前回の更新が7月!もう5カ月近く経っていたなんて~~~
前回はアンケート企画が完了した報告になっておりますね。
いま思えば、この直後に突如「そうだ、ギター習おう」と思い立ったのですねえ。何か全然違うことに没頭したかったんだろうな。
今や伸び盛りを迎えているセリ美なので、レパートリー曲も6曲に増えました。左手の指先はかかとのごとくカチカチになっていて大変に生活しづらいです。常に深爪なので不便だし。
サポート代や冊子配布にご協力をしてくださった皆さんお一人お一人にできる限りのお礼をして、そこから繋がりのできた関係者の方々に今も「あのときは本当に…」というご挨拶もまだ続いていたりします。
アンケート企画で少し燃え尽き症候群になったセリ美は、現在の宝塚との距離は、少し俯瞰で見ているような状況です。ちなつさんと宙組さんを見守っている感じですかね。
宝塚をそれなりに長く観てきていて宝塚文化や歴史への理解がそれなりにあったことや、ブロガーということで「怪しい者ではございません」と証明できる名刺代わりになるものが多少あったり、仕事柄、印刷やデザインという技術を少し持っていたり、自由な時間がとりやすい仕事だったということから、「セリ美がやるのがいちばん適性があるような気がする」と走り出しました。
集計など、深夜までお手伝いをしてくれたヅカ友さんお2人と「我ら1265人、名も無き英雄になろう!!」というのがいつも合言葉でした。
結果、劇団もスローテンポではありますが少しずつ我々の意見を吸い上げてくれているようですし、宙組も組子の皆さんが踏ん張ってくださったおかげで、思ったよりも退団者が少なくてホッとしています。
こんなタイミングで宙組生え抜きスターの誕生か…と思ったけど、いやむしろそういうおめでたいニュースを作ってくれたずんさんに心から感謝です。
エスカリエ観た時にずんさんの存在感が物凄かったので、「もういつトップさんになっても大丈夫だ」と確信しました。それは2番手になったときのれーこちゃんにも感じましたね~。
宙組のカラーを変えるためにもキキちゃんの後継は他組から…?なんて憶測も飛び交ってましたけど、これで良かったと思います。
26年も経ってるのに宙組のカラーがなんとなく定着せずになんとなく一丸となれなかったのってやっぱり他組からトップさんを迎え続けた背景もあると思うので、「宙組の御曹司!ずんさん!」という気持ちできっと下級生たちが支えてくれるはずです。
もともと4組から選抜されて結成された宙組なので、「宙組カラー」と言えるものにまず「自由」という特色があったようです。
でもそれゆえに「我ら宙組一家!」みたいな団結が生まれにくかったのかもしれないですね。そして他組からやってきた各トップさんもやっぱり根本には育ってきた組の文化が染みついてますから、その文化のやり方で宙組をまとめようとされたのでしょう。
でも下級生たちからするとトップさんが変わる度にまた全然違ったやり方に変わってしまうので、戸惑いつつもなんとか順応していく、みたいな部分が26年続いてきたのかもしれないですね。
大変に個人的な見解ですが、もっと早くに生え抜きトップさんを輩出していればもう少し「我ら宙組一家」感が早く出ていたように感じます。
その辺の采配が「劇団、センスねえなあ……」と残念に思っています。生え抜きが出せない事情が何かあったのかもしれませんが。
てっきりその采配ってPが決めてるもんだと思い込んでましたが、どうやら全然違うようですね。Pはテレビ局で言うところのADさんみたいな仕事内容だそうで。
以前はそんなことなかったみたいなんですが、近年はめっきりAD寄りになってきているようです。
ヅカ友さんたちのお嬢さんが音校受験にトライし続けてきた様子を見守ってきた経験が何度かありますが、それを見ていて感じたのは、宝塚が抱えてる根幹の問題点って生徒ではないと思っています。全部劇団の大人たち(特におっさん)が悪いと思っています。
中学生や高校生なんて、親の同伴無しで遠出できたり、バイトしてお小遣い貯めて好きな洋服買ったりオシャレカフェ行ったり、恋愛が始まったり将来に夢ができたりして、めちゃくちゃ楽しい時期なはずなんです。
