでしょう!

無理心中したい男役ナンバーワンです。


全ツの哀しみのコルドバも悲劇的で破滅的ですごく良かったんですよ。
アウグストゥスも作品自体はアレですけど、なんだか弱々しいキャラのカレーさんには少しグッと来てました。
TOP HATなんて悲劇要素なんかどこにも無いのに、あんなに愛してるまどかちゃんにずっと勘違いされたままで2回も引っぱたかれて、それでも怒るどころかどんどん愛が深まるばかりで、「ああなんて可哀想なの!!早く結ばれますように!!!」ってめちゃめちゃ願ってしまいました。



次回作の、リストの先行画像あるじゃないですか。




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なんちゅう眼差しでまどかちゃんを見つめてんだ!!!!!!!
ってもうセリ美は一人で頬を赤らめてしまいましたよ……



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この、「重たすぎる愛」みたいな、「愛しすぎてしまったから一緒に死のう」みたいなことをあの弱々しい声で囁いてじっとり見つめる、みたいなのがカレーさんの真骨頂だよな~~~なんて思いました。なぜかTOP HATで。

その重たい愛を、まどかちゃんがあのアイドルフェイスで「うふふ」って受け止めるのがすごくいいですよね~~。


TOP HAT自体はまぁ様の時もセリ美は観てますので、さすがにみんなキャラが立っていてよくできた作品ですよね~とは再確認しましたけども、でも海外作品ってどうも翻訳の壁がかなり高いんですよね。
ミーマイの「顎で受け止める」とかもう全然意味わかんないし、それ以外でも訳詞ってやっぱりどうにも違和感があるし歌詞が刺さってこない。ヨシマサの能力に問題があるのかもしれないけど。


前回もそうでしたけどやっぱりTOP HATも歌詞が全然入ってこなくて「変な歌詞~」と思いながら観ました。

英語のニュアンスを残しながらの訳詞って難しいんでしょうし、しょうがないんでしょうけどね。



それを差し引いたとしてもでもやっぱり面白いですね、勘違い系作品。
芸人で言うとアンジャッシュなんかがこういう勘違いコントをメインに作ってましたので、やっぱりわかりやすくてウケがいいんでしょうね。

タップも皆さん頑張ってましたし、見せ場の一つである、洋服掛けと一緒にカレーさんが踊る場面もすごく丁寧に楽しそうに踊っていて「お稽古がんばったんだろうなあ」というのが伝わってきました。




あとはなんといってもやっぱり95期の無双ぶりが最高でした!!

夢介でもきわちゃんから息子への遠慮のないチョークスリーパーで同期萌えがありますけど、あの遠慮のないぶつかり合いこそ同期の醍醐味ですよね。

カレーさんマイティーまゆぽんという三本の矢が本当に本当に見ごたえありました!!


やっぱりまゆぽんってすごいなぁぁぁ~。
宙組バージョンではすっしー組長で、あのすっとぼけ系が素晴らしかったけど、まゆぽんベイツはすっとぼけながらも強い信念のもとに執事業を遂行していて、あの生真面目な感じがとても面白くて巧かったです。

まゆぽん、本当に専科に異動してくれて良かった!!!!

プロミセスでも死ぬほどお世話になりましたが、もうほんと足向けて寝られない系ジェンヌです。ルイマキセとかも。




音くりちゃんも、あの「貫禄オバサマ」ってイメージの役からは少し少女過ぎるかなと思ったけど、音くり先生の技術力の前ではもはや年齢など関係ない。
天真爛漫な金持ちで、お見合いおばさんみたいなことが大好きで、気は強いけど人が良くて思い込みが激しくて、でも旦那を愛してるというマッジのキャラクターを完全網羅してました。

ここでもまどかちゃんとの同期萌えがありますし、あのピチピチのイイ女であるデイルとあの貫禄オバサマの音くりちゃんが同期だなんて、知らない人が観たら誰もそうは思わないでしょうねえ。

まぁそんなこと言ったらイケイケショースターのジェリーと堅物執事のベイツが同期だなんて、知らない人が観たら誰もそうは思わないでしょうけども。




「こりゃあ95と100の無双だな!!」と感心しまくりながら観ました。

花組、アウグストゥスや元禄のときはちょっと不安になったりもしましたが、この冬霞とTOP HAT見て「合う作品なら全然大丈夫やん」と安心しましたね。
カレーさん体制も少しずつまとまりが出てきたのかな。




最後に、詩希すみれちゃんを。

今回、メイドの中でもいちばんキャラが立ってるティリーというちょっとおばか系の女の子の役でしたが、正直すみれちゃんとはまったく違うキャラなので、よくここまで役作り頑張ったな~~!!ととっても感心しました。
髪型からしっかり役作りしていて、でかいお花のオーナメントをずるずると引きずるところも可愛かったし、見応えたっぷりでした!!

