知っては、いました。一応。
有難いことにいろんなネットワークがありますので、木曜日あたりに情報は入っていました。
かといって100%というわけでもないので、「そんなまさか…でもいつも変なガセネタをくれる人ではないもんな……」と悶々悶々悶々した週末を送っておりました。
それを払拭したくて、前回の秋の夜長話なんてブログを書いて気を紛らわせていたのもあります。
いやぁ……本当でしたねえ……ははは…………
はははは……は………
は…………………………………
セリ美は研26ですが、「贔屓」と呼べる生徒さんは、ミズさまと息子の2人です。
ミズさまに堕ちたのはミズさまがもう2番手になられていた頃だったので、息子を息子として可愛がり始めて、「本公演でこんな役についた!」「バウ主演だ!!」「バウ主演したのに本公演での扱いが変わらない!クソが!」「東上だ!!!!」なんていう一喜一憂は初めて経験するものでして。
つまり、「贔屓がトップにならずに退団する」という経験も初めてです。
ミズさんの場合はもうトップ就任した時から当然「数年後には」という覚悟はできていましたからね。
いや~~~~……
なんとも言えん気持ちですなあ………
その選択を支持したい気持ちはもちろん、もちろんあるけど……
あれだけの才能を持っていたら外の海に出てみたい!世界にはもっと大きな海があるんだろ?!そこで自分の実力を試してみたいんだ!!って思ってしまう気持ちが生まれる可能性も理解できます。
でもそれは5年後でもいいんじゃ…?とか……
新公主演1回しかできなかった子が、快進撃を続けて東上主演できるまでになって、新しい組で明らかに3番手と言えるところまで駒を進めて。
そこまで来たらやっぱりそらチームは夢見ますよね。
もうそれって本人だけの夢じゃなくて、みんなの夢でもあってね。
いま大河で「どうする家康」やってますが、家臣たちは殿を天下人にするために、命を張るわけです。
泥まみれになって、血まみれになって、「殿なら素晴らしい天下人になるはずなんじゃ!!!」って泣きながら働いてるんです。時には自分の家族まで差し出したりして。
殿も、「こんな弱虫の意気地なしのわしが天下人になど…」って何度もその神輿から降りようとするんです。あまりにつらくて。
でも、みんなの想いをすべて受け止めて、みんなの夢を叶えようと泣きながら何度も立ち上がるんです。
息子にも、そうであってほしかったという思いも、やっぱりあります。
でも、宝塚という組織がどれほどくだらないしがらみだらけか、カネコネまみれか、そういう側面もセリ美は知っています。
いくら努力しても努力しても「チケット捌いてくれる太い客持ってんの?」とか、「だって〇〇〇会に入ってないじゃん」とかいうクソみたいな理由で出世できなかったり、やっぱり女社会ということで独特のやりづらさ・陰険さみたいなのもあるでしょう。
そういう風土が性に合わなくて辞めていった生徒さんは多いでしょうし、息子もそうだったのかもしれません。
特に今は昔よりずっとその悪い面が強くなっているように感じますから、ここ数年の退団ラッシュはその証拠なのだろうという確信も持っています。
上手くて聡明な、いい舞台人ばっかり辞めちゃいますからね。
誰だって自分や頑張ってる下級生の実力を正当に評価してもらえない腐った組織より、評価してくれる真っ当な世界で努力したいですもんね。
あとは、みっちゃんとかもそうでしたが、「辞めたい」と言っても、何度も何度も引き留められる生徒がいることも知っています。
みっちゃんは劇団に「辞めたい」と3回直訴して、3回とも「ダメ」と断られた、とのちに語っています。
でも、息子はそうじゃなかった、引き留められなかった、ということは、もしかしたら96期のしがらみとかで、トップになる可能性が無いことを悟ってしまったのかもしれない。
こんな風に、辞める理由なんていくらでも思い浮かびます。
本当はトップ目指してたのに自分にはその道が無いと知ったのかもしれないし、劇団のバカバカしさが嫌になって「いち抜けた~」と神輿から降りたのかもしれないし、もっと大きな海に出たくなっちゃったのかもしれないし、はたまた結婚したいのかもしれないし。
いつか本人が真相を語るかもしれないし、語らないかもしれない。
だから、この決断に対して我々は只々受け止めることしか許されてないわけで、反対も賛成もないわけです。
「了解です」
この一言だけです。
双曲線でのカテコ挨拶がね、妙に意味深だってザワついてましたもんね、界隈。
「たとえそれが今までに無かった道でも、誰かから見て不正解だと言われる道でも、自分が選んだ道を、一度きりの人生を、後悔なく生きる」
不正解だと言われるであろうことも分かってるわけです、本人は。
それでも決めたことを絶対に曲げない、頑固な息子なんです。
平成生まれだろうに、昭和の頑固オヤジみたいな息子なんです。
でも、逆を言えば、だからこそのあの天才芸とも言えるわけです。
あれだけの天才の域に達するには、凡人のような価値観であるはずがない。
「それだけ出来てればもう練習しなくてもいいんじゃ…?」と言われても、自分が納得できるまで、自分の合格域に達するまで、死に物狂いでやるような子なんでしょうから、そりゃあ普通の考え方ではないでしょう。
つまり、我々凡人では理解できないような選択・生き方をするのでしょう。
きっとそういうことなのだろうというのが、セリ美の現時点での落としどころです。
ま、どんな事情があったのかもうさっぱり分からないけど、ひとつのことをとことん極めてみてほしかったな、という気持ちが今は少し強い、かな。
あなたにはまだ伸びしろがあった。
宝塚でやるべきことは残っていた。
母さんは、そう思います。
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