保育園時分から登園拒否をスタートしてきた経験と実績を持つこんなセリ美ですら、中1のときだけは「夏休み、早く終わらないかな!学校でみんなに早く会いたいなあ!」なんて思ってたくらいですから。そんなポジティブ期は中1だけで終わりましたけど。
それくらい、ティーン時代って楽しいことを覚え始める年頃なのに、音校受験生たちはそんなことを全て放棄してほぼ毎日レッスン漬けで、挨拶や礼儀も叩き込まれて、一生懸命やってるのに「やる気無いなら帰れ」「ねえいつ痩せるの?」くらいのパワハラをむしろ力に変えて、青春をそれに投げうってるわけですよ。
しかも、「容姿端麗」な子たちが。
容姿端麗ならその気になれば彼氏なんてすぐできるだろうし、彼氏と一緒に放課後デートだってできるだろうし、なんなら芸能プロダクションに所属したり読者モデルやったりして、もっとハードル低く芸能の道に入る選択肢はあるはずなんですよ。
それを好き好んでわざわざいちばん厳しい道を選んでるなんて、「偉い」としか言えませんわ。
そりゃね、受験生は全員ライバルなわけですから狡猾に出し抜いたりみたいな女子特有のストレスはあるでしょうし、受験を勝ち抜いたあとの音校内でもそんなの全然あると思います。嫉妬なんてして当然ですしね。セリ美だって同じ職業の人には嫉妬するんですから。
入学前も入学後もそういうことがあると全部わかってて、それでも「挑戦する」と覚悟を決めてる強い精鋭たちなわけです。もはや武士ですよ。鳥居元忠ですよ。(死に戦だと分かってて関ケ原前哨戦の伏見城の戦いで城を守って討ち死にした家康の乳兄弟)(その際の血染めになった床板が京都の養源院というところにあって見学できるので是非どうぞ)
そういうピュアな少女たちのやる気や上昇志向、それに伴う嫉妬や僻み感情などを細かく観察して上手にコントロールしてあげるのが大人たちの仕事なわけでね。
それが失敗してるから今回の事件に繋がったとセリ美は思っています。
「同期の連帯責任」を音校時代から彼女たちに植え付けるのなら、大人たちだって大人の連帯・連携をしっかり認識して高めて、親御さんからお預かりして純粋培養させてもらっているという重責を胸に刻んで、予測可能な無駄な摩擦・軋轢をできるだけ排除してあげて、ポテンシャルを完璧に引き出してあげることこそが、命削って舞台に立ってくれている彼女たちに対する礼儀ってもんでしょうがあああああああああああああああああああああああ
という気持ちです。
というのもね、実は昨日「なるほどなあ」と思った出来事がありまして。
セリ美は友人が女子プロレスラーという縁があって、女子プロレスにスタッフとして関わっているのですが、いまお手伝いをしている団体さんが地方巡業っていうんですかね、我々界隈で言うところの全ツを常に行っている団体なんです。本公演があるわけじゃなくてオール全ツね。常時全ツね。
で、昨日興行があった地域は愛知県の中でもめっちゃマニアックな市でして、愛知県民でも「なんでこんな田舎に?!」みたいなところだったんです。
そのせいかスタッフの人数があまり確保できなかったみたいで、なんと興行主のおじさんが現地に着いてすぐ、その辺をブラついてた中学生・高校生に「お給料は出せないけどタダでプロレス観れるからちょっとお手伝いしない?」なんつって闇バイトのごとくナンパしてスタッフを調達してきたそうなんです。
チケットのもぎりとか、靴を入れるビニール袋を配るだけの簡単なお仕事なんで、確かにわざわざバイト代を出して雇うよりも、暇そうな地元の子に声かけて「おもしれえじゃん!」って来てくれる子のほうがいいですしね。
セリ美は売店スタッフなので、売店の設営をしながら、パイプ椅子を並べてるあの子たち誰なんだろう?なんかちょっとヤンチャ系だけど大丈夫なの?とか思いながら横目で見てたんです。中学生だというのにピアスとか、ぶっといゴールドチェーンのネックレスとかめっちゃつけてるし金髪とかだし。
そんである程度パイプ椅子の設置が終わって、興行主のおじさんが「おーい中学生たち集合ー!」とかいって彼らを売店のところに集合させたので「なになになになに売店チームは平和に設営してんだからあんなヤカラ予備軍みたいな子たちと接触させないでよ~~~」とか内心思ってたんです。