103期ももう研6になりますから、新公でも大きな役どころがついてくる学年ですね。
すみれちゃんはお歌という強い武器もありますし、なにより正統派美人さんですし、ダンスも丁寧だし、いつだってどんな場面だって髪型が可愛いし、応援しています!!!



冬霞とTOP HAT、まったくベクトルの違う、でも良質な作品を楽しめた2022年春の遠征でした!





しかしいま巷ではくーみん退団の噂が出回っていて非常に不安ですねえ。

宝塚という文化を愛しているので、まだまだセリ美は精一杯応援するし楽しませていただきますけども、やっぱり長く見ていると「ずいぶん変わってきたもんだなあ」と思う部分も多くあります。

特に経営方針の転換には不安を覚えることが多く、演出家陣や振付家陣も我々と同じく「もうついていけないわ…」と思う人もいるでしょう。

セリ美が敬愛していたオギーだって思うところあって退団したのでしょうし、近年続いている上級生の退団も、やっぱり「この方針にはついていけない」という思いで退団を選ばれた生徒さんもいたでしょう。


「変化を恐れないことが長く続いていける秘訣である」、と理事などのお偉いさんたちがよく語っていて、確かにそれは真実ではあるけど、やっぱりいちばん大事な部分は絶対に変えてはいけないもので。

「リピートしてくださるお客様を大切に」ということこそ、そのいちばん大事な部分なはずなんですけど、この不景気であれだけの豪華な舞台を作り続けるにはもちろん軍資金が必要で、そうなるとチケットを売ることよりも大金を出資してくれる企業様を第一優先に考えるのでしょうね。

お客様 < スポンサー企業様

になっている現実を痛感する場面が多いですね。
もちろん資金集めも大事だけど、そんなのいい生徒が集まっていい作品を作れる演出家がいて、それを何度もリピートして観に来るファンがあってこそなんですけどね、そこを本気で理解していないお偉いさんばかりになってしまったのかもしれないと思うと、くーみんのように宝塚を本気で敬愛している人が「もう私の居場所はない」と思ってしまう可能性もゼロではないですよね。


音楽学校の合格基準や合格枠もずいぶんと変わってきているようですし、それが本当に魅力的な生徒さんの育成に繋がるのかどうか、講師陣のモチベーションにどういう影響を与えるのか疑問、という気持ちもありますしね。


天下のジャニーズさんも近年の大御所たちの一挙退所でかなり方向転換をしていますし、この世は諸行無常。
宝塚のこの方針転換が吉と出るか破滅の一歩となるか、セリ美は生き字引としてまだまだ眺めていきたいです。


きっと納得できない決定もたくさんあるであろうそういう転換の中でも、目の前にある仕事を黙々と頑張るだけの生徒さんのことはやっぱり全力で応援したいですしね。

「宝塚、サイコー!!」と今も叫んでくださっているミズさまや瀬奈さんの想いを信じたいです。






さて!!!!!
毎週末遠征続きの3月4月。明日はミズさまのタンゴリサイタルへ!!!!!
2022年、セリ美がチケ取りに本気出す演目のひとつでございます!!!

素敵なコットンクラブでの上演なので、セリ美も珍しく赤パーカーではなくちょっと都会的なオサレをして、耳にも飾りなんて付けちゃって行ってきたいと思います!!!爪も塗っちゃったりして!!!!

たまにはそういうオサレ時間も大事ですよね~~。



それでは~~~~。









TOP HAT2幕ではすみれちゃんのへそ出しをじっくり堪能させてもらいました…ふふふ……ふふ……
コットンクラブでもなかなかの露出のお衣装なんですって…ふふ…ふふふふふふふふふふふふふふふふふうふふふ