そしたら、「今日のバイト代として選手のTシャツを一人1枚プレゼントしますので、このお兄さん(社員さん)についていってくださ~い」と言うわけですよ。
セリ美は「知りもしない女子プロレスラーのTシャツなんかもらったって嬉しくねえだろうよ…」なんて冷めて見ていたんですが、彼らは「うぇえええええええええい!!やったーーーー!!!」なんつって大盛り上がりしててビックリしたんです。
それでみんなでお揃いのTシャツもらって、さっそく着てキャッキャしてるんです。
金髪なのに。ピアスめっちゃつけてんのに。
こんなもので、あんな重労働の椅子並べをやってくれるのか!なんて素直なんだろう!と思いましたね。
で、「キッズプロレス教室」っていって、試合前に子供たちをリングの上に呼んであげて、リングの感触を味わってもらったり、選手が一人出てきて簡単な基礎練習を教えてあげたりっていうプチコーナーがあるんです。
やっぱり人数多いほうが盛り上がるので、そこにも参加してくれるように興行主のおじさんがお願いしていたようで、幼稚園児とか小学生と一緒に、ヤカラ予備軍も一緒にリングに上がってくれて子供たちをうまくリードしてくれたりとか大きい声で挨拶の練習とかしてくれて……。
セリ美はもう「ヤカラ予備軍とか言ってごめんやでえええええええめっちゃええ子たちやああああああああああああ泣泣」ってなんか感動しましてねえ。
中学生なのになんでピアス開けちゃったり金髪にしちゃってんのかは分かんないけど、ガチのヤカラと違って彼らはまだ全然ピュアで、あの興行主のおじさんのように上手に彼らを楽しく導いてあげれば彼らはきっと道を踏み外さずに成長していける、と思ったんですよ。
外ヅラだけはニコニコして綺麗な言葉並べてるくせに実はものすごい腹黒いこと考えてるとか、自分の感情や都合しか考えてない大人いっぱいいますけど、その先陣切ってるのがうちの母親ですけど、そんな大人なんかよりもよっっっっっぽど彼らのほうがまともだと思いました。
だってさ、暇だからといって知らんおっさんに突然声かけられて「プロレス観れるよ、ちょっとお手伝いしない?」とか言われて「いいっすよ~」なんてほんとに来てくれてひたすらパイプ椅子並べたりしてくれるなんてやっぱりいい子たちだよねえええ
でも、あんな外見だからきっと学校とかでは大人たちにあまりいい対応されてないはず。
ピアスも開けずに金髪にもせずに普通に部活やって勉強してる、手のかからない子たちのほうがそりゃ大人は「あー面倒が無くていいわあ」と思うもんねえ。
そりゃそうよね。セリ美が教師でも「ったく……」と思いますよ。真面目に真っ当に中学生やってる子たちのほうがエライもん。ちゃんとルール守っててさ。
よく「不良から更生して真面目に働ける大人になった」って人をやたらと褒めたたえる風習あるけど、不良にもならずにずっと真面目に生きてる人のほうが全然エライよねえ。
なんで彼らが校則を破るようになっちゃったのかは分からないけど、それでも、対応を間違わなければ、ピアス開けちゃっても、金髪にしちゃっても、10代という若さならどうとでも導いてあげられるんだな、と大変に実感しましてね。
もちろん音校生たちなんて「不良にもならずにずっと真面目に生きてる」代表格ですけど、10代女子だけで軟禁状態にされて謎のルールをたくさん強いられて「上手いもん勝ち」という絶対的な掟の中で生活していれば、不健全な感情が芽生えるに決まってるし、入団後なんて「謎の劇団推し」みたいな恩恵を受ける同期や下級生に対してもっと不健全な感情は芽生えるに決まってる。
その不健全な感情を処理してあげられるのは大人しかいないのに、きっとそこを「自分らでなんとかしろ、もう大人だろ?」っつって放棄し続けたのでしょう、劇団の大人たちは。
純粋培養して少女の気持ちのまま止めたくせに。
それとは別件ですけど、「これは男の特権じゃ」っつって、女性演出家や女性管理職をわざと置かないようにおっさんどもが蹂躙してきたわけでしょう?
おっさんの罪は重いですよ。長年鬱屈していたものが爆発してしまった今回の件を受けて、おっさんたちがどう反省したかは分かりませんが、少なくとも事件以前はそうしてきたわけでしょう?
生徒間の不健全な感情を無視し続け、女性の意見を遠ざけ続け、おっさんらの都合のいいように劇団を支配してきたわけでしょう?退団後だって10代という貴重な時期を頂戴しておきながら「辞めたあとは自分でなんとかしろよ」って放置じゃないですか。OGの皆さんはバイタリティーもコネクションもあるからなんとかなってるだけで。
110年も繁栄し続けているという結果がちゃんと出てるので、それが全部間違いだったとまでは言わないですけどね。
一見不良少年に見えた彼らの純粋さを垣間見たセリ美は、大人の責任ってものをなんかすごく感じた出来事でした。
ゆとり世代だとかZ世代だとか、それぞれの生育環境によっていろんな大人が出来上がってますので、「これだから〇〇世代は……」と思うこともたくさんありますが、その「〇〇世代」ってものを作った張本人は当時の大人たちなわけですからねえ。
全然関係ないけど、小学生も含めた10代の子たちって「やっぱりマスク越し?じゃなくって~、友達の顔?がちゃんと見えて話せるのって~、大事なこと?だなって?思い?ますね~?」って半疑問形で喋る子がめちゃくちゃ多いなと感じますが、きっとお母さんがそういう喋り方なんだろうな、確かに半疑問形の話し方が流行った世代だよな、と感じることが多いんですが、まぁそれほど子供っていうのは大人の影響が大大大、って話です。喋り方までコピーされちゃうんですよね。
方言は古くから伝わる無形文化みたいなものですけど、半疑問形って新しく生まれたものだからなんかセリ美はすごく違和感があってねえ……しかもそれを小学生が使ってるっていうのが、なんかねえ……ちょっとゾッとする部分があるんですね。大人の影響の強さっていうか。
もっと関係ないけど、これには韓国文化の流入も影響してるなと分析してます。韓国語ってすごい尻上がりの抑揚で喋りますもんね。韓国ドラマに夢中になってる子育て世代が知らず知らずに韓国寄りの抑揚で喋るようになっちゃったのもある気がしますね。
あ、ちなみにセリ美は韓国のエンタメ・文化に興味は無いです。
ミズさんがおすすめしてくれる韓国コスメには少しお世話になってますけど。
まぁそんなこんなで、「現代社会の歪みはいつだって大人が作り出している、それに洗脳され、犠牲になる子供たちへの責任をもっと自覚しよう」って話でした。自戒も含め。
それとはまた別件で最近ちょっと演出家について思うことがいろいろあるので、また更新しますね。
阪急株主総会で「女性管理職をもっと登用して」と仰ってくださったという殿方の意見、ちゃんと吸い上げてくれてんのかしらね……
前回はアンケート企画が完了した報告になっておりますね。
いま思えば、この直後に突如「そうだ、ギター習おう」と思い立ったのですねえ。何か全然違うことに没頭したかったんだろうな。
今や伸び盛りを迎えているセリ美なので、レパートリー曲も6曲に増えました。左手の指先はかかとのごとくカチカチになっていて大変に生活しづらいです。常に深爪なので不便だし。
サポート代や冊子配布にご協力をしてくださった皆さんお一人お一人にできる限りのお礼をして、そこから繋がりのできた関係者の方々に今も「あのときは本当に…」というご挨拶もまだ続いていたりします。
アンケート企画で少し燃え尽き症候群になったセリ美は、現在の宝塚との距離は、少し俯瞰で見ているような状況です。ちなつさんと宙組さんを見守っている感じですかね。
宝塚をそれなりに長く観てきていて宝塚文化や歴史への理解がそれなりにあったことや、ブロガーということで「怪しい者ではございません」と証明できる名刺代わりになるものが多少あったり、仕事柄、印刷やデザインという技術を少し持っていたり、自由な時間がとりやすい仕事だったということから、「セリ美がやるのがいちばん適性があるような気がする」と走り出しました。
集計など、深夜までお手伝いをしてくれたヅカ友さんお2人と「我ら1265人、名も無き英雄になろう!!」というのがいつも合言葉でした。
結果、劇団もスローテンポではありますが少しずつ我々の意見を吸い上げてくれているようですし、宙組も組子の皆さんが踏ん張ってくださったおかげで、思ったよりも退団者が少なくてホッとしています。
こんなタイミングで宙組生え抜きスターの誕生か…と思ったけど、いやむしろそういうおめでたいニュースを作ってくれたずんさんに心から感謝です。
エスカリエ観た時にずんさんの存在感が物凄かったので、「もういつトップさんになっても大丈夫だ」と確信しました。それは2番手になったときのれーこちゃんにも感じましたね~。
宙組のカラーを変えるためにもキキちゃんの後継は他組から…?なんて憶測も飛び交ってましたけど、これで良かったと思います。
26年も経ってるのに宙組のカラーがなんとなく定着せずになんとなく一丸となれなかったのってやっぱり他組からトップさんを迎え続けた背景もあると思うので、「宙組の御曹司!ずんさん!」という気持ちできっと下級生たちが支えてくれるはずです。
もともと4組から選抜されて結成された宙組なので、「宙組カラー」と言えるものにまず「自由」という特色があったようです。
でもそれゆえに「我ら宙組一家!」みたいな団結が生まれにくかったのかもしれないですね。そして他組からやってきた各トップさんもやっぱり根本には育ってきた組の文化が染みついてますから、その文化のやり方で宙組をまとめようとされたのでしょう。
でも下級生たちからするとトップさんが変わる度にまた全然違ったやり方に変わってしまうので、戸惑いつつもなんとか順応していく、みたいな部分が26年続いてきたのかもしれないですね。
大変に個人的な見解ですが、もっと早くに生え抜きトップさんを輩出していればもう少し「我ら宙組一家」感が早く出ていたように感じます。
その辺の采配が「劇団、センスねえなあ……」と残念に思っています。生え抜きが出せない事情が何かあったのかもしれませんが。
てっきりその采配ってPが決めてるもんだと思い込んでましたが、どうやら全然違うようですね。Pはテレビ局で言うところのADさんみたいな仕事内容だそうで。
以前はそんなことなかったみたいなんですが、近年はめっきりAD寄りになってきているようです。
ヅカ友さんたちのお嬢さんが音校受験にトライし続けてきた様子を見守ってきた経験が何度かありますが、それを見ていて感じたのは、宝塚が抱えてる根幹の問題点って生徒ではないと思っています。全部劇団の大人たち(特におっさん)が悪いと思っています。
中学生や高校生なんて、親の同伴無しで遠出できたり、バイトしてお小遣い貯めて好きな洋服買ったりオシャレカフェ行ったり、恋愛が始まったり将来に夢ができたりして、めちゃくちゃ楽しい時期なはずなんです。
保育園時分から登園拒否をスタートしてきた経験と実績を持つこんなセリ美ですら、中1のときだけは「夏休み、早く終わらないかな!学校でみんなに早く会いたいなあ!」なんて思ってたくらいですから。そんなポジティブ期は中1だけで終わりましたけど。
それくらい、ティーン時代って楽しいことを覚え始める年頃なのに、音校受験生たちはそんなことを全て放棄してほぼ毎日レッスン漬けで、挨拶や礼儀も叩き込まれて、一生懸命やってるのに「やる気無いなら帰れ」「ねえいつ痩せるの?」くらいのパワハラをむしろ力に変えて、青春をそれに投げうってるわけですよ。
しかも、「容姿端麗」な子たちが。
容姿端麗ならその気になれば彼氏なんてすぐできるだろうし、彼氏と一緒に放課後デートだってできるだろうし、なんなら芸能プロダクションに所属したり読者モデルやったりして、もっとハードル低く芸能の道に入る選択肢はあるはずなんですよ。
それを好き好んでわざわざいちばん厳しい道を選んでるなんて、「偉い」としか言えませんわ。
そりゃね、受験生は全員ライバルなわけですから狡猾に出し抜いたりみたいな女子特有のストレスはあるでしょうし、受験を勝ち抜いたあとの音校内でもそんなの全然あると思います。嫉妬なんてして当然ですしね。セリ美だって同じ職業の人には嫉妬するんですから。
入学前も入学後もそういうことがあると全部わかってて、それでも「挑戦する」と覚悟を決めてる強い精鋭たちなわけです。もはや武士ですよ。鳥居元忠ですよ。(死に戦だと分かってて関ケ原前哨戦の伏見城の戦いで城を守って討ち死にした家康の乳兄弟)(その際の血染めになった床板が京都の養源院というところにあって見学できるので是非どうぞ)
そういうピュアな少女たちのやる気や上昇志向、それに伴う嫉妬や僻み感情などを細かく観察して上手にコントロールしてあげるのが大人たちの仕事なわけでね。
それが失敗してるから今回の事件に繋がったとセリ美は思っています。
「同期の連帯責任」を音校時代から彼女たちに植え付けるのなら、大人たちだって大人の連帯・連携をしっかり認識して高めて、親御さんからお預かりして純粋培養させてもらっているという重責を胸に刻んで、予測可能な無駄な摩擦・軋轢をできるだけ排除してあげて、ポテンシャルを完璧に引き出してあげることこそが、命削って舞台に立ってくれている彼女たちに対する礼儀ってもんでしょうがあああああああああああああああああああああああ
という気持ちです。
というのもね、実は昨日「なるほどなあ」と思った出来事がありまして。
セリ美は友人が女子プロレスラーという縁があって、女子プロレスにスタッフとして関わっているのですが、いまお手伝いをしている団体さんが地方巡業っていうんですかね、我々界隈で言うところの全ツを常に行っている団体なんです。本公演があるわけじゃなくてオール全ツね。常時全ツね。
で、昨日興行があった地域は愛知県の中でもめっちゃマニアックな市でして、愛知県民でも「なんでこんな田舎に?!」みたいなところだったんです。
そのせいかスタッフの人数があまり確保できなかったみたいで、なんと興行主のおじさんが現地に着いてすぐ、その辺をブラついてた中学生・高校生に「お給料は出せないけどタダでプロレス観れるからちょっとお手伝いしない?」なんつって闇バイトのごとくナンパしてスタッフを調達してきたそうなんです。
チケットのもぎりとか、靴を入れるビニール袋を配るだけの簡単なお仕事なんで、確かにわざわざバイト代を出して雇うよりも、暇そうな地元の子に声かけて「おもしれえじゃん!」って来てくれる子のほうがいいですしね。
セリ美は売店スタッフなので、売店の設営をしながら、パイプ椅子を並べてるあの子たち誰なんだろう?なんかちょっとヤンチャ系だけど大丈夫なの?とか思いながら横目で見てたんです。中学生だというのにピアスとか、ぶっといゴールドチェーンのネックレスとかめっちゃつけてるし金髪とかだし。
そんである程度パイプ椅子の設置が終わって、興行主のおじさんが「おーい中学生たち集合ー!」とかいって彼らを売店のところに集合させたので「なになになになに売店チームは平和に設営してんだからあんなヤカラ予備軍みたいな子たちと接触させないでよ~~~」とか内心思ってたんです。
そしたら、「今日のバイト代として選手のTシャツを一人1枚プレゼントしますので、このお兄さん(社員さん)についていってくださ~い」と言うわけですよ。
セリ美は「知りもしない女子プロレスラーのTシャツなんかもらったって嬉しくねえだろうよ…」なんて冷めて見ていたんですが、彼らは「うぇえええええええええい!!やったーーーー!!!」なんつって大盛り上がりしててビックリしたんです。
それでみんなでお揃いのTシャツもらって、さっそく着てキャッキャしてるんです。
金髪なのに。ピアスめっちゃつけてんのに。
こんなもので、あんな重労働の椅子並べをやってくれるのか!なんて素直なんだろう!と思いましたね。
で、「キッズプロレス教室」っていって、試合前に子供たちをリングの上に呼んであげて、リングの感触を味わってもらったり、選手が一人出てきて簡単な基礎練習を教えてあげたりっていうプチコーナーがあるんです。
やっぱり人数多いほうが盛り上がるので、そこにも参加してくれるように興行主のおじさんがお願いしていたようで、幼稚園児とか小学生と一緒に、ヤカラ予備軍も一緒にリングに上がってくれて子供たちをうまくリードしてくれたりとか大きい声で挨拶の練習とかしてくれて……。
セリ美はもう「ヤカラ予備軍とか言ってごめんやでえええええええめっちゃええ子たちやああああああああああああ泣泣」ってなんか感動しましてねえ。
中学生なのになんでピアス開けちゃったり金髪にしちゃってんのかは分かんないけど、ガチのヤカラと違って彼らはまだ全然ピュアで、あの興行主のおじさんのように上手に彼らを楽しく導いてあげれば彼らはきっと道を踏み外さずに成長していける、と思ったんですよ。
外ヅラだけはニコニコして綺麗な言葉並べてるくせに実はものすごい腹黒いこと考えてるとか、自分の感情や都合しか考えてない大人いっぱいいますけど、その先陣切ってるのがうちの母親ですけど、そんな大人なんかよりもよっっっっっぽど彼らのほうがまともだと思いました。
だってさ、暇だからといって知らんおっさんに突然声かけられて「プロレス観れるよ、ちょっとお手伝いしない?」とか言われて「いいっすよ~」なんてほんとに来てくれてひたすらパイプ椅子並べたりしてくれるなんてやっぱりいい子たちだよねえええ
でも、あんな外見だからきっと学校とかでは大人たちにあまりいい対応されてないはず。
ピアスも開けずに金髪にもせずに普通に部活やって勉強してる、手のかからない子たちのほうがそりゃ大人は「あー面倒が無くていいわあ」と思うもんねえ。
そりゃそうよね。セリ美が教師でも「ったく……」と思いますよ。真面目に真っ当に中学生やってる子たちのほうがエライもん。ちゃんとルール守っててさ。
よく「不良から更生して真面目に働ける大人になった」って人をやたらと褒めたたえる風習あるけど、不良にもならずにずっと真面目に生きてる人のほうが全然エライよねえ。
なんで彼らが校則を破るようになっちゃったのかは分からないけど、それでも、対応を間違わなければ、ピアス開けちゃっても、金髪にしちゃっても、10代という若さならどうとでも導いてあげられるんだな、と大変に実感しましてね。
もちろん音校生たちなんて「不良にもならずにずっと真面目に生きてる」代表格ですけど、10代女子だけで軟禁状態にされて謎のルールをたくさん強いられて「上手いもん勝ち」という絶対的な掟の中で生活していれば、不健全な感情が芽生えるに決まってるし、入団後なんて「謎の劇団推し」みたいな恩恵を受ける同期や下級生に対してもっと不健全な感情は芽生えるに決まってる。
その不健全な感情を処理してあげられるのは大人しかいないのに、きっとそこを「自分らでなんとかしろ、もう大人だろ?」っつって放棄し続けたのでしょう、劇団の大人たちは。
純粋培養して少女の気持ちのまま止めたくせに。
それとは別件ですけど、「これは男の特権じゃ」っつって、女性演出家や女性管理職をわざと置かないようにおっさんどもが蹂躙してきたわけでしょう?
おっさんの罪は重いですよ。長年鬱屈していたものが爆発してしまった今回の件を受けて、おっさんたちがどう反省したかは分かりませんが、少なくとも事件以前はそうしてきたわけでしょう?
生徒間の不健全な感情を無視し続け、女性の意見を遠ざけ続け、おっさんらの都合のいいように劇団を支配してきたわけでしょう?退団後だって10代という貴重な時期を頂戴しておきながら「辞めたあとは自分でなんとかしろよ」って放置じゃないですか。OGの皆さんはバイタリティーもコネクションもあるからなんとかなってるだけで。
110年も繁栄し続けているという結果がちゃんと出てるので、それが全部間違いだったとまでは言わないですけどね。
一見不良少年に見えた彼らの純粋さを垣間見たセリ美は、大人の責任ってものをなんかすごく感じた出来事でした。
ゆとり世代だとかZ世代だとか、それぞれの生育環境によっていろんな大人が出来上がってますので、「これだから〇〇世代は……」と思うこともたくさんありますが、その「〇〇世代」ってものを作った張本人は当時の大人たちなわけですからねえ。
全然関係ないけど、小学生も含めた10代の子たちって「やっぱりマスク越し?じゃなくって~、友達の顔?がちゃんと見えて話せるのって~、大事なこと?だなって?思い?ますね~?」って半疑問形で喋る子がめちゃくちゃ多いなと感じますが、きっとお母さんがそういう喋り方なんだろうな、確かに半疑問形の話し方が流行った世代だよな、と感じることが多いんですが、まぁそれほど子供っていうのは大人の影響が大大大、って話です。喋り方までコピーされちゃうんですよね。
方言は古くから伝わる無形文化みたいなものですけど、半疑問形って新しく生まれたものだからなんかセリ美はすごく違和感があってねえ……しかもそれを小学生が使ってるっていうのが、なんかねえ……ちょっとゾッとする部分があるんですね。大人の影響の強さっていうか。
もっと関係ないけど、これには韓国文化の流入も影響してるなと分析してます。韓国語ってすごい尻上がりの抑揚で喋りますもんね。韓国ドラマに夢中になってる子育て世代が知らず知らずに韓国寄りの抑揚で喋るようになっちゃったのもある気がしますね。
あ、ちなみにセリ美は韓国のエンタメ・文化に興味は無いです。
ミズさんがおすすめしてくれる韓国コスメには少しお世話になってますけど。
まぁそんなこんなで、「現代社会の歪みはいつだって大人が作り出している、それに洗脳され、犠牲になる子供たちへの責任をもっと自覚しよう」って話でした。自戒も含め。
それとはまた別件で最近ちょっと演出家について思うことがいろいろあるので、また更新しますね。
阪急株主総会で「女性管理職をもっと登用して」と仰ってくださったという殿方の意見、ちゃんと吸い上げてくれてんのかしらね……
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